<経済指標コメント> 米10-12月期実質GDP成長率(速報値)は前期比年率+1.9%

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[日本]

全国消費者物価指数(12月、生鮮食品を除く総合)は前月比横ばい(前年比-0.2%)

12月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合=いわゆるコアCPI)は前月比横ばい。衣料(同-1.8%)などが低下、原油価格底入れを反映したガソリン(同+1.8%)などが上昇した。前年比の伸び率は-0.2%と前月の同-0.4%からマイナス幅が縮小、ここ数ヶ月でマイナス幅は着実に縮小している。項目別の前年比伸び率は、エネルギーが同-4.4%と引き続きマイナスで指数の前年比伸び率を-0.32%押し下げているが、原油価格の底入れでマイナス幅は着実に縮小、前月比では2ヶ月連続のプラスとなっている。食料及びエネルギーを除く総合指数(いわゆるコアコアCPI)は前月比-0.1%と2ヶ月連続の低下、前年比では横ばいと前月の同+0.1%から2ヶ月連続で上昇率が低下した。コアコア指数を構成する項目では、家庭用耐久財(同-3.8%)、テレビ(同-11.4%)などが前年比で低下している。総じて、原油価格の底入れでコアCPIインフレ率は上昇に転じつつある一方、遅行性のあるコアコアCPIインフレ率は低下が続いている。2016年末の原油価格急落要因が剥落する2017年にはコア、コアコアともに前年比伸び率は上昇に転じ、年末のインフレ率はいずれも+1%台半ばに上昇すると見る。ただし、コアコアCPIの前月比低下が続いていることはこの見方に対する下方リスク要因である。

20170129図1

[米国]

中古住宅販売戸数(12月)は年率5490千戸(前月比-2.8%)、在庫期間は3.6ヶ月

12月の中古住宅販売戸数は年率5490千戸(前月比-2.8%)と4ヶ月ぶりの前月比減少だったが依然高水準を保っており、3ヶ月移動平均は同5570.0千戸と横ばいである。2016年通年の販売戸数は同5450千戸(前年比+3.8%)と2年連続増加、水準は2006年以来の高水準である。一方12月の販売在庫は1650千戸(同-10.8%)と大幅減少、結果在庫期間は3.6ヶ月と2005年1月以来12年ぶりの低水準に短期化した。供給不足で中古住宅販売市場は極めてタイトな需給である。中央販売価格はしかし前年比+4.0%と比較的落ち着いた上昇ペースにとどまっている。公表元の全米不動産業協会(NAR)はプレスリリースで「住宅ローン金利の上昇と在庫不足が12月の販売を押し下げた」と述べている。住宅販売市場は依然堅調ではあるが、在庫不足と金利上昇が今後の向かい風になり、増加ペースが減速せざるを得ないと見る。

20170129図2

新築住宅販売戸数(12月)は年率536千戸(前月比-10.4%)、在庫期間は5.8ヶ月

12月の新築住宅販売戸数は年率536千戸(前月比-10.4%)と4ヶ月ぶりかつ大幅減少となった。地区別には北東部同+48.4%、中西部同-41.0%、南部同-12.6%、西部同-1.3%と、北東部を除く3地区で販売が減少。一方販売在庫は259千戸(同+4.0%)と増加し、在庫期間は5.8ヶ月と2014年7月以来の水準に上昇、適正とされる6ヶ月に近づいた。販売戸数の6ヶ月移動平均は同575.7千戸(前月比-0.6%)と14ヶ月ぶりにわずかに下向きに転じた。2016年通年の販売戸数は563千戸(前年比+12.2%)と5年連続の増加。12月の販売減少は一時要因と見られ、住宅建設増加により供給も拡大していることから、今後も新築住宅販売は堅調に増加すると見る。ただし、住宅ローン金利の上昇は中古住宅同様に販売の向かい風とならざるを得ないだろう。

20170129図3

実質GDP成長率(10-12月期、速報値)は前期比年率+1.9%

10-12月期の実質GDP成長率(速報値)は前期比年率+1.9%と、前期の同+3.5%から3四半期ぶりに減速、筆者個人予想の同+2%台半ばをも下回った。需要項目別内訳は個人消費同+2.5%、設備投資同+2.4%、住宅投資同+10.2%、財・サービス輸出同-4.3%、同輸入同+8.3%、政府支出同+1.2%、企業在庫寄与度同+1.00%、純輸出寄与度同-1.70%。財・サービス輸出の予想外の大幅減と設備投資の下振れが下振れ要因、これを在庫投資の上振れが一部カバーした形である。個人消費と住宅投資は概ね予想通りの拡大だった。個人消費・設備投資・住宅投資を合わせた国内最終民間需要は前期比年率+2.8%と強めの伸びで、前期の同+2.4%から加速しており、米経済のコア部分が堅調な拡大基調にあることを示唆している。なお、2016年通年の実質GDP成長率は前年比+1.6%と、3年ぶりに2%を下回った。総じて、個人消費は雇用拡大ペースの減速で減速しつつも予想通りの堅調な拡大をつづけている。また企業在庫も積み増し局面に入っていることが確認できた。設備投資も、機器投資(同+3.1%)が5四半期ぶりのプラス成長に転じた。従前の筆者個人予想への影響は限定的である。今後リスク要因となりうるのは、ドル高による輸出への影響、設備投資の回復ペースである。2017年通年の成長率を前年比+2.4%とみる筆者個人予想は維持する。

20170129図4

耐久財受注(12月)は前月比-0.4%、除く運輸関連同+0.5%、非国防資本財受注(除く航空機)同+0.8%、同出荷同+1.0%


耐久財受注(12月)は前月比-0.4%、除く運輸関連同+0.5%。設備投資の先行指標となる非国防資本財受注(除く航空機)は同+0.8%と3ヶ月連続の増加、10-12月期の同受注は前期比年率+4.7%と2四半期連続の増加となった。GDP統計上の設備投資(機器投資)の基礎統計となる同出荷は前月比+1.0%と2ヶ月連続の増加。10-12月期の同出荷は前期比年率+3.2%と5四半期ぶりのプラス成長、10-12月期GDP統計上の機器投資も5四半期ぶりのプラス成長に回帰した。総じて本指標は企業部門の底入れを示唆しており、筆者個人の予想とも整合する結果である。

