<経済レポート> デフレの兆候はない~米国の物価と賃金

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米国のインフレ率はここ数ヶ月の間低下傾向にあるが、これはエネルギー価格の一時的下落が主因であり、マイナス需給ギャップの縮小や期待インフレ率の安定は今後インフレ率が2%に向けて上昇することを示唆している。現状伸び悩んでいる賃金上昇率も来年にかけ加速すると見る。FRBの金融政策については、10月FOMC定例会合での資産購入停止決定、来年6月定例会合での初回利上げ実施との個人予想を維持する。

消費者インフレ率低下の要因はエネルギー価格

米国のインフレ率は今年の半ば以降低下傾向にある。消費者物価指数(CPI)上昇率は5月に前年比+2.1%にまで上昇したが、その後低下を続け9月現在では同+1.7%となっている(10月25日付<経済指標コメント>参照)。食品・エネルギーといった変動の大きい品目を除きかつ短期のインフレ率変動を見るために、コアCPIの6ヶ月前対比年率の伸び率を見てみと、6月をピークに下降サイクルに入っており、9月時点でも依然前月比低下を続けている([第1図])。これは、エネルギーや食品を除くコアのCPIインフレ率においても、少なくとも循環的な変動はまだ低下局面にあることを示唆している。

しかし、これは米国が欧州やかつての日本のようなデフレ圧力に同様にさらされていることを意味するものではない。CPIの品目別の内訳を見てみると、まず原油価格の下落を背景としたエネルギー関連の価格低下が顕著である。エネルギー関連(財・サービス合計)は9月時点で前年比-0.6%のマイナスの伸び、うちガソリン価格は同-3.6%にまで低下しており、これがCPI上昇率を低下させる要因となっている([第2図])。一方、食品・エネルギーを除くコア指数を構成する品目では、運輸サービスや衣服の価格上昇率が年半ばをピークに低下に転じており、これらがコアCPI上昇率を低下させていることがわかる([第3図])。

これらからは、インフレ率の低下が中期的な趨勢ではなくあくまで循環的な変動であることが憶測できる。エネルギー価格の変動率は過去2年間の循環的変動の範囲内にとどまっている。コア指数の要素である運輸サービス価格はエネルギー価格の変動の影響を受けやすい品目である。また衣服価格は1年前の同時期に大幅に上昇したため、現在の前年比の上昇率が低めに出ているが、前月比では過去6ヶ月中5ヶ月で上昇している。衣服価格の前年比の伸び率も昨年の一時要因の剥落で間もなく底入れして上昇に転じると考えられる。

[第1図]
20141026図1
[第2図]
20141026図2
[第3図]
20141026図3

需給ギャップ縮小とインフレ期待安定でインフレ率は上昇へ

インフレ率の回帰分析からも同様に米国経済に緩やかなインフレ圧力があることが示唆される。[第4図]は、個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)のコア指数を需給ギャップと期待インフレ率で回帰した推計値([第1表])と、同実績値との比較である(9月23日付当レポート参照)。これによれば、コアPCEデフレーター上昇率の推計値は2009年以降ほぼ一貫してゆるやかな上昇を続けており、2014年7-9月期時点で前年比約+1.7%の水準にある。推計値の上昇は主にマイナスの需給ギャップの縮小が寄与しており(筆者成長率予想と米議会予算局推計による潜在GDPからは、7-9月期の需給ギャップは約-3.9%となる)、消費者期待インフレ率は概ね安定した推移となっている。もっとも直近では期待インフレ率にやや低下傾向がみられる。ここで変数として用いたミシガン大学消費者センチメント調査における期待インフレ率(12ヶ月)は9月時点で3%と、2ヶ月連続で低下している。しかしながら、この期待インフレ率は過去2年間2.9~3.3%の範囲内でほぼ安定的に推移しており、現在の水準もその範囲内である。今後期待インフレ率が3%を大きく下回らない限り、インフレ率を趨勢的に低下させる要因にはならないことになる。

これに対し、8月時点の同指数の実績値は同+1.5%弱であり、推計値からの下方乖離が続いている。しかしこの下方乖離も7-9月期には徐々に解消されつつあり、いずれ推計値に回帰する様子が見て取れる。経済成長が続けばマイナスの需給ギャップは縮小に向かい、期待インフレ率が大幅低下しない限り実際のコアPCEインフレ率も今後推計値に向かって上昇すると考えられる。

FRBがインフレ率の指標として用いるPCEデフレーター(総合指数)もこのコア指数に沿った動きをするとすれば、8月時点で前年比+1.5%にまで低下しているPCEデフレーター上昇率も、エネルギー価格の下落が一段落すれば年末にかけて上昇に転じると考えられる。年末時点のPCEデフレーター上昇率は前年比+1.7%と筆者は個人的に予想しているが、これまでの指標はこの予想を支持する内容となっている。

[第4図]
20141026図4
[第1表]
20141026表1

賃金上昇は来年にかけ加速すると見る

一方で、賃金上昇率の伸び悩みがデフレ圧力になるとの懸念が一部にある。確かに、2014年に入ってからはその伸び率は横ばいに転じ、1月から9月までの間は前年比+2%~+2.5%の間で推移している([第5図])。この間に失業率は6.6%から5.9%へと-0.7%低下していることから、失業率低下に比べて賃金上昇率の伸びが相対的に加速していないことは事実のようである。なお、イエレンFRB議長は8月22日のジャクソンホールにおける講演 で、賃金上昇率が低い原因として「積み上がり賃金デフレpent-up wage deflation」の可能性を指摘している。すなわち、多くの企業が景気後退時や回復期初期において「名目賃金の下方硬直性」により賃金引下げができなかったため、景気回復後の現在賃金を引き上げるインセンティブがないとの見方である。

しかし、失業率と時間当たり賃金の長期的な関係を見ると、現在の賃金上昇率が過去に比べて例外的に低いわけではないことがわかる。[第6図]は過去約10年間の失業率と時間当たり賃金の関係を示すシンプルなフィリップス曲線である。これによれば確かに、直近の数四半期において失業率低下に対する賃金上昇率の頭打ち傾向が見て取れる。また、失業率上昇期(2007年~2010年)における賃金上昇率の低下は失業率上昇に比べて遅い傾向も見て取れる(同図の上半分)。しかしながらまず、このグラフから読み取れる失業率上昇に対する賃金調整の遅れは、下方硬直性というよりも賃金調整の失業率に対する遅行性と見るのが妥当なようだ。同図によれば、2010年をピークに失業率が低下に転じたあとも賃金上昇率は低下を続け、失業率が8%にまで低下して初めて賃金上昇利が上昇に転じている。これはいわゆるフィリップス曲線の左方シフトではなく通常の遅行性の反映である。賃金調整の失業率に対する遅行性を勘案すれば、現在十分に上昇していない賃金も上昇率の加速が見込めることになる。

