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<経済指標コメント>米3月小売売上高は1.1%増

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[米国]

小売売上高(3月)は前月比+1.1%、除く自動車は同+0.7%
3月分の小売売上高は前月比+1.1%と2012年9月以来の強い伸びとなった。自動車及び同部品を除くベースでも同+0.7%と2013年2月以来の強い伸び。内訳を見ると3月の新車販売台数の大幅増加を反映して自動車・同部品ディーラーが同+3.1%の大幅増、レストラン(同+1.1%)、衣服店(同+1.0%)、総合商店(同+1.9%)、無店舗商店(同+1.7%)などが売上を伸ばした。GDP統計上の実質個人消費の基礎統計となる、自動車・ガソリンスタンド・建設資材・レストランを除くベースの売上も同+0.8%と2ヶ月連続伸びを加速させた。年末から1月にかけての寒波の影響はほぼ払拭された。ただし12月、1月の売上減により1-3月期の同ベース売上高は前期比横ばいにとどまっている。1-3月期の実質個人消費は前期比年率1%台の伸びにとどまったと引き続き見る。
20140419図1

企業在庫(2月)は前月比+0.4%、企業売上高は同+0.8%
2月の企業在庫は前月比+0.4%と緩やかな伸びにとどまった。3月前対比の伸びは+1.3%と4ヶ月連続で減速している。一方企業売上高は同+0.8%と前月の同-1.1%から急反発、企業売上が寒波の影響から脱したことを示唆している。企業在庫は現在調整局面にあり、1-3月期のGDP統計では2四半期連続で成長率にマイナス寄与すると見る。
20140419図2

住宅着工件数(3月)は年率946件(前月比+2.8%)、同許可件数は同990件(同-2.4%)
3月の住宅着工件数は前月比+2.8%と2ヶ月連続の増加。12月-1月は寒波の影響で連続減少したがここ2ヶ月で持ち直した。着工許可件数は同-2.4%の減少だったが高水準を保っている。住宅建設も寒波の悪影響から脱したといえる。もっとも1-3月期の着工件数は前期比-8.4%の減少で、GDP統計上の住宅投資がマイナス成長となることを示唆している。しかし10-12月期の住宅投資が住宅着工増加に拘らずマイナス成長だったことは統計の期ブレの可能性があり、1-3月期は逆に着工減少に拘らずGDP統計上の住宅投資はプラス成長を見込んでいる。
20140419図3


鉱工業生産指数(3月)は前月比+0.7%、設備稼働率は79.2%(前月比+0.4%ポイント)
3月の鉱工業生産指数は2ヶ月連続上昇となる前月比+0.7%。内訳は製造業は同+0.5%、鉱業が同+1.5%、電力・ガス等の公益事業が同+1.0%と押し並べて上昇している。設備稼働率は79.2%とこれも2ヶ月連続の上昇、2008年10月以来の79%台を回復した。経済ののりしろは縮小、ディスインフレ圧力は着実に後退していると見る。
20140419図4


消費者物価指数(3月)は前月比+0.2%(前年比+1.5%)、同コア指数は前月比+0.2%(前年比+1.7%)
3月の消費者物価指数は前月比+0.2%の緩やかな伸びにとどまった。前年比では+1.5%と前月の同+1.1%から持ち直した。総じて物価上昇圧力はまだ弱いといえる。しかしながら、生産関連指標と接尾稼働率の上昇は経済ののりしろが着実に縮小していることを示唆しており、経済の遅行指標である消費者インフレ率は年後半から上昇するとの見方を維持する。
20140419図5

フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(4月)は16.6ポイント(前月比+7.6ポイント)
フィラデルフィア連銀の製造業景況感指数(現状DI)は2ヶ月連続の上昇となる16.6ポイント(前月比+7.6ポイント)と昨年9月以来の高水準に回復した。企業景況感も寒波の悪影響から脱却したといえる。しかし一方で6ヶ月先DIは26.6ポイントと2ヶ月連続低下、また6月先の設備投資DIも26ポイントと前月比低下、企業設備投資は今後拡大するもそのペース拡大は緩やかであることを示唆している。
20140419図6

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<経済指標コメント>米3月非農業部門雇用者数は192千人増

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[日本]

鉱工業生産指数(2月)は前月比-2.3%
2月の鉱工業生産指数は前月の同+3.8%上昇から転じて同-2.3%と大幅低下した。出荷指数も前月の同+5.1%から同-1.0%の低下。しかし鉱工業生産指数の持ち直しの動きは不変で、生産指数の3ヶ月移動平均は6ヶ月連続で上昇している。一方在庫指数は前月比-0.8%と7ヶ月連続の低下、一方在庫率は同+1.7%上昇。在庫循環は意図せざる在庫減局面から今後は在庫積み増し局面に入ると見る。
20140406図1