20170129図5


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<経済レポート> 新重商主義:トランプ米大統領就任

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20日、ドナルド・ジョン・トランプ氏が米大統領に正式就任した。就任式直後より同氏はTTP離脱を正式表明、オバマケア見直しの大統領令に署名するなど、「100日計画」の一部を早速に実行に移している。一方で同氏の各種政策の実現には不確実性が依然高い。トランプ氏の減税や財政政策を勘案しない筆者個人の成長予想は年初時点のものを維持することとする。ただし、同氏の新重商主義ともいうべき政策は、予想に対する上振れ要因であることも不変である。

トランプ大統領就任演説:人民主権と米国第一を主張

20日、米ワシントンD.C.のホワイトハウスにおける就任式で、ドナルド・ジョン・トランプ氏が米国の第45代大統領に就任した。2期続いたオバマ民主党政権から8年ぶりの共和党への政権交代である。オバマ氏が大統領に就任した2009年のリーマン・ショック直後の世界経済混乱期に比べ、今年2017年は経済的には安定期である。一方で政治的・地政学的には、今年は2009年よりも激動期にあるといえる。本レポートでは、トランプ大統領の就任演説や公表政策から、本レポートの米経済見通しを点検していく(大統領選挙戦前後のトランプ氏の政策については、2016年11月24日付当レポート参照)。

まず、トランプ新大統領の就任演説の内容をみる。就任演説は結果的に従前からのトランプ大統領の公約に整合する内容だった。一方で、演説内容は同氏の就任前の過激な発言に比較すれば穏当で正統的なものだったといえる。北朝鮮ミサイル脅威とイスラム過激派テロに関する部分を除き、同氏特有の他国への攻撃的発言は見られなかった。就任演説のメッセージは「人民主権」と「米国第一主義」の二つに整理できる。前者につきトランプ大統領は「我々は権力をワシントンDCから米国人民に移譲する」と述べ、その背景として「支配階級establishmentは自分自身を守ってきたが国民を守ってこなかった」とした。後者につき同氏は「この瞬間から、(我が国を統治するビジョンは)米国第一America firstになる」とのべ、「すべての通商、税制、移民、外交に関する判断は米国の勤労者と家庭の利益となる」「米国製品を買い、米国人を雇用するBuy American and Hire American」と述べた。

「人民主権」は、「支配階級」を「従来の職業政治家」、「米国人民」を「製造業等のオールドエコノミ―従事者」ととらえれば、ビジネスマンとしての新大統領自身が国内産業復活を目指すという同氏の考え方に直結するものである。「米国第一」は、従来からのトランプ氏の国内産業重視、保護主義的考え方と同一である。トランプ大統領は演説で「何十年もの間、我々は外国産業の利益のためにアメリカ産業を犠牲にしてきた」「工場は閉鎖され海外に流出した」「中間層の富は母国から引きはがされ世界中にばらまかれた」とも述べている。総じて就任演説にサプライズはなかったと言える。

ホワイトハウスHPではTPP離脱を正式表明

次に、トランプ大統領の正式就任後公表された政策について見る。ホワイトハウスのHP は20日付でトランプ新大統領の内容に一新された。同HPの「課題Issues」欄にはトランプ氏の大統領としての正式な政策が掲載された。20日現在のその内容は[第1表]の通りで、総じて就任前の同氏の公約と整合している。就任前の公約をほぼ踏襲した政策は、「エネルギー産業保護」「軍備拡大」「環太平洋パートナーシップ(TPP)からの撤退」「北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉」「個人所得税・法人税減税」などである。就任前公約からややトーンが変化した政策が「移民対策」で、一時公約から消えていた「国境の壁建設」が明示的に復活している一方「不法移民の強制送還」は明示されていない。公約に比べて後退したのが財政支出であり、「10年間で1兆ドルのインフラ整備」などは20日現在でホワイトハウスHPには明示されていない(もっとも就任演説でトランプ氏は「我々は、道路、高速道路、橋梁、空港、トンネル、鉄道を我らが素晴らしき国の至るところに建設する」と述べている)。「中国の為替操作国認定」はまだホワイトハウスHPには明示されていない。なお、トランプ大統領は20日に複数の大統領令に署名し、それらには医療保険制度改革法(Affordable Care Act、いわゆるオバマケア)の見直し指示、住宅ローン保証料軽減措置の差し止め、が含まれていると報道されている(WSJ紙等)。以下では大統領正式就任後のトランプ氏の政策のうち、経済成長にかかわるものにつき再点検する。

第1に、エネルギー政策につき、ホワイトハウスHPでは「環境問題からのエネルギー産業制約撤廃」を掲げた。これは従前からのトランプ氏の選挙公約(2016年10月22日ゲチスバーグ演説など)とほぼ同内容である。ゲチスバーグ演説同様に「50兆ドル相当のシェールオイル」の活用がホワイトハウスHPに明記された。さらにホワイトハウスHPでは「7年間で300億ドルの賃金増」を目指すとされている。7年間で300億ドルつまり年間約43億ドルの賃金増は、現在の米国の名目年間賃金・給与約8.3兆ドルの約0.05%であり、雇用加速による賃金増加ペースとしては現実的な範囲といえる。エネルギー産業重視は共和党の伝統的な政策とも整合するもので、その実現性は相対的には高いといえるだろう。

第2に、通商政策につきホワイトハウスHPでは「TTPからの離脱」「あらゆる新たな通商交渉は米国雇用者の利益を確保」「NAFTAを再交渉、相手国が再交渉拒否の場合は米国の離脱意思を通告」するとしている。いずれも選挙前後の公約と整合する内容であるが、TPPについては即時離脱を正式表明、NAFTAについては再交渉として濃淡をつけている。TPPは依然交渉中の協定であり、現時点での離脱は米国にとっての損得はない。一方NAFTAは実施済の協定でありその影響が大きいことから「再交渉」にとどめたと思われる。NAFTAの相手国であるカナダとメキシコのうち、対カナダ貿易収支は2015年現在でほぼ均衡、対メキシコ貿易収支は579億ドルの赤字(米国の名目GDPの約0.3%に相当)である。仮にNAFTA再交渉により対メキシコの貿易赤字が現在の3分の2に減少したとすれば、これはGDPを約+0.2%押し上げる結果になる(2016年11月24日付当レポート参照)。

