FC2ブログ

<経済指標コメント> 米1月非農業部門雇用者数は前月比+151千人

  • カテゴリ:未分類
  • コメント:0件
  • トラックバック:0件
[米国]

実質個人消費(12月)は前月比+0.1%、PCEデフレーターは同-0.1%(前年比+0.6%)、同コア同横ばい(前年比+1.4%)

12月の実質個人消費は前月比+0.1%の小幅な伸びに留まった。前月11月分が同+0.4%に上方改訂されたが、10-12月期の実質個人消費は前期比年率+2.2%と前期の同+3.0%から大幅減速し、3四半期ぶりに3%成長を割り込んだ。12月の前月比の伸びの内訳は、耐久財消費同-0.7%、非耐久財消費同-0.2%、サービス消費同+0.3%。自動車販売減少で耐久財が、12月までの暖冬とドル高によるホリデー商戦の不振で非耐久財消費がそれぞれ減少した形だ。12月の個人消費の減速は小売売上高統計や新車販売台数など先行指標の減速と整合している。もっとも2016年については、雇用拡大と賃金上昇で、前年比+2%台の堅調な拡大を継続すると見る。個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比-0.1%(前年比+0.6%)、食品及びエネルギーを除くコアPCEデフレーターは横ばい(前年比+1.4%)。12月の原油価格再急落の影響はまだ12月には顕著には表れていない。1月には更に総合PCEデフレーターの前月比低下が見込まれるが、今後原油価格がWTI原油先物1バレル=30ドル台で推移すれば、2016年末にかけてPCEデフレーターの前年比の伸びは+1.5~+1.7%に加速すると見る。

20160206図1

ISM製造業指数(1月)は48.2%(前月比+0.2%ポイント)、非製造業指数は53.5%(同-2.3%ポイント)

1月のISM製造業指数は48.2%(前月比+0.2%ポイント)と8ヶ月ぶりに小幅上昇、しかし景気判断の分かれ目を示す50%を4ヶ月連続で下回った。総合DIを構成する5つのDIの内訳は、新規受注51.5%(同+2.7)、生産50.2%(同+0.3)、雇用45.9%(同-2.1)、入荷遅延50.0%(同+0.2)、在庫43.5%(同横ばい)。新規受注・生産の主要DIはいずれも前月比上昇かつ50%を上回っており、雇用DIが全体を押し下げた形で、見かけほど悪くはない結果である。製造業景況感は依然低迷しているものの今後は改善に向かう可能性がある。調査対象先からは「石油・ガスセクターは悪影響を受け続けている(石油石炭製品)」「原油価格低下が利鞘を好転させ、業況は昨年よりも良い(化学製品)」「ワイヤレスの拡販で2016年は多忙になるだろう(コンピュータ-)」などまちまちであるものの、一部業種には明るい兆しも見られる。非製造業指数は53.5%(同-2.3%ポイント)と3ヶ月連続の低下。総合DIを構成する4つのDIの内訳は事業活動53.9%(同-5.6)、新規受注56.5%(同-2.4%)、雇用52.1%(同-4.2)、入荷遅延51.5%(同+3.0)。相対的に高水準を保っていた非製造業指数も過去3ヶ月で大幅に低下している。総じて企業景況感は減速局面にあり、年末にかけての経済拡大ペース減速と整合しているが、製造業の底入れの兆しや非製造業の相対的高位の維持は、2016年の米経済が減速しつつも2%程度の拡大を続けるとの見方を支持している。

20160206図2

新車販売台数(1月、乗用車及び軽トラック)は年率17.46百万台(前月比+0.2%)

1月の新車販売台数(乗用車及び軽トラック)は年率17.46百万台(前月比+0.2%)と3ヶ月ぶりの前月比増加。年率18百万台を超えるレベルではさすがに頭を押さえられたがその後は17百万台台で堅調に推移する兆しが見られる。自動車ローンの信用条件緩和と低ガソリン価格が自動車販売を押し上げている。ただし今後の更なる販売台数の増加は期待しにくく、年内は緩やかな増加ペースに留まると見たい。

20160206図3

雇用統計(1月):非農業部門雇用者数は前月比+151千人、失業率は4.9%

1月の雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+151千人と、前月の同+262千人から増加幅が低下し、昨年9月以来の低い伸びとなった(1月統計では年次改訂により事業所調査が2011年に遡り改訂されている)。内訳をみると、小売業(同+57.7千人)、製造業(同+29千人)等が雇用を加速させている一方、建設業(同+18千人)、運輸サービス(同-20.3千人)、専門ビジネスサービス(同+9千人、うち人材派遣業同-25.2千人)、教育サービス(同-38.5千人)が雇用を減速または減少させており、業種ごとに大きなばらつきがある。建設業、運輸サービス、教育サービスは1月の寒波の影響による建設・交通量減少や休校の影響と思われるが、人材派遣業の急減や、寒波にかかわらず小売業の雇用が急増している点にはやや違和感なしとしない。1月統計は寒波の一時影響または統計の乱れによる変動である可能性もあると見る。時間当たり賃金(生産及び非監督労働者)は前年比+2.5%と前月の同+2.6%からわずかに伸びが低下したものの、昨年10月以来伸びが加速する傾向は続いている。失業率低下による労働需給のタイト化が賃金にも本格的に波及を始めた模様だ。非農業部門雇用者数の前月比の伸び+1.9%と合わせ、同+4.4%の高い名目購買力、消費者物価上昇率を差し引いても約+3.7%の高い実質購買力が維持されていることになる。家計調査による失業率は4.9%(前月比-0.1%ポイント)と、2008年2月以来約8年ぶりに5%を割り込んだ。4.9%はFOMC委員が長期的な均衡失業率と予測する失業率の中央値に一致している。労働参加率は62.7%(前月比+0.1%ポイント)とわずかに上昇。総じて労働市場は、1月の寒波の影響を除いて堅調に拡大を続けており、失業率がほぼ自然失業率に達するなど需給はタイト化の方向にあると見る。今後の雇用増加ペースは前年比+2%と昨年の+2%台からやや減速するものの、賃金上昇ペース加速がこれをカバーし、合わせて+4%台半ばの消費者購買力の伸びが維持できると見る。1月雇用統計はまちまちな内容だったものの、非農業部門雇用者数の数値変動よりも、失業率低下、時間当たり賃金上昇率に見られる労働市場需給のタイト化の方を重視したい。雇用増加幅の低下が一時要因か今後の雇用減速を示唆するものかの判断ついては2月以降の統計を待ちたい。1月雇用統計の結果だけからは、雇用市場が堅調に拡大を続けていくとの見方を変更する材料はなく、米経済成長に関するこれまでの個人予想を維持する。

20160206図4

スポンサーサイト