日銀短観(3月調査)、大企業製造業業況判断DIは17(前期比+1)、同6月予測DIは8(同-6)
3月の日銀短観、大企業製造業の業況判断DIは17(前期比+1)と、5四半期連続で上昇した。しかし、上昇ペースは徐々に減速しており、アベノミクスのアナウンスメント効果が徐々に剥落している可能性を示唆している。6月予測DIは5ヶ月ぶりの低下となる8(同-6)で、消費税引上げ後の業況予測につき企業が慎重になっていることを示唆している。
20140406図2

[米国]

ISM製造業指数(3月)は53.7%(前月比+0.5%ポイント)、ISM非製造業指数は53.1%(同+1.5%ポイント)
3月ISM製造業指数は2ヶ月連続上昇となる53.7%(前月比+0.5%ポイント)。11、12月の急低下から持ち直しつつある。内訳は新規受注DIが55.1%(同+0.6)、生産DIが55.9%(同+7.7)、雇用DIが51.1%(同-1.2)、入荷遅延DIが54.0%(同-4.5)、在庫DIが52.5%(同横ばい)。ISM非製造業指数も前月の低下から転じて53.1%(同+1.5%)。内訳は事業活動DIが53.4%(同-1.2) 新規受注DIが53.4%(同+2.1)、雇用DIが53.6%(同+6.1)、入荷遅延DIが52.0%(-1.0)。企業景況感は内容まちまちながらも一時的低下から持ち直しており、今後の米経済拡大見通しを支持しているといえる。
20140406図3

新車販売台数(3月)は年率16.3百万台(前月比+1.1百万台)
3月の新車販売台数(乗用車及び軽トラック)は年率16.3百万台(前月比+1.1百万台)と急増、4ヶ月ぶりに年率16百万台台を回復し、昨年11月の販売台数水準に回帰した。12月~2月の販売減少が一時的な天候要因によるものだったことを示唆している。四半期平均では1-3月期の販売台数は15.6百万台と10-12月期並を維持した。3月の個人消費は寒波の影響から回復して再加速している可能性が高い。
20140406図4

3月非農業部門雇用者数は前月比+192千人(前月同+197千人)、失業率は6.7%(前月比横ばい)
3月の非農業部門雇用者数は前月比+192千人と堅調な伸び。前年比の同雇用者数の伸びは+1.7%と前月の同+1.6%からやや加速した。1月、2月分も上方改訂され、それぞれ同+144千人、+197千人となった。3月の業種別内訳は民間部門が同+192千人、政府部門が同横ばい。民間部門では小売業(同+21.3千人)、運輸(同+7.9千人)が前月の雇用減から転じて雇用が増加したのが目立つ。いずれも一時的な天候要因による雇用減から回復したことを示唆している。週平均労働時間(生産及び非監督労働者)は33.7時間と、前月の33.4時間から急増し11月の水準にまで回復した。これも一時的悪天候による労働時間短縮が解消したことを示唆している。時間当たり賃金の伸びは前年比+2.2%と労働時間長期化に伴いやや低下した。失業率は前月比横ばいの6.7%、内容を見ると、労働力人口は前月比+503千人増加、労働参加率も63.2%と同+0.2%の上昇、就業者数も同+476千人増加と、労働力人口への人口再流入を伴う失業率横ばい維持という良い内容である。非農業部門雇用者数は今後も前年比1.5%~2%、時間当たり賃金は2%台の伸びを維持し、物価上昇率差し引き後の実質個人消費を2%の巡航速度で支えると見る。
20140406図5

<経済レポート> 寒波の後は再拡大へ~米国経済定点観測

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1-3月期の米国の成長率は1%台半ばにとどまった模様だ。しかしこれは寒波による消費と住宅への悪影響が主要因で、自動車販売増加など3月以降再び経済が堅調な拡大に回帰する兆しが見えている。今年通年の成長率は2%台前半~半ばに加速するとの見方を維持する。

2月までの指標悪化は一時的な悪天候要因

昨年10-12月期の米実質GDP成長率は前期比年率+2.6%と前期の同+4.1%から大幅減速したが、主な減速要因は企業在庫増加ペースの減速と政府支出の減少であり、国内民間最終需要(個人消費・民間設備投資・住宅投資の合計)は寧ろ加速した。しかし1-3月期は、寒波の影響もあり個人消費や住宅投資中心に内需が大幅に減速した模様だ。