[第1表]
20170122表1

10年間で25百万人の雇用と4%成長を掲げた

第3に、雇用と成長につきホワイトハウスHPでは「10年間で25百万人の米国雇用創出と年間4%の成長実現」を掲げている。10年間で25百万人つまり年間2.5百万人の雇用創出は、月間で+208千人の雇用増加を意味する。これは、2016年の月平均非農業部門雇用者数増前月比+179千人に比較して、意欲的ではあるが非現実的とは言えない。仮に2017年に2.5百万人の雇用増が実現するとこれは前年比+1.7%強の増加に相当する。これは筆者個人が今後の雇用増加ペースとみている同+1.5%から+0.2%の加速である。これに上記の賃金上昇加速(同+0.05%)や、労働時間の増加を見込み、消費者購買力の同+0.4%程度の加速が見込める。一方で年間+4%の成長実現は、現在の米国の潜在成長率(米議会予算局推計では2017年時点で+1.6%、2016~2026平均で+2.1%)に比較すると表面上は現実味に欠ける数値である(後述)。

第4に、減税につきホワイトハウスHPでは「米国民のすべての課税所得階層の税率引き下げと税制簡素化」「世界で最も高い税率の一つである米国の法人税率の引き下げ」を掲げている。これらは選挙戦前後の公約と同一である。米調査機関Tax Policy Centerは、個人所得税の課税所得階層見直しは2018会計年度において約1254億ドル、法人税率引下げは約2076億ドルの減税効果があると推計している(“An Analysis of Donald Trump’s Revised Tax Plan “, Tax Policy Center, October 18, 2016)。簡便化のため個人の限界消費性向を1、企業の設備投資/キャッシュフロ―比率を100%とすると、これらの減税は単年でGDPを実に約+1.8%押し上げる効果がある計算になる(2016年11月24日付当レポート参照)。所得税減税と法人税減税は、共和党が多数を占める議会の方針とも一致するため、のちに述べる財政支出拡大に比べれば状況証拠的には実現の可能性が高いといえる。しかし減税による一時的な歳入減をカバーする手立てがしめされておらず、同じく共和党の財政均衡主義との両立は一筋縄ではいかないだろう。

第5に、国防費につきホワイトハウスHPは「国防費歳出の強制削減の撤廃と軍備再構築計画を盛り込んだ予算の議会宛提出」を掲げている。米連邦予算の裁量支出は、2015年超党派予算法(Bipartisan Budget Act of 2015)で一時的にその上限が引き上げられている(国防費は2016会計年度5481億ドル、2017会計年度5511億ドル)。しかし同法による上限引き上げが2017会計年度で終了すると、国防支出はその後再び2011年財政管理法(Budget Control Act of 2011)に基づく2021会計年度までの歳出削減上限に服することになる(2021年の国防費上限は5900億ドル)。トランプ大統領は2011年財政管理法による国防支出の上限と削減義務を撤廃して国防支出を拡大するとの意図である。米議会予算局(CBO)の2016年8月現在「財政・経済見通しアップデート」によれば、2017会計年度の国防支出は約6110億ドルになると推計されており(上記国防費上限に緊急財源等同法で認められた支出を加えたもの)、これはGDPの約3.3%に相当する。過去の例では2010年(イラク戦争に多額の国防費を投入したブッシュ大統領から政権を引き継いだオバマ大統領の時代)に、国防費の対GDP比率は約4.7%に拡大していた。実際には平時の軍備拡大としては2000年代前半のGDP比率3%台後半が一つの目安となろう([第1図])。国防支出の上限が2021年以前に撤廃されて国防支出がGDPの3.8%レベルに拡大された場合、これは成長を約+0.5%押し上げる効果があることになる。政府支出の拡大はトランプ大統領の選挙戦時からの政策である一方、共和党議会では財政均衡派が多数を占めることから、トランプ氏の政策が議会承認を経て実現できる可能性は相対的には低いといえるだろう。これは、現状ホワイトハウスHPに掲載が見送られている10年間で1兆ドルのインフラ投資(年間で成長を約+0.5%押し上げる計算になる)についても同様である。

[第1図]
20170122図1

トランプ政策は成長加速に寄与するが実現性は不透明:成長予想は維持する

なお、20日の大統領就任式直後にトランプ大統領は複数の大統領令に署名し、その中には、医療保険制度改革法(Affordable Care Act、いわゆるオバマケア)の見直し指示、住宅ローン保証料軽減措置の差し止め、が含まれているとされている。前者は、2010年にオバマ政権下で成立した法律で、国民の医療保険加入義務化、メディケア(高齢者医療保険)支払への出来高制度導入、メディケイド(低所得者医療保険)の対象拡大、医薬品メーカー・保険会社・高額所得者等に対する増税、などが含まれている。後者は、米連邦住宅局(FHA)による住宅ローン保証料を、金額・期間とLTV(ローン/住宅価格比率)に応じ20~45bps軽減する政策で、オバマ政権下で決定、1月27日から施行予定であった。トランプ大統領は住宅都市計画省(HUD)宛の大統領令で本軽減策の施行差し止めを指示したとされる。HUDは同日に同軽減策の実施差し止めをHPで公表した。

オバマケアの廃止は、医療保険加入者の減少をもたらすことで、医療業界や保険業界にとってはマイナスの効果になる一方、オバマ政権下の医療業界・保険業界に対する規制強化や増税が緩和される可能性は同業界にとってプラスとなりうる。ただ、オバマケアの見直しまたは廃止の具体的内容は現状不明である。住宅ローン保証料軽減の取りやめは、住宅市場にとっては不利な材料ではあるが、現行制度からの後退ではなく今後住宅金利上昇に伴う住宅市場減速は成長見通しに織り込み済みであることから、成長個人予想への影響はない。

選挙期間及び就任後のトランプ大統領の政策が仮に実現した場合の成長押し上げ効果を、主な政策について概算したのが[第3表]である。成長への政策効果は合計で実に+3.4%となり、トランプ大統領が掲げる4%成長も可能との計算になる。特に減税の効果が大幅に成長を押し上げる計算になる。しかしながら、これらがすべて実現するとの見方はあまりに楽観的といえるだろう。まず、インフラ投資や国防支出拡大は共和党議会の同意を得にくい可能性が高い。次に、所得税及び法人税減税は共和党議会の政策と一致しているものの当初は歳入の減少もたらすものであり、他の財政緊縮がない限り財政均衡派のハードルを越えることが困難である。一方で、減税に代わる歳出削減策もトランプ政権は考慮しているとされ、最終的な政策効果は現時点でも不確実といえる。筆者個人の2017年成長予想(1月9日付当レポート参照)では政府支出拡大や減税による成長押し上げ効果は勘案していない。大統領就任式を経た段階においても、同様の前提で筆者個人の成長予想は維持することとする。