次に、現在の賃金上昇率は10年前の2004年に失業率が現在と同水準だった時期にくらべて相対的に高めになっている。2004年に失業率が5.7%だった時期に時間当たり賃金上昇率は前年比+1.7%程度だった。今年9月時点での失業率5.9%に対する時間当たり賃金上昇率+2.3%はむしろ上昇ペースが速いともいえるだろう。現在も2004年も景気拡大期であり失業率低下局面であるとの条件は同じであるから、少なくとも現在の賃金上昇率が失業率に比べて低すぎるということにならないだろう。更に、このフィリプス曲線の左半分の2004年~2007年の部分の形状は、失業率が5%台半ばを下回って低下すると賃金上昇率ペースが加速する可能性を示唆している。これは、失業率が自然失業率を下回ると賃金上昇ケースが加速する可能性をしめしたものである。米議会予算局は2014年時点の自然失業率を5.7%と推計しているのに対し9月現在の失業率は5.9%であるから、間もなく失業率は自然失業率を下回り、賃金上昇率も加速する可能性がある。

[第5図]
20141026図5
[第6図]
20141026図6

単位労働コストは価格押し上げ圧力:来年6月の利上げ予想を維持する

最後に別な統計を見ると、時間当たり報酬の伸び率は必ずしも低くはないことがわかる。[第7図]は、米商務省の労働生産性統計に見る非農業企業部門の時間当たり報酬と単位労働コストの伸び率の推移である。上記の時間当たり賃金が生産及び非監督労働者の賃金のみを対象としているのに対し、労働生産性統計の時間当たり報酬には賃金・給与のほか福利厚生等の補助金等が含まれる。これによれば、4-6月期において時間当たり報酬は前年比+2.8%と、労働生産性上昇率同+1.1%を上回る上昇をしめしており、結果単位労働コストも同+1.7%上昇している。これは企業にとって時間当たり報酬が+1.7%程度の生産コスト上昇率として企業に認識されていることを表し、将来の価格引上げの可能性を示唆するものである。

以上の証跡からは、米国にはまだ趨勢的なデフレ要因は見当たらず、直近数ヶ月のインフレ率低下はエネルギー価格の循環的変動による一時的なものだと見ることが可能である。従って、今後米国のインフレ率は再び堅調な上昇に転じ、PCEデフレーターの前年比上昇率で年末に+1.7%、来年半ばには+2%の水準に上昇するとの個人予想を維持する。またこれはFOMC委員のインフレ見通しとも概ね整合している。9月定例会合時点でのFOMC委員経済予測によれば、2015年のPCEインフレ率(第4四半期前年同期比)予測の中心傾向は1.6~1.9%となっている。従って、FRBの金融政策についても、10月のFOMC定例会合で資産購入停止を決定し、来年6月の定例会合で初回の利上げを決定するとの見方を維持する。

これに対するリスク要因は、中国経済減速観測の更なる悪化等に伴う原油価格の更なる下落と、消費者期待インフレ率の低下である。WTI原油先物価格は1バレル=80ドル前後でいったん下げ止まり、循環的な価格反動の範囲内にとどまると見るが、これが更に下落加速すると少なくとも表面上の物価上昇率は低下せざるを得ない。こうしたリスクが顕現すると更にこれまで安定的だった消費者の期待インフレ率が直近の下限を超えて低下するリスクなしとせず、その場合インフレ期待はインフレ実績にも影響を及ぼすリスクがある。

[第7図]
20141026図7

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<経済指標コメント> 米9月消費者物価指数は前年比+1.7%

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[米国]

中古住宅販売(9月)は年率5170千戸(前月比+2.4%)、在庫期間は5.3ヶ月

9月の中古住宅販売は年率5170千戸(前月比+2.4%)と前月の同-1.8%から反転増加した。販売在庫は2300千戸(同-1.3%)と2ヶ月連続の小幅減少、在庫期間は5.3ヶ月と前月の5.5ヶ月からやや短期化、中央販売価格は前年比+5.6%と前月の同+4.1%から伸びかやや加速した。集計元の全米不動産業協会(NAR)は「今年の春からの購入需要は秋にも維持されている」「居住目的の購入者はより競争の少ない市場に参入しているが、投資目的の購入者は横ばい」「しかし、物件の選択余地は例年の冬にかけて物件減少により狭くなっている」としており、本来の居住目的の需要は堅調であるとしている。住宅市場の需給は適正かややタイトであるが住宅価格上昇ペースは緩やかであり、住宅販売は今後も堅調に増加すると見る。

20141025図1

消費者物価指数(9月)は前年比+1.7%、同コア指数は同+1.7%

9月の消費者物価指数は前月比+0.1%、前年比+1.7%と、前年比の伸び率は前月比横ばい。同コア指数は前月比+0.1%、前年比+1.7%とこちらも前年比の伸び率は前月と同じだった。内訳を見ると、前月比で物価が低下したのがガソリン(同-1.0%)、灯油(同-2.1%)など原油価格下落を反映したエネルギー関連財、一方で医療サービス(同+0.5%)などが前月比で上昇している。原油価格下落にも関わらず物価上昇率の低下ペースは減速しており、大きなデフレ圧力の兆候は見られない。失業率低下に伴う経済ののりしろの縮小で、一時的な原油価格低下が一段落すれば今後年末にかけて物価上昇率は徐々に再び上昇に向かうと見る。FRBは10月のFOMC定例会合で試算購入の停止を決定し、来年6月に利上げを開始するとの個人予想も維持する。

20141025図2

新築住宅販売(9月)は年率467千戸(前月比+0.2%)、在庫期間は5.3ヶ月

9月の新築住宅販売戸数は年率467千戸(前月比+0.2%)と微増、前月の同+15.3%の大幅増後そのペースを維持した。販売戸数の水準は2008年7月以来の高水準。販売在庫も207千戸(同+1.5%)と7ヶ月連続で増加した。在庫期間は5.3ヶ月と前月比横ばい。販売戸数の6ヶ月移動平均は436千戸と2ヶ月連続で上昇しており、販売戸数のトレンドは堅調である。供給も堅調で販売在庫も着実に増加中である。新築住宅市場の需給も適正かややタイトであるが今後も堅調に拡大すると見る。

20141025図3

<経済指標コメント> 米9月小売売上高は前月比-0.3%

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[米国]

小売売上高(9月)は前月比-0.3%、除く自動車関連同-0.2%

9月の小売売上高は前月比-0.3%と予想以上の悪化となった。新車販売の減少を反映して自動車及び同部品ディーラーが同-0.8%の大幅減、他の業種も売上を減らし、除く自動車関連でも同-0.2%の減少となった。売上を減少させたのは他に衣服店(同-1.2%)、建設資材及び園芸品店(同-1.1%)、無店舗小売業(同-1.1%)、ガソリンスタンド(同-0.8%)。一方で家電店は同+3.4%と大幅な売上増。9月の売上減は、前月の同+0.6%の大幅増加からの一時的反動減とも見ることができる。また最近の小売売上高統計は大幅に上方改訂されることがしばしばあるため、個人消費の減速の兆しと見るのは時期尚早と考える。GDP統計上の個人消費の基礎統計の一部となる自動車・ガソリンスタンド・建設資材・レストランを除くベースでは、9月は前月比-0.1%減にとどまっている。なお同ベースの7-9月期の小売売上高は前期比+1.0%の増加を確保しており、7-9月期GDP統計上の実質個人消費は前期比年率2%レベルの成長が可能な計算になる。