1-3月期の個人消費の悪化を示す証左として小売売上高統計を見てみる。GDP統計の個人消費のうち財消費の基礎統計となる、自動車・ガソリン・建設資材・レストランを除くベースでの小売売上高は1‐2月平均で10-12月期に比べ-0.4%減少した([第1図])。このベースでの小売売上高が前月比でマイナスになるのはリーマンショック後のリセッション期である2009年4-6月期以来の事である。1-3月期には財消費が景気後退期並に落ち込んだことが分かる。

しかしこの落ち込みは寒波による一時的なものだといえる。まず、月次の実質個人消費統計を見ると、財消費が12月、1月に急減したのに対し、同時期にサービス消費が急増しているのが分かる([第2図])。サービス消費の多くは電力・ガスなどのエネルギー関連の消費だ。寒波の影響で消費者が買物に出る事が出来ず財消費が減少したのに対し、暖房関連のサービス消費が増加していることは、この状況が天候要因による一時的なものであることを示唆している。

[第1図]
20140405図1
[第2図]
20140405図2

個人消費は3月以降改善の兆しがある

次に、消費者センチメントと小売売上の比較からも小売売上減少が一時的なものであることが示唆されている。小売売上高の前年比の伸びは昨年末から急減速して2月時点では+1.5%とこれも2009年以来の低水準に急減速した。一方ミシガン大学消費者センチメント指数は今年に入りやや低下傾向にあるものの水準自体は高水準を保っている([第3図])。これは消費者センチメントの安定にも拘らず悪天候のため消費が一時的に抑制されていることを示唆している。

2月分個人消費統計によれば、財・サービスを合わせた実質個人消費は前月比+0.2%とまずまずの伸びを示した。ただ、3月の実績が2月比横ばいだった場合、1-3月期のGDP統計上の実質個人消費は前期比年率+1.5%となり、10-12月期の同3.3%からは大幅に減速する計算になる。これは主に12月(前月比-0.1%)と1月(同横ばい)の消費の停滞が数字上の1-3月期の伸びを押し下げているもので、上記のとおりこれが一時要因ならば4-6月期以降は再び消費拡大は加速するはずだ。なお、3月の個人消費に関する最も早い統計である3月新車販売台数は、年率16.3百万台(前月比+6.9%)と大幅に増加し、寒波到来前の11月の水準に回復した([第4図])。

個人消費を支える雇用も堅調だ。1、2月の雇用統計は寒波による統計ノイズもあり一時的に雇用増加ペースが減速したが、3月の非農業部門雇用者数は前月比+192千人と順調な増加に回復し、1、2月分も上方改訂された。週平均労働時間が1、2月に大幅に減少したが、3月には昨年11月並の水準(33.7時間)に回復した。これらは雇用統計の悪化が天候要因による一時的なものだったことを示唆している。今後非農業部門雇用者数は巡行速度で前年比1.5~2%の伸び、時間当たり賃金は2%台半ばから更に伸びの加速が期待できる。インフレ率を差し引いても実質個人消費は2%台の巡航速度を維持できる計算になる。なお、拡大失業保険給付失効の影響も結果的に限定的なようだ。2月個人消費統計によれば、拡大失業保険給付失効による政府からの給付額は1月が前月比-167億ドル、2月が同-25億ドル減少したのに対し、政府からのメディケイド給付増は1月が同+193億ドル、2月が同+114億ドル増加した。拡大失業保険給付失効による所得減は、メディケイド給付増により相殺されてあまりあり、今年の名目個人所得の伸びを加速させている。

[第3図]
20140405図3
[第4図]
20140405図4

設備投資は依然低水準だが徐々に拡大へ

これに対し、企業部門の設備投資の伸びは低調になりそうだ。GDP統計上の民間設備投資のうちの機器投資の基礎統計となる非国防資本財出荷(航空機関連を除く)は、1-2月平均で前期比年率+0.2%の伸びにとどまっている([第5図])。機器投資は10-12月期に前期比年率+10.2%と2桁成長を見せたが、1-3月期は再び1ケタ台の伸びに低迷しそうだ。

民間設備投資のうちの構造物投資も1-3月期は低成長にとどまりそうだ。基礎統計となる民間建設支出(非住宅)は1-3月期2月までで前期比年率+8.9%と僅かながらも前期の同+10.5%から減速している。もっともGDP統計上10-12月期の構造物投資は同-1.8%と想定外のマイナス成長になっている。これが統計上の期ブレであるならば、1-3月期の構造物投資は反動で2桁成長もありうることになる。