トランプ大統領の政策は、経済面から見れば総じて国内産業育成、保護主義を前面に打ち出した通商政策がベースとなっており、国富の蓄積を目標とする中世ヨーロッパの重商主義Mercantilismに類似したものといえよう。政治的に過激な発言もすべてかかる国富蓄積という目標達成の手段とみることができる。経済的な観点からは、トランプ大統領の政策が米経済成長を一時的には押し上げる要因であり、上記成長予想のリスクは上方にあるとの見方も維持しておく。

[第2表]
20170122表2


(訂正)1月23日、「10年間で25百万人の雇用と4%成長を掲げた」の第1段落に記述を追加しました。

<経済指標コメント> 米12月消費者物価指数は前年比+2.1%

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[日本]

機械受注(11月、船舶・電力を除く民需)は前月比-5.1%(前年比+10.4%)

11月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比-5.1%(前年比+10.4%)と前月の同+4.1%から反落。前年比の伸び率の3ヶ月移動平均は+3.0%と4ヶ月連続でプラスを維持しており、設備投資の先行指標としての機械受注の趨勢は安定化しつつある。

20170121図1

[米国]

鉱工業生産指数(12月)は前月比+0.5%、設備稼働率は75.5%(前月比+0.6%ポイント)

12月の鉱工業生産指数は前月比+0.5%と上昇、内訳は製造業同+0.2%、鉱業同横ばい、公益事業同+6.6%。また指数全体の前年比伸び率は+0.5%と2015年8月以来16ヶ月ぶりのプラスの伸びに回復した。前年比の伸びの内訳は製造業同+0.2%、鉱業同-2.8%、公益事業同+6.2%。振れの大きい公益事業の増加が単月の指数上昇要因ではあるが、製造業が6ヶ月ぶりの前年比プラスを回復したことは、企業部門の底入れを示唆している。鉱業は原油価格低下の影響で依然前年比マイナスの伸びであるが、マイナス幅は着実に縮小している。設備稼働率は75.5%(前月比+0.6%ポイント)と前月比上昇した。自動車生産台数(乗用車及び軽トラック)は年率11.94百万台(前月比+1.9%)と増加、自動車販売が飽和状態にありながらまだ高水準を維持することを示唆している。総じて、企業部門は在庫調整完了や原油価格の安定化から長い生産調整から底入れに入ったといえそうだ。

20170121図2

消費者物価指数(12月)は前月比+0.3%(前年比+2.1%)、同コア指数は前月比+0.2%(前年比+2.2%)

12月の消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%と5ヶ月連続の上昇、内訳はガソリン同+3.0%、暖房油同+6.0%など原油価格上昇を反映したエネルギー価格が上昇したほか、中古車同+0.5%、運輸サービス同+0.6%などが指数を押し上げた。一方衣服は同-0.7%と低下した。総合CPIの前年比の伸び率は+2.1%と2014年7月以来約2年半ぶりに+2%に上昇した。食品及びエネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%(前年比+2.2%)と14ヶ月連続で+2%台の伸びを維持した。2016年初の原油価格急落要因が剥落し、エネルギーの前年比伸び率が+5.4%にまで上昇したことがCPIの前年比の伸び率上昇要因となっている。また前年比の伸び率では、住居家賃(前年比+4.0%)、持家帰属家賃(同+3.6%)が指数の押し上げ要因になっていることは否めず、食品・エネルギー・住居関連を除く指数は同+1.2%の伸びにとどまっている。しかしながら総じて、インフレ率はFOMCの目標である前年比2%を持続的に維持できる環境にある、2017年にFRBが3回の利上げを実施するとの当レポートの個人予想の支持材料である。

20170121図3

住宅着工戸数(12月)は年率1226千戸(前月比+11.3%)、住宅着工許可件数は同1210千戸(同-0.2%)

住宅着工戸数(12月)は年率1226千戸(前月比+11.3%)と、前月の同-16.5%から反発した。同指標は月次の振れが大きくなっているが、6ヶ月移動平均は同1180.3千戸(前月比+0.4%、前年比+3.1%)と堅調な増加基調を保っている。住宅着工許可件数は同1210千戸(前月比-0.2%)と微減したが、6ヶ月移動平均は同1200.5千戸(同+0.8%)と4ヶ月連続上昇しており、堅調な基調にあるといえる。

20170121図4

<経済レポート> 安定感ある転機:日本経済定点観測

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日本経済は2016年、2017年いずれも前年比+1%レベルの成長を個人予想する。潜在成長率を上回る成長継続で、マイナスの需給ギャップは2017年末にはほぼ解消する計算になる。原油価格の安定化でインフレ率は年末にかけ1.2%レベルに上昇すると見る。もっともこの見通しのリスクは下方と言わざるを得ない。米国、欧州他の政治関連リスク、中東等の地政学リスクは不確実であるからだ。

日本経済は潜在成長率を超える成長を継続

2016暦年の日本の実質GDPは前年比約+1%の伸びに着地した模様だ。2017年についても、前年とほぼ同じ同+1.0%の成長を個人予想する([第1図])。これは、日本経済が3年連続で+1%以上の成長、また潜在成長率(内閣府推計では+0.4%)を超える成長を続けることを意味する。日本経済はいまだデフレを脱却できていない一方、潜在成長率つまり本来の労働力・資本蓄積・生産性から導かれる成長ペースを超えるスピードで拡大していることになる。

一方で、潜在成長率をこえる成長にはこれといったけん引役がみられない。過去2年の需要項目別の成長率の推移をみると、内需関連では、住宅投資がほぼ一貫して強い成長を続けているが、家計消費、設備投資の動きはまちまちである。これに対し、在庫投資、純輸出、公的需要が入れ替わりに成長を押し上げる形となっている。

