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<経済指標コメント> 米8月非農業部門雇用者数は前月比+173千人

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[日本]

鉱工業生産指数(7月)は前月比-0.6%

7月の鉱工業生産指数は前月比-0.6%と前月の同+1.1%から反落。出荷指数も同-0.3%と前月の同+0.6%から反落した。在庫指数は同-0.6%、在庫率指数は同-1.1%といずれも低下した。総じて鉱工業生産指数は相対的に低位にあり、その動向は経済産業省の基調判断通り「一進一退」である。一方、生産の減少で在庫調整はやや進行し、在庫循環図上も今後は在庫調整が継続すると見る。なお、企業設備投資の先行指標となる資本財出荷は前月比+2.3%と前月の同-2.3%から増加している。4-6月期に前期比年率-0.3%のマイナス成長に転化したGDP統計上の企業設備は反動でやや増加に転じるペースである。

20150906図1

住宅着工戸数(7月)年率914千戸(前月比-11.5%)

7月の住宅着工戸数は年率914千戸(前月比-11.5%)と前月の同+13.4%増の反動で大幅減少。前月に大幅増加(同+22.1%)した分譲住宅の着工減少(同-31.7%)が主因。着工戸数全体の3ヶ月移動平均は年率953千戸(前月比横ばい)と引続き高水準にあり、住宅建設は総じて増加基調を保っているといえる。

20150906図2

[米国]

ISM製造業指数(8月)は51.1%(前月比-1.6%ポイント)、非製造業指数は59.0%(同-1.3%ポイント)

8月のISM製造業指数は51.1%(前月比-1.6%ポイント)と2ヶ月連続の低下、判断の分かれ目を示す50%に接近し、2013年5月以来の低水準となった。総合DIを構成する5つのDIの内訳は新規受注51.7%(同-4.8)、生産53.6%(同-2.4)、雇用51.2%(同-1.5)、入荷遅延50.7%(同+1.8)、在庫48.5%(同-1.0)。先行性のある新規受注と一致指標である生産・雇用DIの大幅な低下が目立つ。一方、非製造業指数は59.0%(同-1.3%ポイント)とこれも大き目の低下を示すもその水準は依然高い。総合DIを構成する4つのDIの内訳は、事業活動63.9%(同-1.0)、新規受注63.4%(同-0.4)、雇用56.0(同-3.6)、入荷遅延52.5%(同-0.5)。製造業景況感の低迷と非製造業景況感の高水準維持の差は、製造業が海外景気減速による外需減速懸念を反映しているのに対し、非製造業は内需の堅調さを反映しているものと見たい。なお、ISM製造業指数は51.1%の低位にあるが、ISM推計ではこれは年率+2.5%の経済成長に相当する。筆者個人の推計でも、年次ベースの推計(1992~2014年の年次相関)では現在の水準は前年比+2.2%の成長に相当するが、四半期ベースの推計(1995年~2014年の80四半期相関)では前年比+1.1%程度の低成長に相当する計算になる。世界同時株安の影響が本格的に表れる今後の企業景況感指数の動向は引き続き留意が必要である。

20150906図3

新車販売台数(8月、乗用車及び軽トラック)は年率17.7百万台(前月比+0.2%)

8月の新車販売台数は年率17.7百万台(前月比+0.2%)と2ヶ月連続増加かつ4ヶ月連続で17百万台台を維持する好調な結果となった。同17.7百万台の売上は実に2005年7月以来の高水準。雇用と賃金の上昇、低金利、ガソリン価格低下が好調な自動車販売の背景といえる。しかし、年率17百万台台は米国の自動車販売の一つの上値目途とされており、現在の販売は飽和状態に近づいている可能性もある。また、消費者信用残高のうちでは自動車ローンが学生ローンとともに急激な増加をしめしており、自動車ローンの信用条件緩和が販売を押し上げている可能性が高い。自動車販売増加ペースがさらに今後拡大する場合にはかかる背景にも留意が必要となってくるだろう。

20150906図4

雇用統計(8月):非農業部門雇用者数は前月比+173千人、失業率は5.1%

8月の雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+173千人と5ヶ月ぶりの低い伸びに留まり、筆者個人の予想も下回った。しかしながら6、7月分がそれぞれ同+14千人、+30千人上方改訂されており、ネットでは8月分は同+200千人強の増加に相当するといえる。3ヶ月移動平均も同+221.0千人と低下方向にあるものの、3ヶ月連続で200千人台を維持した。業種別内訳では、製造業が同-17千人と雇用を減少させた(前月は同+12千人)のが目立つ(ただし自動車産業は同+5.7千人の増加)ほか、小売業が同+11.2千人と増加ペースが減速(前月は同+32.4千人)したのが全体の雇用増加ペースを押し下げている。また原油価格の影響を受ける鉱業は同-10千人と雇用減少が続いている。一方、専門ビジネスサービス(同+33千人)、教育・医療サービス(同+62千人)などの内需関連業種は堅調に雇用を拡大させている。時間当たり賃金(生産及び非監督労働者)は前年比+1.9%と3ヶ月連続横ばいの伸びで、伸び率は相対的に低位であるものの今後の賃金上昇率加速が期待できる位置にある。家計調査による失業率は5.1% (前月比-0.2%ポイント)と2008年4月以来の低水準に低下した。FOMC委員の6月経済予測における長期均衡失業率(中心傾向5.0~5.2%)にまで失業率は低下しており、つまりほぼ完全雇用の状況を示唆する水準である。内訳をみると、前月比で就業者数の増加と失業者の減少を伴うよい失業率低下である。労働参加率は62.6%と引続き低位にあるものの、2ヶ月連続横ばいにとどまり、低下ペースは確実に減速している。その他の労働市場の余剰を示す指標では、経済的理由によるパートタイマー数、縁辺労働者数の3ヶ月移動平均はいずれも低下を示している。総じて、海外経済減速の影響を受ける製造業において雇用の軟化がみられるものの、内需中心に雇用市場は堅調な拡大を継続しているといえる。また労働市場の余剰も失業率で見る限りではほぼ解消済、その他の指標も確実に好転している。FRBによる利上げ開始の条件は、少なくとも雇用市場指標からはほぼ整ったといえるだろう。筆者は9月FOMC定例会合における利上げ開始という個人予想を維持(リスクは後倒し方向)しているが、8月雇用統計はほぼこれを支持する結果である。もっとも世界同時株安に始まる金融市場の不確実性はこの予想に後倒しリスクを引続きもたらしている。

20150906図5

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