企業の設備投資意欲はしかし総じて高水準にある。フィラデルフィア連銀企業景況感調査の設備投資(将来)DIは3月に31.3%(前月比+11.4%ポイント)と3年ぶりの高水準に急伸した。1-3月期平均では前期の一時的低下から前々期並みに回復しており、今後企業設備投資が徐々に拡大することを示唆している([第6図])。鉱工業の設備稼働率も10-12月期平均で78.7%と2四半期連続で78%台を維持している。しかし、企業キャッシュフローが10-12月期に前期比でやや減少するなど、企業設備投資を決定する要因にはまだばらつきがあるため、設備投資には個人消費ほどの成長加速は期待しにくい。

[第5図]
20140405図5
[第6図]
20140405図6

悪天候で住宅建設は低迷した:市場需給は引続きタイト

住宅市場も悪天候の影響で一時的な減速を強いられている。GDP統計上の住宅投資の基礎統計となる住宅着工件数は、1-2月平均で10-12月期比-10.0%と3四半期ぶりの減少に転じている([第7図])。これは1-3月期のGDP統計上の住宅投資が2四半期連続のマイナス成長になる可能性を示唆している。ただし、10-12月期GDP統計では、住宅着工件数の増加にも拘らず住宅投資が予想外のマイナス成長となった。構造物投資同様にこれが統計の期ブレならば数字上は1-3月期に住宅投資がプラス成長になる可能性があり、筆者個人は1-3月期の住宅投資は統計上はプラスに転じると見ておきたい。

中期的にも住宅建設の増加ペースには減速感がある。住宅販売が悪天候の影響で減少したことで、中古住宅・新築住宅ともに販売在庫がやや増加している。中古住宅の在庫期間(販売在庫/月次販売戸数)は2月現在で5.2ヶ月と昨年4月以来の水準にまで上昇した。こうした販売市場の需給の若干の緩みが住宅建設需要を押し下げる要因となっている([第8図])。中古住宅販売戸数が昨年7月をピークに中期的な減少基調にあることも住宅市場見通しにとっての悪材料の一つである。

もっとも悪天候の影響は徐々に剥落しつつあるようだ。住宅着工の先行指標となる住宅着工許可件数は、3月に4ヶ月ぶりの前月比増加に転じた。また、住宅販売の在庫期間5ヶ月台は歴史的には極めて低い水準にあり、販売需給は依然としてタイトだといえる。むしろ供給が需要に追い付かないことが住宅販売戸数の減少要因だと考えることが自然である。従って住宅建設需要は引続き強く、3月以降は再び住宅建設は加速すると見たい。

[第7図]
20140405図7
[第8図]
20140405図8

1-3月期は1%台半ば、2014年通年は2%台前半~半ばの成長を予想する

企業の在庫循環は浅めの調整局面にあり、1-3月期のGDP統計では成長にマイナスの寄与となりそうだ。米国の売上高・在庫比率は極めて安定しており、過去2年間概ね1.3前後で推移している。企業売上高が年末にかけやや減少したことで同比率は2月に1.32に上昇した。これに合わせて企業は在庫積み上げペースを1月にかけ徐々に縮小している([第9図])。1-3月期のGDP統計上の企業在庫は前期に続き成長にマイナスの寄与になると見る。もっとも2月の製造業在庫統計によれば2月には在庫積み上げペースが前月比+0.7%と強めの伸びになっていることは上方リスク要因である。

政府支出は10-12月期まで5四半期連続で減少して成長にマイナスの寄与を続けてきたが、今後はこの成長抑制効果も逓減しそうだ。米議会は2月11日に、米連邦政府の債務上限を2015年3月16日まで不適用とする法案Temporary Debt Limit Extension Actを可決した。昨年12月の超党派予算合意と併せ、当面政府の財政支出継続が担保されたことで、政府支出が今後は成長にプラスの寄与をすることが期待できる。

以上より、1-3月期の米国実質GDP成長率は、寒波による悪影響を反映して前期比年率+1.5%に減速すると見る。これは1月時点の筆者個人の予想(1月4日付当レポート参照)からは-0.5%の下方修正となる。しかしその後は堅調な雇用を背景とした個人消費が牽引役となって成長は加速し、2014年通年の成長率は前年比+2.4%と個人的に予想する。これは1月時点の筆者個人予想に比べ+0.1%の上方修正となるが、基本的には1月時点の予想から見方は不変である。米国を含めた筆者個人の経済・金融予想を[第1表]に示す。

[第9図]
20140405図9
[第1表]
20140405表1