数字上、日本経済は極めて安定した成長を続ける結果になるといえる。一方で、米国の景気サイクルは来年以降転換点に差し掛かる可能性がある。さらにグローバルには米国、欧州ほかの政治要因や中東関連地政学要因など不確実性も高い。日本経済は「安定感ある転換期」にあるといえるだろう。以下当レポートでは、需要項目ごとにこれまでの拡大の推移をみるとともに、2017年の各需要項目の成長を占っていく。

[第1図]
20170115図1

賃金上昇を背景に家計消費はやや加速とみる

実質家計消費は、2016年に前年比+0.3%程度と、潜在成長率を下回る伸びにとどまった模様だ([第2図])。2017暦年は同+0.7%とやや加速すると見る。2016年の家計消費は総じて不振であった。総務省家計調査でも、2014年4月の消費税率引き上げ以降、二人以上の家計の実質消費支出はほぼ一貫して前年比マイナスの伸びで、消費税率引き上げ前の水準を回復していない。

家計消費の不振の一因は所得増加ペースの低迷にあるといえる。家計調査による実質実収入の前年比の伸び率は11月時点で+1.0%とプラスに転化している。しかし厚生労働省毎月勤労統計による実質賃金の前年比の伸び率は、2014年の消費税率引き上げ要因が剥落した2015年度以降に一時プラスに転化したが、11月時点ではほぼゼロに低下している。

一方、失業率は現在約3%と90年代以来の低水準にあり、失業率と賃金との関係を示すシンプルなフィリップス曲線からは、前年比約+1%の賃金上昇が正当化される計算になる([第3図])。また、安倍首相は2016年11月16日の第3回「働き方改革実現会議」で、2017年についても「少なくとも2016年並みの賃上げ」を要請した。また街角景気は悪くはない状態となっている。12月の内閣府景気ウォッチャー調査によれば、家計動向関連DIは現状判断DI、先行き判断DIともに11月にほぼ1年ぶりに横ばいを示す50ポイント以上に回復した。12月にはいずれもやや反落したが、総じて好転の兆しを見せている。以上から、2017年については2016年に比べいくぶん家計消費の拡大ペースは加速すると見ておく。

[第2図]
20170115図2

[第3図]
20170115図3

企業部門は緩やかな回復を見込む

企業部門はここ数四半期の間不振が続き、2016暦年のGDP統計上の実質設備投資は前年比+1%弱にとどまる見込みだ。これは潜在成長率を上回るペースではあるものの、2013年の同+3.9%、2014年の同+4.9%に比較すると大幅な減速である(2015年は同+1.2%)。主に、海外景気の減速、原油価格低下によるエネルギー関連企業活動の低下と在庫調整が企業部門の算出抑制要因となっていた。2017暦年については今年よりもいくぶん加速して前年比+1.2%程度の緩やかな拡大を見込む。設備投資の先行指標である資本財出荷は2016年10-12月期にかけて増加に転じていることが企業部門回復の兆しとなっている([第4図])。また、以下で述べる在庫調整の終了が、企業の生産活動を加速する可能性が高い。また昨年の米大統領選挙以降の株高、円安傾向も日本企業にとってはネットで追い風要因となる。

企業在庫は、約2年の調整局面を終えて、2017年からは在庫積み増し局面に入り、成長にプラス寄与すると見る。経済産業省の鉱工業生産統計によれば、企業の在庫指数、在庫率指数は、昨年央以降急速に低下しており、いずれも2014年以来の水準となっている。一方で鉱工業出荷は2014年以来の水準に回復している。これは、海外景気減速により積み上がった企業在庫の調整が急速に進んでいることを示唆している。在庫循環図は「意図せざる在庫減」から「在庫積み増し」局面に入りつつある([第5図])。

財・サービス収支は主に輸入の減少を主因にここ数四半期は黒字幅が拡大した([第6図])。今後は円安による輸出の回復が貿易収支黒字の拡大を促し、2017年には純輸出が成長にプラス寄与すると見ておく。

[第4図]
20170115図4

[第5図]
20170115図5

[第6図]
20170115図6

経済対策の2017年度への寄与は限定的

公的部門では政府の経済対策「未来への投資を実現する経済対策」(2016年8月2日閣議決定)の効果が鍵になる。昨年12月20日閣議了解の「平成29年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によれば、経済対策と社会保障費等の増加が2017年度の成長率を約+0.4%押し上げるとされている。同経済対策によれば、いわゆる真水にあたる2017年度の国費歳出は合計約0.4兆円、また2017年度の保険料軽減が1.0兆円で、これらを合わせると名目GDP(2016年実績約536兆円)の約+0.3%に相当することになる。

ただし、国費の支出はすでに2016年度にも半分ほど計上されており、2017年度については前年度比の寄与度は低下せざるを得ない。ついては2017年のGDP統計上の公的需要は成長にややマイナスの寄与にならざるを得ないとみておく。なお、上記政府経済見通しでは、2016年度成長率が前年度比+1.3%、2017年度が同+1.5%と、いずれも筆者個人予想(年度ベースではそれぞれ同+1.2%、+0.9%)とよりもやや高めの見通しとなっている。

潜在成長率を超える成長を3年間継続することは、マイナスの需給ギャップが縮小していくことを意味する。上記の筆者個人予想をもとに今後の日本の需給ギャップを推計すると、2017年末にはほぼ現在のマイナスの需給ギャップ(内閣府推計によれば2016年7-9月期現在で-0.7%)はほぼ解消する計算になる([第7図])。日本経済は今年中にほぼ需給が均衡した水準に拡大することになる。

[第7図]
20170115図7

インフレ率は徐々に上昇へ:日銀は緩和政策維持と見る

失業率低下による賃金上昇、需給ギャップの解消、原油価格の安定化を背景に、インフレ率は2017年中に徐々に上昇し、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数=いわゆるコアCPI)の前年比上昇率は、2016年11月現在の-0.3%から、2017年末に+1.2%に上昇すると見る([第8図])。これは、主に原油価格急落要因の剥落によるものであるが、それでも名目上は日本経済がデフレからの脱却に向けて進むことを示唆している。またこの見通しは、2016年11月1日の日本銀行「経済・物価情勢の展望」における「政策委員の大勢見通し」における、2017年度コア消費者物価指数前年比伸び率見通し(中央値+1.5%)とも概ね方向感を一にするものである。