20141019b図1

鉱工業生産指数(9月)は前月比+1.0%、設備稼働率は79.3%

9月の鉱工業生産指数は前月比+1.0%と前月の同-0.2%から反発した。内訳は製造業同+0.5%、鉱業同+1.8%、公益事業同+3.9%と押しなべて上昇。しかし、製造業で指数が上昇したのは航空機関連等の振れの大きい業種で、自動車及び同部品は同-1.4%と前月の同-7.0%に続き2ヶ月連続の指数低下、自動車生産台数(乗用車及び軽トラック)も年率6.87百万台と2ヶ月連続で減少した。総じて鉱工業生産は増加にややもたつきの兆しがみられる。一方で設備稼働率は79.3%と前月比+0.6%ポイントの上昇。1972-2013年の平均である80.1%にあと1%以内にまで迫っている。

20141019b図2

企業在庫(8月)は前月比+0.2%、企業売上高は同-0.4%

8月の企業在庫は前月比+0.2%と伸び率がやや減速した。企業売上高は7ヶ月ぶりの前月比減少となる同-0.4%。在庫売上高比率は1.29倍と、過去6か月間横ばいで推移している。企業売上の減速を背景に企業在庫は引き続き調整局面にあり、7-9月期GDP統計では企業在庫は成長にマイナス寄与すると引き続き見る。

20141019b図3

住宅着工件数(9月)は年率1017千件(前月比+6.3%)、着工許可件数は同1018千戸(同+1.3%)

9月の住宅着工件数は年率1017千件(前月比+6.3%)と前月の同-12.8%から反転増加した。6ヶ月移動平均は3ヶ月連続で上昇し、住宅建設が堅調に増加していることを示唆している。結果7-9月期の住宅着工件数は4-6月期比+3.9%とプラスの伸びを確保した。GDP統計上の住宅投資は2四半期連続のプラス成長となる計算である。住宅着工許可件数も年率1018千戸(同+1.3%)と堅調に増加している。

20141019b図4



<経済レポート> 熱すぎず冷めすぎず~米国住宅価格

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米国の住宅価格上昇率はここのところ10%を下回るペースに落ち着いている。住宅販売在庫期間などの決定要因分析からは今後1年間も5~10%の上昇率が見込まれる。こうした適度な価格上昇は住宅市場需給の好循環を促し、個人消費の底支え要因になると見る。住宅バブル期のような経済牽引役ではないが、ちょうど心地よい状態といえる。

住宅価格は適度な上昇ペースが続いている

米国の住宅価格は現状適度なペースで上昇を続けている。S&Pケースシラー住宅価格指数(20都市)は2013年から2014年半ばにかけて一時前年比10%を超える上昇を見せたが、その後上昇ペースをやや落として、7月現在では同+6.7%の伸びとなっている([第1図])。金融危機前の住宅バブル期には一時20%近い住宅価格上昇が続いていたが、これがやや行き過ぎだと考えれば、現在の価格上昇ペースは適度なものといえるだろう。

住宅価格の推移をその水準で見ると、2006年の価格ピーク時に比べて現在の住宅価格は約84%にまで回復したことになる。バブル期の住宅価格がやや上昇しすぎだったと考えれば、現在の住宅価格水準もほぼ適度なものといえるだろう。

住宅価格の上昇ペースが適度であることは、消費者の住宅購入意欲を刺激して住宅販売の増加を促し、住宅投資の拡大に寄与する。また、住宅価格の上昇は家計の資産価格の上昇につながり、資産効果を通じた個人消費の拡大を促す。以下では、いくつかの決定要因からみた住宅価格上昇の状況を分析するとともに、個人消費や住宅投資を通じた経済拡大への影響を見ていくこととする。

[第1図]
20141019図1
[第2図]
20141019図2

住宅価格は販売在庫期間で決定される:今後も5~10%の上昇率を予想

米国の住宅価格の一番大きな決定要因は住宅販売在庫期間である(在庫期間=住宅販売在庫÷月次住宅販売戸数)。米国住宅市場の9割を占める中古住宅販売在庫期間と住宅価格の推移を見ると[第3図]のようになる。住宅の販売在庫期間はほぼ6ヶ月程度が適切とされているが、現在の在庫期間は6ヶ月をやや割り込む水準にあり、標準よりもややタイトな状況にある。しかし、中古住宅販売在庫期間が2012年から2013にかけて一時4ヶ月台にまで短期化していた時期があり、この時期には住宅価格が10%を超える上昇となり、かなり需給に過熱感があったといえる。その後住宅販売在庫の増加で需給が緩和されつつあり、住宅価格上昇率は10%以下に低下して現在に至っている。

中古住宅販売在庫期間と住宅価格上昇率の間には約2四半期のラグを伴って強い相関関係がみられる([第4図])。8月現在の中古住宅販売在庫期間が5.5ヶ月をこの相関関係に当てはめると、半年後の住宅価格上昇率は前年比約+8.2%となる計算になる。住宅価格上昇率は今後半年間に現在よりもやや加速するものの、10%をやや下回るペースに留まることが予想できる。

中古住宅販売在庫期間のほか、名目個人所得や住宅ローン金利も住宅価格に影響を与える要因である。これら3つの決定要因を変数とした住宅価格上昇率の回帰分析結果が[第1表]である。これによれば、在庫期間・名目個人所得・住宅ローン金利の3つを外生変数とした場合、住宅価格上昇率を更によく説明することができ、かつ住宅ローン金利が相応に住宅価格に影響を与えることがわかる。今後、緩和的金融政策の解除により住宅ローン金利の上昇が予想されるため、これが住宅価格抑制要因になる。一方で個人所得の拡大がこれを補うことができれば、住宅価格は結果ほぼ在庫期間に応じた上昇ペースを保つと予想できる。

[第3図]
20141019図3
[第4図]
20141019図4
[第1表]
20141019表1

適度な価格上昇は住宅市場需給の好循環を促す

次に、住宅在庫期間を決める需要側要因と供給側要因を見てみる。まず需要側で住宅需要を長期的に決める要因である持家比率と貸家空室率の状況を見る。総じてみると、持家比率は低下傾向が続き購入需要を緩和する方向にあるのに対し、貸家空室率は低下を辿っていて賃貸需要が高まっていることを示唆している([第5図])。これらは、住宅需要が持家から賃貸へとシフトする傾向が続いていることを示唆するものである。住宅需要が主に賃貸にシフトしているのは、住宅ローンの信用条件がいまだ厳格であることによると考えられる。FRBの資金循環統計によれば、2014年第2四半期時点の家計住宅ローン借入残高な9.38兆円で、2008年第2四半期のピーク以来連続して減少が続いている(2013年第3四半期のわずかな増加を除く)。住宅ローン残高の減少が止まらないことは住宅購入需要が中期的には急激には伸びない可能性を示唆している(住宅建設市場における需給決定要因について5月22日付当レポート参照)。

一方供給側では、一時枯渇していた販売在庫が回復しつつある。中古住宅販売市場では長らく減少傾向にあった販売在庫残高が底入れして増加に転じる兆しが見られ、これに伴い在庫期間が徐々に長期化しつつある([第6図])。また、住宅着工も7-9月期には2四半期連続で前期を上回る増加を示しており、供給側では需給緩和方向の動きがみられる。

今年前半までの住宅市場の需給タイト化は主に供給側の人手不足や材料価格上昇が背景とされてきたが、建設業の雇用拡大や原材料価格の低下で供給力は徐々に改善していると考えられる。需要側も、中期的に見れば住宅ローンがネックとなって本格的な持家需要は急激には伸びないものの、供給が回復することで住宅価格上昇が抑制され、これが消費者にとって有利な条件として購入を促進するという効果が出つつあるといえる。これらの状況から、住宅価格は今後も前年比5%~10%の上昇が持続的に可能と推測できる。

[第5図]
20141019図5
[第6図]
20141019図6

住宅は消費の牽引役ではない:金利上昇を相殺する底支え要因

次に、これまでの累積的な住宅価格上昇が家計資産および消費に与える影響を見てみる。米国の家計総資産は既に金融危機前のピークを大きく上回る水準に回復しているが、その太宗は株式などの金融資産であり、住宅などの不動産価格は金融危機前のピークには戻っていない([第7図])。住宅価格上昇の家計資産増加に対する寄与は金融資産に比べて小さく、過去のような消費の牽引役にはなりにくいといえる。

筆者試算では、住宅価格の1%の上昇は実質個人消費を約+0.1%増加させる資産効果がある(8月15日付当レポート参照)。ここからは、毎年5%の住宅価格上昇率は実質個人消費を約0.5%増加させることになり、この寄与は大きくはないが相応のものであるといえる。特に今後金利上昇による消費抑制効果が高まることを考えれば、住宅価格上昇による資産効果はこれをほぼ相殺することが期待でき、結果個人消費は雇用と賃金の増加に見合った分だけの持続的な拡大が可能になることになる。

以上より、住宅価格が今後5~10%の適度な上昇を続けることで、住宅販売市場・住宅建設市場にプラスのスパイラルをもたらしてそれぞれの市場の堅調な拡大が持続可能と見る。また個人消費に対してはこれを底支えする役割を果たして行くと考えられる。住宅バブル期に住宅価格上昇を背景に住宅を担保とした借入による消費が経済を拡大させていたことに比べれば、現在の住宅が経済に寄与する形は極めて健全である。今後中期的には住宅ローンの信用条件が徐々に緩和されれば、住宅市場が経済の牽引役に回帰する可能性もなしとはしない。しかし、現状程度の拡大ペースは統計を見る限りでは熱すぎず冷たすぎない状態(Goldilocks)といえるだろう。

[第7図]
20141019図7


<経済指標コメント> 日本の8月機械受注は前月比+4.7%

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[日本]

景気ウォッチャー調査(9月):現状判断DIは47.4(前月比横ばい)、先行き判断DIは48.7(同-1.7ポイント)

9月の景気ウォッチャー調査、3ヶ月前と比較しての現状に対する判断DIは47.4と前月比横ばい。駆け込み需要の反動減後6月に51.5まで上昇した同DIはその後2ヶ月連続で横ばいを示す50を下回った。内訳は家計動向関連DIがやや上昇して46.7(前月比+0.9ポイント)、一方で企業動向関連DIは47.9(同-0.6)、雇用関連DIは51.2(同-4.1)は低下した。2~3ヶ月先の景気の先行きに対する判断DIは48.7(同-1.7ポイント)と4ヶ月連続の低下で、横ばいを示す50を6ヶ月ぶりに下回った。内訳は家計動向関連DIが48.0(同-1.3)、企業動向関連49.1(同-2.5)、雇用関連52.9(同-2.4)といずれのDIも低下。総じて景況感はやや弱含みな傾向にあり、反動減からの戻りにつき現状・先行きともやや弱めで膠着している。

20141012b図1

機械受注(8月、船舶・電力を除く民需)は前月比+4.7%(前年比-3.3%)

8月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+4.7%と3ヶ月連続の増加。7-8月の平均値は4-6月期を+3.8%上回っており、経済産業省の資本財出荷指数の上昇とともに、7-9月期のGDP統計上の民間企業設備投資がプラス成長に回帰するとの見方を支持する内容となっている。企業部門は家計部門に先駆けて持ち直しの兆しがみられる。8月の同受注の季節調整前前年比の伸びは-3.3%とマイナスの伸びにとどまっているが、月次の振れを3ヶ月移動平均でならしてみると、前年比の伸びは-1.7%とマイナス幅は縮小傾向にあり、総じてトレンドは下げ止まりの兆しがみられるといえる。

20141012b図2

<経済レポート> トレンドへの回帰は可能~日本のGDP中間ラップ

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日本経済は一時2四半期連続のマイナス成長に陥るリスクがあったが、直近の経済指標からはそのリスクが後退しつつあることが読み取れる。8月までの経済指標は、筆者個人の予想である7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率+2.5%とする筆者個人の予想にほぼ沿ったものに回復している。さすれば7-9月期において実質GDPが成長トレンドに回帰することは十分に可能と見る。ただし中期的持続可能性についてはいくつかの下方リスク要因も存在する。

2四半期連続マイナス成長のリスクは後退しつつある

11月17日に公表予定の日本の7-9月期実質GDP成長率は、来年10月の消費税率10%への引上げ判断(政府は年内に判断予定)において重要な指標である。7月分指標の公表が始まった当初は特に家計消費において消費税率引上げ後の反動減からの戻りが弱く、4-6月期に続いて2四半期連続のマイナス成長のリスクが一時高まっていた。

しかし、その後公表された8月分の統計等は特に家計消費と企業設備投資において好転が見られ、7-9月期のマイナス成長リスクは徐々に後退しつつあることが読み取れる。本レポートでは、主に8月分までの経済指標をもとに、7-9月期実質GDP成長率の筆者個人予想に対する現状実績の中間ラップを見る。合わせて、消費税率引上げ後の実質GDPが成長トレンドに回帰することを消費税率再引き上げの条件とした場合の再引き上げ可否の見通しについても考察する。

消費総合指数は7-9月期の家計消費プラス成長を示唆

反動減後の戻りにつき、経済指標に新たな明るさが見えてきたのが個人消費関連である。総務省の家計調査では、二人以上の世帯の実質ベースの消費支出が7月、8月と2ヶ月連続の前月比減少となり、家計消費が2四半期連続マイナス成長になる可能性を示唆していた。しかしながら、直近10日に公表された8月内閣府消費総合指数は前月比+0.4%と2ヶ月ぶりに上昇、5月以降の4ヶ月中3ヶ月で前月比増加したとの結果になった。総務省家計調査は家計つまり需要側に対する調査をもとに推計された指標であるが、内閣府消費総合指数はこれに供給側(企業側の各種販売統計等)の結果を加味して調整を加え、GDP統計上の家計最終消費支出の算出方法に近い形で作成した月次の指数である。従って、消費総合指数はGDP統計上の家計消費支出を家計調査よりも正確に事前予測できる。