日本銀行は、昨年9月に「長短金利操作付き量的・質的緩和」の導入を決定した。2017年中、当面の間日本銀行はこの政策を維持すると見る。上記の通り、インフレ率が年内ほぼ一貫して上昇することを勘案すれば、いずれかの段階で緩和政策の出口が探られる可能性は考えられなくはない。しかし、同政策の「オーバーシュート型コミットメント」では「マネタリーベースを消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続する」(2016年9月21日付日本銀行公表文)とされており、+1.2~+1.5%までのコアCPIインフレ率上昇ではまだ緩和政策を終了する条件は整わない。翌年2018年におけるインフレ率の2%目標達成が合理的に期待できる状況になって初めて、量的緩和拡大ペースの縮小等が検討の俎上に乗るに過ぎないと見たい。

以上の日本経済見通しに対するリスクはやや下方と言わざるを得ない。上記予想には、海外を中心とする各種下方リスク要因はその不確実性もあり十分には反映していない。トランプ次期米大統領の過激な外交・軍事政策、FRB利上げに伴う新興国からの資金流出、英国のEU離脱手続(メイ英首相は3月にEU宛正式通告することを表明済)、フランス大統領選挙(4月)、ドイツ総選挙(8~10月)などの政治日程、ISなどの地政学リスクは、本レポートの成長予想への下方リスクといえる。なお、経済・金融個人予想アップデートは1月9日付当レポートの[第3表]参照。

[第8図]
20170115図8


<経済指標コメント> 米12月小売売上高は前月比+0.6%

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[日本]

景気ウォッチャー調査(12月):現状判断DIは51.4(前月比横ばい)、先行き判断DIは50.9(同-0.4ポイント)

12月の景気ウォッチャー調査、3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは51.4(前月比横ばい)と、11月までの5ヶ月連続上昇から一服。それでも横ばいを示す50を2ヶ月連続で上回り、2015年5月以来の高水準を保っている。企業動向関連、雇用関連DIは上昇したが、家計動向関連DIが低下した。2~3ヶ月先の景気の先行きに対する判断DIは50.9(同-0.4ポイント)と6ヶ月ぶりの小幅低下。雇用関連DIは上昇したが、家計動向関連、企業動向関連DIが低下した。景気判断理由として「株価が上昇し、富裕層の高額品購買が増えている(百貨店)」「米国の大統領選によって次期大統領が決まってから、株高、円安の傾向が続いている(同)」とトランプ氏当選後の株高円安歓迎の回答がみられる一方、「米国の時期大統領の言動が気にかかる、、地方においては、円安や原油高の影響により、、価格への転嫁も見込まれる(スーパー)」など、これらによる悪影響を懸念する回答もある。総じて街角景気は好転基調にある。しかし為替・原油などの市場変動の影響は上方・下方双方にあり、不確実性もあることには留意したい。

20170114図1


[米国]

企業在庫(11月)は前月比+0.7%、企業売上高は同+0.1%、在庫売上高比率は1.38倍

11月の企業在庫は前月比+0.7%と強い伸び、一方企業売上高は同+0.1%と弱めにとどまり、在庫売上高比率は1.38倍と前月の1.37倍から10ヶ月ぶりに長期化した。在庫循環図は「意図せざる在庫減」から「在庫積み増し」局面に入っている。企業部門は在庫調整が終了し、今後は在庫積み上げのために生産を増加させるよい局面に入りそうだ。

20170114図2

小売売上高(12月)は前月比+0.6%、除く自動車関連同+0.2%

12月の小売売上高は前月比+0.6%と強い伸び、除く自動車関連でも同+0.2%の堅調な売上だった。前月分も同+0.2%と速報値の同+0.1%から上方改訂された。12月売上の内訳は、新車販売の増加を反映した自動車及び同部品ディーラーが同+2.4%、原油高を反映したガソリンスタンドが同+2.0%の強い伸び。家具店(同+0.5%)、建設資材店(同+0.5%)なども売上を伸ばした。一方家電店(同-0.5%)、百貨店(同-0.6%)などは売上を減少させた。ホリデー商戦売上高のベースとなる「自動車・ガソリン・レストランを除く」小売売上高は同+0.1%と前月並みの弱い伸びにとどまった。結果、2016年のホリデー商戦売上高(自動車・ガソリン・レストランを除く小売売上の11、12月合計)は前年比+3.5%と予想を下回ったが、前年の同+3.1%から大きく加速した。米個人消費は循環的な減速局面に入りつつもまだ堅調さを維持している。

20170114図3

<経済レポート> 反動が加速を呼ぶ:米経済定点観測

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2017年の米経済成長率は、前年比+2.4%への加速を個人予想する。もっともこの加速は、企業部門や在庫投資の昨年の減速の反動によるところが大きく、中長期的には経済は循環的な減速局面に入っているとの見方は不変である。トランプ新大統領の政策には不確実性が高く、現状ではその多くを予想に反映していないが、総じてネットでは上振れ要因と見たい。下方リスクは政治・地政学リスクであることは昨年と同様である。

2017年は2.4%成長を見込む:トランプ新大統領の政策は不確定要因

昨年2016年の米実質GDP成長率は前年比+1.7%程度にとどまり、3年ぶりに2%成長を割り込んだ模様だ。年前半の個人消費急減速が成長を押し下げたこと、企業部門の減速で設備投資が通年で前年比マイナスの伸びにとどまったこと、また在庫調整が成長を押し下げたことが減速の主因であった。しかし、年後半に成長は回復し、公表済の2016年7-9月期実質GDP成長率は前期比年率+3.5%と、外需を中心に強い伸びとなった。10-12月期はやや減速するものの、同+2%台半ばの成長を見込む。

今年2017年については、企業部門の回復と在庫調整の終了が成長を押し上げ、実質GDP成長率は通年で通年では前年比+2.4%の成長を筆者個人の予想とする。もっとものちに述べるように、米経済は循環的な減速局面にあり、年後半には成長は減速していくと見る。([第1図])。

2017年の成長を見通すに当たり現状不確定要因となっているのが、トランプ新大統領の経済・財政政策である。当レポートでは、トランプ氏が選挙戦前後に掲げた政策がネットでは成長にプラス寄与する可能性をみている。しかしそれらの政策の実現性は現在定かではなく。就任後100日間のいわゆるハネムーン期間により明確になるだろう。今後は新大統領の一般教書演説、予算教書、経済演説等でその政策の経済効果を見積もっていくこととしたい。本レポートでは、まずGDPの需要項目ごとに2017年の成長率とFRBの金融政策を見通すとともに、現時点で判明しているトランプ新政権の政策が成長に与える上下双方のリスクを見ていく(トランプ新大統領の政策については11月24日付当レポート参照)。

[第1図]
20170109図1

雇用は循環的減速局面に入っている

まず、米経済の牽引役である個人消費から見る。昨年2016年のGDP統計上の実質個人消費は前年比+2.7%程度の伸びになった見込みである。2017年は雇用拡大ペースの減速により拡大ペースがやや鈍化、それでも通年で同+2%強の拡大を個人予想する。

一方、米経済の循環的減速は雇用拡大ペースの減速にもっともよく現れている。2016年の非農業部門雇用者数の前月比の伸びは平均+180千人と前年の同+229千人から大幅に減速し、3年ぶりに同+200千人を下回った。2016年の非農業部門雇用者数の前年比伸び率は平均+1.75%で、2015年の同+2.08%から大幅な減速となった。雇用の伸び率の減速は消費者の購買力の伸び減速につながり、個人消費の減速要因となる。実際、雇用増加・週平均労働時間・実質時間当たり賃金の伸びを合わせた購買力の伸びは、11月現在で前年比+2.0%にまで低下している([第3図])。これは、実質個人消費の伸びを高々+2%レベルに維持することが可能なギリギリの水準である。

もっとも、失業率は昨年12月現在で4.7%と、米議会予算局(CBO)が推計する自然失業率4.7%とほぼ同水準にある。これは、現在の米雇用市場がほぼ完全雇用状態のほぼ均衡状態にあることを示唆している。つまり雇用市場からはまだ米経済に過熱感はなく、したがって急激な景気の転換が起きる立ち位置にはないといえる。とはいえ、雇用市場がほぼ均衡状態にある現状からは、雇用拡大ペースは徐々に減速していくと考えるのが自然であろう。2017年については、雇用の伸びが前年比+1.5%程度にとどまることで、個人消費は緩やかな減速局面に入るとみておきたい。

[第2図]
20170109図2

[第3図]
20170109図3

雇用減速・金利上昇・インフレが個人消費を減速させる

ここで、実質個人消費の要因分解をアップデートする。実質個人消費の決定要因として、非農業部門雇用者数の他、時間当たり賃金、インフレ率、長期金利、株価、住宅価格を用い、以下の想定をおく。時間当たり賃金上昇率(生産及び非監督労働者)は昨年末にかけてようやく加速を見せている。ここでは、2017年の同上昇率をほぼ現状の前年比+2.5%と想定する。インフレ率は、個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)の前年比で+1.7%と想定する。金利については、米国債10年物利回りが2017年末に3.3%、30年物モーゲージ金利が5%に上昇すると想定する(長期金利の均衡水準推計については11月24日付当レポート参照)。株価については不確実性が高く予想が困難であるが、大統領選挙結果を契機とした株価上昇が来年も持続するとは考えにくく、また株価収益率からみた株価割高感や、今年の長期金利上昇に鑑みれば、年後半には弱含むと見たい。そこで、年初に一時NYダウが20000ドルを超えるもその後弱含みとなり年末に19000ドルで着地と想定する。住宅価格は、S&Pケース・シラー住宅価格指数(10都市)がほぼ現状の上昇ペースである前年比+5%の上昇を続けると想定する。

要因分解の結果が[第4図][第1表]である。これによれば、雇用増加ペースの低下、金利上昇、インフレ率上昇が主要因となって、2017年の実質個人消費の伸び率は現状に比べて低下するとの結果になった。これは、上記の実質個人消費減速予想にも整合する結果である。

これに対し上方リスクとなりうる要因が、トランプ新大統領が選挙戦期間に掲げていた所得税減税策である。同氏は、中間層の所得税を-35%緩和することと税制の簡素化を公約として掲げていた。仮にこの政策が早期に実施されれば、個人消費予想に対する上ブレ要因となりうる。しかし、かかる抜本的税制改正は、議会の法案可決を経て最速でも2018年において示現するにすぎない。2017年中の減税による成長押し上げ効果はここでは見込まないこととする。

[第4図]
20170109図4

[第1表]
20170109表1

企業部門は反動で緩やかな拡大へ

次に企業部門の設備投資について見る。2016年のGDP統計上の設備投資は通年で前年比わずかにマイナスの伸びに転化した模様である。企業部門の減速の背景は、海外景気の減速による輸出減速、原油価格急落によるエネルギー関連設備投資の低迷、企業在庫調整などがあった。2016年後半にかけて輸出はやや回復、原油価格は底入れした。また在庫調整はほぼ完了したと見られる。したがって、2017年はこの反動もありプラス成長への回帰を見込む。しかしその拡大ペースはほぼ2015年並みの、前年比+2%程度にとどまると見る。

設備投資の拡大ペースが回復後も緩やかなものにとどまると見る理由は以下の通りである。企業の設備投資の源泉となる企業ネットキャッシュフローの伸びは、ここ数年間概ね横ばい基調にとどまっている。2013年以降は名目設備投資がネットキャッシュフローを上回る状態が続いている([第5図])。また、鉱工業の設備稼働率は11月現在で75.0%と、前年同月の75.7%から大幅に低下した状態にある。企業設備投資をめぐる環境はまだ好転していない。

設備投資の決定要因として、企業ネットキャッシュフローと設備稼働率を用いた回帰分析の結果が[第2表]である。これによれば、2016年中の設備稼働率低下とネットキャッシュフローの悪化が2017年の設備投資を引き続き抑制するとの結果が試算できる。この結果だけからは、2017年の設備投資もマイナスもしくは横ばい程度にとどまると見ざるを得ない。