消費総合指数の四半期毎の動きをみると、9月の同指数が8月比横ばいだった場合、7-9月期の同指数平均は前期比年率+2.1%となる計算になる([第1図])。これは7-9月期のGDP統計において実質家計消費支出の同+2%台のプラス成長を見込めることを示唆している。なお、9月分の家計消費関連の指標は良いものが出ている。9月の新車登録台数は315.3千台と期末要因もあり前月の206.6千台から急増している(日本自動車販売協会連合会調べ)。また、賃金の上昇基調が持続的になってきたことも9月の家計消費の押し上げ要因となる。厚生労働省の毎月勤労統計によれば、現金給与総額の前年比の伸び率は3月以降8月まで6ヶ月連続でプラスを維持している。6月、7月の急伸は賞与引上げによる一時的なものともいえるが、一方で所定内給与も5月以降前年比プラスの伸びが続き、かつ上昇ペースは加速している([第2図])。9月の個人消費は8月よりも更に拡大して、7-9月期末にかけて回復が加速しているとの結果になりそうだ。

[第1図]
20141012図1
[第2図]
20141012図2

企業設備投資は持ち直しの兆し、受注も好調に増加中

企業設備投資も7-9月期はプラス成長への転化を見込む。経済産業省の鉱工業生産統計上の資本財出荷指数は7月に前月比+6.6%と急増し、反動減からの強い戻りが見られた。8月分は同-6.6%とほぼ7月の増加を打ち消す減少となったものの、9月が8月比横ばいであれば、7-9月期の資本財出荷は前期比+1.2%の増加になる計算である([第3図])。9月の資本財出荷が8月の反動で増加する可能性を勘案すれば、7-9月期のGDP統計上の実質民間企業設備投資は前期比年率5~10%のプラス成長が可能な状況である。

設備投資は先行きも持ち直し継続の可能性が高いと見る。先行指標となる機械受注(船舶・電力を除く民需)は8月までで3ヶ月連続前期比増加を続けている。前年比の伸び率はまだマイナス圏にあるもののそのマイナス幅はかなり縮小しており、消費税引上げ後の反動減は概ね和らいだと考えてよいだろう。

企業部門では設備投資のほか、企業在庫も数字上は7-9月期の成長にプラス寄与すると見込む。鉱工業生産統計の在庫指数は5月以降8月まで4ヶ月連続で前月比上昇しており、その上昇ペースは4-6月期のそれを上回っている。これは主に出荷の減速に伴う在庫増を反映したもので、現在の鉱工業の在庫循環「意図せざる在庫増」局面にあることを表している([第4図])。在庫調整のために鉱工業生産指数も相対的には低迷が続いているのはその反映である。その意味では現在の在庫増はあまり良い在庫増とは言えないが、少なくとも統計上は成長率にプラス寄与を見込むことができる。

[第3図]
20141012図3
[第4図]
20141012図4

7-9月期でGDPの成長トレンドへの回帰は可能と見る

一方で、住宅投資と純輸出は7-9月期の成長率にマイナス寄与となりそうだ。住宅投資の先行指標となる住宅着工戸数は、駆け込み需要の反動が始まった今年の1月以降8月までの8か月中5ヶ月で前月比減少している。現状のペースだと7-9月期の住宅着工戸数は3四半期連続の前期比マイナスの伸びになる計算となる([第5図])。また、財務省貿易統計によれば、7-8月の名目ベースの貿易赤字幅は4-6月期に比べてわずかに拡大している([第6図])。もっとも最近では、輸出物価が低下する一方で輸入物価が上昇する交易条件の悪化が顕著であることから、数量ベースの純輸出は黒字が続いており、7-9月期のGDP統計上も実質ベースの純輸出は成長にプラス寄与する可能性もある。ここは予想に対する上ブレ要因である。

公的需要は前期比でほぼ横ばいまたはわずかな増加になりそうだ。8月までの公共工事請負額は4-6月期をやや下回るペースではあるが、4-6月期に前期比59%と大幅増加した受注分が7-9月期の成長にも寄与している可能性がある。

以上より、主に8月分までの経済指標からは、家計消費・企業設備・企業在庫が成長にプラス寄与することで7-9月期の実質GDP成長率は筆者個人の8月時点の予想である前期比年率+2.5%にほぼ近いものになりそうだ。8月31日付当レポートでは、HPフィルターを用いて抽出した直近の実質GDPトレンド成長率を約+1%と推計し、7-9月期にこのトレンドに回帰するのに必要な7-9月期成長率を前期比年率2%強と試算した。その後の統計改訂を反映すると、トレンド回帰に必要な7-9月期の成長率は約+2.5%となる([第7図])。これまでに判明している統計からは、この成長率は十分に達成が可能と見ておきたい。実質GDPトレンド成長への回帰を消費税率再引き上げの条件とした場合、消費税引上げ判断は年内に可能との見通しになることになる。なお、筆者個人の実質GDP成長率予想(7-9月期前期比年率+2.5%、2014年度前年度比+0.4%)も維持する(9月23日付当レポート参照)。

[第5図]
20141012図5
[第6図]
20141012図6
[第7図]
20141012図7

中期的な下方リスクは存在する:景気動向指数・勤労者実収入

ただし、今後の中期的な成長持続可能性についてはいくつかの下方リスクが存在すると言わざるを得ない。まず、7日に公表された8月分内閣府景気動向指数はいずれも現状及び今後の景気が後退に入る可能性をも示唆している。8月景気一致指数は2ヶ月ぶりの低下となる前月比-1.5ポイント、また同3ヶ月移動平均は-0.84ポイント低下し5ヶ月連続の低下となった([第8図])。景気一致指数は主に企業側の生産・出荷指数や商業販売額、有効求人倍率などをもとに作成された指標で、GDP統計の変動とは必ずしも一致しないもののその方向性を月次でほぼ見ることができる。9月の景気一致指数が8月比横ばいだった場合、7-9月期の同指数は4-6月期比マイナスの伸びになる計算である。内閣府は一致指数の基調判断をこれまでの「足踏みを示している」から「下方への局面変化を示している」に下方修正した。

また景気先行指数も8月は3ヶ月ぶりの低下となる同-1.4%で、3ヶ月移動平均は7ヶ月連続で前月比低下している。景気先行指数の低下継続はこの先景気が上昇局面に転じる兆しがまだないことを示唆しているといえる。もっとも景気先行指数を構成する指標の中で主に指数を押し下げているのは、消費財や鉱工業生産財の在庫増加や商品指数・長短金利差・東証株価指数といった市場性の指標であり、住宅着工床面積・実質機械受注・中小企業売上見通しといった実体経済関連指標は8月に好転している。経済縮小局面への転化が、駆け込み需要の反動減に在庫調整局面が重なったものにすぎないとすれば、短期の循環的縮小に留まる可能性はあるといえる。

次に、上記の通り四半期ベースでは前期を上回る経済拡大が7-9月期に達成できたとしても、個別指標の多くはまだ前年比マイナスのものが多いこと、つまり消費税率引上げ前の水準に戻っていない指標が多いことである。HPフィルターを用いたトレンド抽出方法では、2011年の東日本大震災や今年の4-6月期の大幅反動減の影響が加味されてトレンド成長率がやや低めに出る可能性がある。上記レポートで見たようにHPフィルターで抽出したトレンド成長率(約+1.0%)は、第2次安倍政権が発足した2012年10-12月期以降のトレンド成長率は約+1.7%よりもかなり低い。本来は政権の目指す2%成長が維持できて初めて、消費税率引上げ後も持続的成長が維持できたとの見方もできるだろう。

最後に、総務省家計調査で見る限りでは勤労者世帯の実収入が前年比でマイナスの伸びが続いていることである。厚生労働省の毎月勤労統計では3月以降現金給与総額の前年比の伸びはプラスを維持しているにも関わらず、調査対象となる家計サイドではこれが少なくとも実感されていないことになる。

[第8図]
20141012図8


<経済指標コメント> 米9月非農業部門雇用者数は+248千人

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[日本]

実質家計消費支出(二人以上の世帯、8月)は前年比-4.7%(季節調整済前月比-0.3%)、名目家計消費支出は前年比-0.9%

8月総務省家計調査、実質家計消費支出(二人以上の世帯)は前年比-4.7%と、消費税率引上げの実施された4月から5ヶ月連続で前年比マイナスの伸びで、未だ実質ベースの消費は消費税率引上げ前の水準に戻っていないとの結果になった。季節調整値の前月比でも-0.3%と2ヶ月連続の減少、6月にいったん前月比プラスの伸びに転じて反動減解消の兆しかと思われたがその後再び減少傾向を辿っている。このペースだと、7-9月期のGDP統計上の実質家計消費支出は4-6月期に続いてマイナス成長となる可能性が出てきている。名目ベースの家計消費支出は前年比-0.9%と、6月に前年比プラスに転じたもののその後再びマイナスの伸びが続いている。また、勤労者世帯の実収入は実質ベースで前年比-5.4%と1年間にわたり前年比マイナスの伸びが続いている。現金給与総額が増加の兆しを見せているにも関わらず家計収入が伸びていないことも家計消費の不振の背景である。

20141005b図1

完全失業率(8月)は3.5%(前月比-0.3%ポイント)

8月総務省労働力調査、完全失業率は3.5%(前月比-0.3%ポイント)と大幅低下した。内訳を見ると、完全失業者数が前月比大幅減少したのが失業率低下の主因、さらに就業者数が増加し労働力人口が微減している(季節調整値)。中期的なトレンドを見ると、就業者数が前年比+0.8%と緩やかながらも着実に増加しているのに対し、労働力人口は同+0.2%と伸びを減速させている。総じて労働市場はタイトで飽和状態に近いものと見る。

20141005b図2

鉱工業生産指数(8月)は前月比-1.5%、資本財出荷指数は同-6.6%

8月の鉱工業生産指数は前月比-1.5%と、前月の同+0.4%増から大幅減少に転じた。生産指数は1月をピークに低下基調を続けている。出荷指数は同-1.9%とこちらも前月の同+0.7%から大幅反落した。一方で在庫指数は同+1.0%と4ヶ月連続の上昇、在庫率指数は同+8.5%の大幅上昇で、出荷の減少に伴い鉱工業には「意図せざる在庫増」がみられる。公表元の経済産業省は「総じてみれば、生産は弱含みで推移している」としている。GDP統計上の民間企業設備の先行指標となる資本財出荷指数も同-6.6%と前月の同+6.6%増をほぼ打ち消す減少となった。資本財出荷指数の7-8月平均は4-6月平均を+2.3%上回っており、GDP統計上の民間設備投資は現状のところ前期比でなんとかプラスの伸びに転化するペースである。しかし9月の資本財出荷が8月比横ばいだった場合は7-9月期の出荷指数は前期比+1.2%の伸びに留まる計算になり、成長への寄与度は限定的となる。

20141005b図3

住宅着工戸数(8月)は年率845千戸(前月比+0.7%)

8月の住宅着工戸数は年率845千戸(前月比+0.7%)と小幅に増加した。しかし7-8月の着工戸数平均は4-6月期平均を-5.1%下回っており、このペースだと7-9月期のGDP統計上の住宅投資は2四半期連続のマイナス成長になる可能性が高い。季節調整前の前年同月比では-12.5%と依然消費税率引上げ前の水準から大幅に住宅着工は減少したままの状態である。

20141005b図4

日銀短観(9月調査):大企業製造業の業況判断DIは13ポイント(6月調査比+1ポイント)

日銀短観9月調査、大企業製造業の業況判断(最近)DIは13ポイント(6月調査比+1ポイント)とわずかに改善したが、大企業非製造業の同DIは13ポイント(同-6ポイント)と大幅に悪化した。先行き判断は大企業製造業が13ポイントと9月業況判断比横ばい、大企業非製造業が14ポイントと9月現況判断比+1ポイント上昇止まりになっている。総じて企業の景況感は消費税率引上げ後の反動減から大幅な回復は見られていないといわざるを得ない。

20141005b図5

[米国]

実質個人消費(8月)は前月比+0.5%、個人消費支出価格指数は前年比+1.5%

8月の実質個人消費は前月比+0.5%と大幅な伸び、更に6月、7月分も上方改訂され、米国の個人消費が堅調な拡大を続けているとの結果になった。8月実質個人消費の内訳は、自動車販売の急増を反映して耐久財消費が同+1.9%と大幅増、非耐久消費財同+0.3%、サービス消費同+0.4%といずれも堅調な拡大を示した。7-9月期のGDP統計上の実質個人消費は前期比年率2%レベルの成長を見込む。ただし、9月の新車販売台数が前月の反動で減少していることは下振れリスク要因である。企業景況感の軟化と合わせて年末にかけて経済拡大ペースが減速しないかには注意したい。個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前年比+1.5%、同コア指数は同+1.5%といずれも3ヶ月連続で伸びが減速している。しかし、PCEデフレーターの伸び減速は主にエネルギー価格低下による一時的なもので、成長加速と失業率低下を反映して年末にかけてはPCEデフレーターの前年比の伸びは+1.7%にまで再上昇するとの見方を維持する。

20141005b図6

新車販売台数(9月)は年率16.3百万台(前年比+6.5%)

9月の新車販売台数は年率16.3百万台と、前月7月の同17.4百万台から大幅減少、ただし前々月6月の水準はほぼ維持しており、前年比では7ヶ月連続でプラスの伸びを維持している。9月の自動車販売の減少は7-9月期の実質個人消費予想の下ぶれリスク要因ではある。総じて自動車販売は堅調さを保っているが、企業景況感の軟化と合わせて年末にかけての経済拡大ペース減速リスクには留意したい。

20141005b図7

ISM製造業指数(9月)は56.6%(前月比-2.4%ポイント)、非製造業指数は58.6%(同-1.0%ポイント)

9月のISM製造業指数は56.6%(前月比-2.4%ポイント)と3ヶ月ぶりの低下。総合DIを構成する5つのDIの内訳は新規受注60.0%(同-6.7%ポイント)、生産64.6%(同+0.1)、雇用54.6%(同-3.5)、入荷遅延52.2%(同-1.7%)、在庫51.5(同-0.5)と、生産を除く全DIが低下した。非製造業指数も58.6%(同-1.0%ポイント)と3ヶ月ぶりの低下。総合DIを構成する4つのDIの内訳は事業活動62.9%(同-2.1%ポイント)、新規受注61.0%(同-2.8)、雇用58.5%(同+1.4)、入荷遅延52.0%(同-0.5)とすべてのDIが低下した。前月8月に製造業指数は2011年以来の、非製造業指数は2008年以来の高水準を記録しただけに、多少の下方への調整は懸念材料とは言えない。ただし短期的には、先行性のある製造業新規受注DIの大幅な低下はやや気になるところ。年末にかけて経済拡大ペースは加速すると個人的には予想しているが、企業景況感の低下がこれに対するリスク要因にならないか今後留意していく。

20141005b図8

9月雇用統計:非農業部門雇用者数は前月比+248千人、失業率は5.9%

9月雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+248千人と好調な伸びを示した。前月8月分も同+180千人に上方改訂(速報値は同+142千人)された。9月の業種別内訳を見ると、専門ビジネスサービス(同+81千人)が大幅に雇用を拡大したほか、小売業(同+35.3千人)が前月の大手スーパーのストライキを主因とする-4.7千人から反転して雇用を拡大させている。自動車及び同部品製造業も同+3.3千人と、前月の-4.5千人からわずかながら雇用増に転じた。8月の雇用拡大ペース減速はストライキなどの一時要因であり、引き続き米雇用は毎月200千人レベルの雇用拡大基調が継続していることが確認された形。ただし、時間当たり賃金の伸びは前年比+2.3%と前月の同+2.5%から伸び率低下、雇用拡大にもかかわらず賃金の伸び率にはまだ加速感が見られない。家計調査では、失業率が5.9%(前月比-0.2%ポイント)と大幅に低下した。5.9%の失業率は2008年7月以来の低水準。内訳を見ると就業者数が前月比増加し失業者数が減少する良い失業率低下となっている。もっとも労働力人口は前月比-97千人と2ヶ月連続の減少、労働参加率も62.7%と2ヶ月連続の低下で、一時横ばいに転じていた労働参加率が再び低下を始めている。しかし、労働参加率低下は景気サイクルを反映する循環要因よりも、労働力ミスマッチなどの構造要因が主因と筆者個人は見ており、単月の労働参加率低下は懸念材料ではないと考えたい。なお、他にイエレン議長が重視するとされる経済的理由によるパートタイマー数は7103千人と3ヶ月連続で減少、代替的失業率U-6も11.8%と2008年10月以来の水準に低下している。

20141005b図9

<経済レポート> 長期金利の正常化を決めるもの~米国債利回り

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米国の長期金利は量的緩和継続期待の剥落と利上げ期待で上昇局面にある。成長率・期待インフレ率・政策金利を変数とする回帰分析によれば、現在の米国債10年物利回りは3%台が適正との結果になった。来年6月の利上げ開始等を前提に、今後米国債10年物利回りは年末に3%台半ば、来年には4%レベルに上昇すると見る。下方リスク要因はインフレ期待の低下と利上げペースの遅れである。

FRBの正常化開始で長期金利は上昇へ

FRBは間もなく金融政策を正常化する段階に入ろうとしている。10月の定例FOMCではFRBの資産購入停止が決定される見込みであり、また来年2015年6月のFOMCでは初回のFF金利誘導目標の引上げが決定されると筆者個人は予想している。米国の長期金利(米国債10年物利回り)は現在2%台半ばの低位で推移しており、30年物住宅ローン金利も4%レベルと低位にとどまっている([第1図])が、今後長期金利は金融引締めや成長加速期待などで上昇に転じると考えられる。

量的緩和が実施されている現在と、利上げが見込まれる来年にかけての適正な長期金利水準はどのくらいか。長期的金利水準としては、名目長期金利を実質GDP成長率(実質利子率)とインフレ期待の合計とするシンプルなフィッシャーの方程式を想定することでその水準を概算できる。9月時点のFOMC委員の経済予測によれば、米国の長期の実質GDP成長率は2.0~2.3%、長期的なPCEインフレ率は2%と予測されている(いずれも中央値)。この予測を前提とするならば、米国の長期的な均衡名目金利は約4%強ということになる。

一方で、2008年の金融危機以来FRBが断続的に実施してきた量的緩和([第1表])が長期金利水準を押し下げている可能性がある。9月17日FOMC後に公表された「金融政策正常化の諸原則と計画」によれば、FRBのバランスシート縮小は主に償還元本の再投資停止による予定で、積極的な国債や住宅ローン担保証券の売却は現状では想定していない(9月21日付当レポート参照)。従って、資産購入停止や利上げの後もFRBの保有する長期国債や住宅ローン担保証券は償還分のみしか減少しないことになる。現在FRBが保有する有価証券約4.2兆ドル(米国債約2.5兆ドル、住宅ローン担保証券約1.7兆ドル)のうち、償還期限が1年以内のものは約80億ドル、5年以内のものも1兆ドル強に過ぎない。つまり、資産購入停止から5年を経ても、FRBの保有有価証券はその太宗が残存する計算になる。FRBのバランスシート規模が長期金利を抑制しているとすれば、その効果は利上げ後も長期間持続することになる。

[第1図]
20141005図1
[第1表]
20141005表1

長期金利の決定要因:期待成長率・期待インフレ率・政策金利

さらに上記の要素に加え、政策金利も長期金利を決定する要素と考えられる。そこで以下ではまず、実質GDP成長率・インフレ期待・政策金利を外生変数とする長期金利の回帰分析を行い、現在の均衡長期金利水準を推計する。その次に、FRBのバランスシート規模を変数に加えて量的緩和が長期金利に与えた影響を考察することにする。

長期金利としては米国債10年物利回りを用いる。外生変数として、実質GDP成長率は四半期毎の前年同期比の伸び率([第2図])、期待インフレ率はフィラデルフィア連銀が四半期毎に実施する”Survey of Professional Forecasters”における民間エコノミストの10年後インフレ率予想の中央値([第3図])、政策金利はFF金利誘導目標の四半期平均値([第4図])をそれぞれ用いた。ちなみに、フィラデルフィア連銀調査による民間エコノミストの10年後インフレ率予想は1998年以降概ね2.5%で安定推移していたが、2009年の金融危機以降やや低下方向に振れる傾向があり、現在では2.25%となっている。

なお、長期金利は現実には今後の成長率・インフレ率・FF金利誘導目標の市場の期待に応じて変動するとも考えられる。ここでは、市場が当該四半期の成長率とFF金利誘導目標を正確に予想できると仮定し、各期の成長率とFF金利誘導目標と実績値を変数として用いることとする。また観測期間は、1992年から金融危機直前の2007年までの64四半期(推計①)と、金融危機後までを含む1992年から2013年までの88四半期(推計①’)の2通りを実施した。

[第2図]
20141005図2
[第3図]
20141005図3
[第4図]
20141005図4

現在の米国債10年物利回りは低すぎる

実質GDP成長率・期待インフレ率・FF金利誘導目標の3つを外生変数とする回帰分析の結果は本レポート末尾の[第1表]の通りである。まず、金融危機の時期を含まない2007年までの観測期間による回帰分析結果([第1表]の①)では、3つの変数がいずれも統計的に有意となり、決定係数(補正R^2)は0.83と、長期金利水準の約83%がこれらの3つの変数で説明可能との結果になった。これらの変数のうちで長期金利水準にもっとも大きな影響を与える要素は長期期待インフレ率である。これにより得られた回帰式をもとに均衡長期金利水準を推計すると(推計値①)、2013年末現在で3.5%との結果になった。推計値①と実績値を比較すると、金融危機以降の期間で実績値が推計値①を下回って推移しているが、2013年以降その格差は縮小傾向にある([第5図])。

さらに推計値①の回帰式を用いて2015年までの長期金利水準を推計したのが[第6図]である。2014年第3四半期以降は、実質GDP成長率を筆者個人の予想値(2015年は各四半期前期比年率+2.5%)、期待インフレ率を2.5%で一定とし、FF金利誘導目標は6月から0.25%ずつ引上げられて年末に1.5%になるとの前提で試算した。結果米国債10年物利回りは2014年末に3.8%、2015年末に4.0%にまで上昇するとの結果になった。

ここからはまず、現在の長期金利水準が成長率・インフレ期待・政策金利から推計される均衡水準よりもかなり低いレベルにあり、しかしその乖離は徐々に解消されつつあるということが言える。従って、2014年末時点の米国債10年物利回り水準は、その推計値である3.8%、またはやや低いところにある3.5%と予想することはこの回帰式からは合理的ということになる(9月23日付当レポート参照)。また来年2015年については、成長率が2.5%で安定しかつFF金利誘導目標引き上げが筆者個人予想通りに実施されれば、米国債10年物利回りは長期の長期金利均衡水準にほぼ近い4.0%にまで上昇することが期待できることになる。なお、同じ3変数で金融危機およびその後の期間を含む2013年までの推計期間による回帰分析では([第2表]①‘)では、実質GDP成長率が統計的に有意な変数とならないため、ここでは推計値として採用しない。

[第5図]
20141005図5
[第6図]
20141005図6

FRBのバランスシートを勘案した分析

次に、FRBの量的緩和効果を勘案した分析を行う。上記推計値①によれば、長期金利の実績値は金融危機以降推計値を下回って推移している。この下方乖離がFRBの量的緩和政策によるバランスシート拡大の効果である可能性が考えらえる。そこで、上記3つの外生変数にFRBのバランスシート規模を加えた4つの外生変数による回帰分析を試みる。FRBのバランスシート残高は金融危機直前に1兆ドル弱であったが、現在では約4.5兆ドルに拡大している。FRBバランスシート残高の対GDP比率は金融危機までは概ね6~7%で安定推移していたが、QE1終了時点で約16%、QE2終了時点で約18%、現在では約26%にまで上昇している。ここでは、FRBのバランスシート規模としてFRBの資金循環統計における「金融当局」部門の資産残高を名目GDPで除した比率を用いる([第7図])。

これらの4変数による分析(推計期間は1992年~2013年)の結果、FRBバランスシートは有意な変数となり、当てはまりも①より良い結果が得られた([第2表]の②)。しかし、上記①’と同様実質GDP成長率が有意な変数とならない。更に、2008年の金融危機以降の期間を見ると実績値は推計値②からかなり大幅に上下に振れており、この推計式が実績をよく説明できているとは言いにくい([第7図])。ちなみに、金融危機以降の2009年~2013年までの20四半期について同じ回帰分析を行っても、決定係数は0.2程度にとどまり、この4変数ではほとんど長期金利水準を説明できないとの結果になった。

従って現在の長期金利の低位安定(推計値①からの下方乖離)は、FRBのバランスシート規模水準の効果によるというよりも、量的緩和のアナウンスメント効果や量的緩和継続期待によるものと考えた方がよさそうだ。

[第7図]
20141005図7
[第8図]
20141005図8

米長期金利は今年末に3.5%、来年末に4%への上昇を予想する

この場合、FRBのバランスシート規模自体が今後数年以上にわたり高水準にあり続けるとしても、それ自体が長期金利を抑制する効果を維持する要因にはならないとの推測ができる。実際[第5図]に見られるように長期金利の実績値がFRBバランスシート要因を含まない推計値に接近しつつあることは、量的緩和拡大継続のアナウンスメント効果剥落により長期金利が均衡水準に回帰しつつあるプロセスだと見ることができる。

ついては、今後の長期金利は推計値①の回帰式に基づく推計値に向かって上昇を継続すると見ておきたい。結果、米国債10年物利回りは今年末に3.5%、2015年末に4%レベルにまで上昇するとの個人予想を維持することとする。なお、8月15日付当レポートで試算したところでは、個人消費の住宅ローン金利に対する弾性値は0.03程度であり(金利水準1割の上昇で個人消費は-0.1%低下)現在約4%の住宅ローン金利が5%に上昇しても、個人消費への影響は約-0.75%程度であり、住宅価格が前年比+5%の上昇を続けることができればこれを十分にカバーできる。S&Pケース・シラー住宅価格指数は伸びが減速しつつも7月時点で前年比+6.7%であり、家計資産価格の上昇は長期金利の相応の上昇にも耐えうる状況ということができる。

この長期金利予想に対するリスクはしかしやや下方にあると言わざるを得ない。一つには期待インフレ率が上記の想定のように2.5%で安定推移しないリスクがあることだ。FRBは2012年1月のFOMCで長期のインフレ目標を2%と定めており、直近のFOMC委員経済予測でも長期インフレ率は2%と予測されている。上記前提の通り民間エコノミストの長期インフレ率予想が2.5%で推移するということは、FRBの目標以上のインフレ高進を民間エコノミストが見る状況になる。実際のインフレ率がFRBの目標水準に安定するかそれ以下であるとの期待を市場が持つ場合は長期金利の上昇は抑制されることになる。次に、来年の経済成長が上記前提ほどに加速しないかまたは利上げペースが筆者個人予想よりも遅くなる(または市場がその様に予測し始める)場合である。特に、来年はFOMCの投票メンバー勢力図がハト派優位方向にシフトする。今年の投票メンバーのうち2名のタカ派委員(フィラデルフィア連銀プロッサー総裁、ダラス連銀フィッシャー総裁)が来年は投票メンバーから外れる(なお、いずれも来年3月~4月に各連銀総裁からも退任の意向を示している)。一方来年は、シカゴ連銀エバンス総裁、サンフランシスコ連銀ウィリアムス総裁の2名のハト派が投票メンバーになるのに対し、投票メンバーに新たに加わるタカ派はリッチモンド連銀ラッカー総裁のみである。

[第2表]
20141005表2