[第5図]
20170109図5

[第2表]
20170109表2

在庫循環は積み増し局面へ:貿易収支・政府支出はまだ未確定

しかし、企業部門にも明るい兆しがみられる。一つは在庫調整の終了である。在庫循環図は、これまでの「在庫調整」局面から「意図せざる在庫減」局面に入っており、今後「在庫積み増し」局面入りすることが予想される。企業在庫の積み上げは2017年の成長の押し上げ要因となろう。また、在庫調整が企業の生産と設備稼働率を抑制してきた一因だと考えれば、今後設備稼働率は上昇することが考えられる。原油価格の回復はエネルギー産業の稼働率上昇と設備投資再開を促しうる。また、ISM指数の好転に見られるように、昨年末にかけて企業景況観が「玉虫色」から「好転」へと移行する様子が見て取れる。よって、2017年のGDP統計上の設備投資は、上記の推計値よりやや強めの前年比+2%成長を見込んでおく。なお、トランプ新大統領が選挙戦中に掲げていた法人税減税(現状の35%を15%に)が実現すれば、企業設備投資の促進要因となりうる。しかし、上記の個人所得税同様に、仮にこれが実現したとしても成長への寄与は2018年以降になる可能性が高い。

純輸出については、2017年を通じてほぼネットで成長にゼロの寄与と見ておく。米貿易収支は昨年後半にかけて輸出増加を主因に改善が進み、成長の押し上げ要因となった。2017年については、米貿易収支の拡大・縮小双方の要因が考えられる。貿易収支改善要因としては、原油価格の回復に伴う海外景気の回復と、トランプ新政権による米企業の生産の国内回帰政策、また内需の減速による輸入減速がある。一方、FRBの利上げはドル高要因となり、これが輸出を抑制する要因となるだろう。これらの要因の効果を現状見積もることは困難であり、現状はネットで貿易収支を横ばいと見ておくことにする。

政府支出については2017財政年度を期限に連邦政府の裁量支出上限が約1兆700億ドルに引き上げられている(2015年超党派予算法)ことから、2017年中は成長にプラス寄与となろう。さらにトランプ新大統領は選挙戦中の公約で、10年間で1兆ドルのインフラ投資を掲げた。年間で0.1兆ドルの財政支出はGDPを年間約+0.5%押し上げる効果がある計算になる。ただしこの財政政策の実現如何はまだ不確実であり、現状の予想にはすべては織り込まないこととしたい。

[第6図]
20170109図6

トランプ政権の政策はネットで上方リスク要因:政治・地政学関連は下方リスク

以上より、2017年の米実質GDP成長率を前年比+2.4%と予想する。これは、2016年の当レポート予想成長率同+1.7%からの加速を意味する。また、これにより2017年末の米国の需給ギャップは約-0.5%にまで縮小する計算になる。ここに、トランプ新政権の財政政策が加われば、さらに成長の押し上げ要因となりうる。一方で、上記で述べたように、米経済が循環的な減速局面にあり、この加速要因の多くが2016年の企業部門の悪化の反動であることを勘案すれば、これが2018年以降も持続的とは言いにくいことは留意すべきであろう。

FRBの金融政策については、2017年に+0.25%づつ3回の利上げが決定され、2017年末のFF金利誘導目標レンジは1.25-1.50%になると予想する。これは、12月18日付当レポート当レポートで考慮した、従前予想の上方修正である。さらに、この予想は今や上方リスクを孕むものとなっている。上記に示した成長予想に基づき、改めてテイラー・ルールによる適正FF金利水準を推計してみると、2017年末の適正FF金利水準は実に約2.6%との結果になった(自然利子率=1.5%の場合)。これは、2017年各四半期+1.5%成長を前提として12月18日付当レポートで推計した約2%からの更なる上方シフトである。また、12月14日のFOMC委員経済予測によれば、2017年の成長率予測中央値は+2.1%(第4四半期前年同期比)であり、これは上記の筆者個人予想の第4四半期前年同期比とほぼ同じ水準である。すなわち、FOMC委員の経済予測に従えば、2017年末のFF金利誘導目標はFOMC委員自身による予測(中央値1.4%)よりも大幅に高めであることが正当化しうることになる。

以上の2017年米経済個人予想に対するリスクは上方にあると見ておきたい。上記では十分に織り込まなかったトランプ新大統領のプロ・ビジネス、プロ・成長政策が実現すれば、ネットで成長押し上げ要因となると見るためである。一方、下方リスク要因にもいくつかのものが考えられる。トランプ新大統領の過激な外交・軍事政策による海外経済の混乱、FRB利上げに伴う新興国からの資金流出による同地域の経済悪化などがグローバルな下方リスク要因である。欧州では、英国のEU離脱手続(1月にEU離脱への議会承認の要否に関する最高裁判決予定)、フランス大統領選挙(4月)、ドイツ総選挙(8~10月)などの政治日程がある。他にISなどの地政学リスクは昨年に引き続き存在している。これら不確定要因の中、当レポートの予想も適宜適切な見直しを迫られる可能性が高そうだ。

なお、筆者個人の経済・金融予想アップデートを[第3表]に示す。

[第7図]
20170109図7

[第3表]
20170109表3

(訂正)1月15日、[第3表]の日本の2016年及び同年度の実質GDP予想数値を訂正しました。

<経済指標コメント> 米12月非農業部門雇用者数は前月比+156千人

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[米国]

ISM製造業指数(12月)は54.7%(前月比+1.5%ポイント)、非製造業指数は57.2%(同横ばい)

12月のISM製造業指数は54.7%(前月比+1.5%ポイント)と4ヶ月連続の上昇で、2014年12月以来の水準に回復した。総合DIを構成する5つのDIの内訳は、新規受注60.2%(同+7.2%ポイント)、生産60.3%(同+4.3)、雇用53.1%(同+0.8)、入荷遅延52.9%(同-2.8)、在庫47.0%(同-2.0)。新規受注・生産が増加して在庫調整が進行した状況が読み取れる。調査対象先の回答には「受注と出荷は極めて強い(コンピューター及び電気製品)」「来年第1四半期も事業は強くなりそう(金属工業)」など、需要の強さを示すものが多い。非製造業指数は57.2%(前月比横ばい)と高水準を保った。総合DIを構成する4つのDIの内訳は、事業活動61.4%(同-0.3)、新規受注61.6%(同+4.6)、雇用53.8%(同-4.4)、入荷遅延52.0%(同横ばい)と、製造業指数に比べるとまちまちな内容である。総じて企業景況観は回復が明かになってきている。背景には在庫調整の終了による生産再開がある。米大統領選挙後の株価上昇も景況観回復には寄与している可能性がある。

20170108図1

新車販売台数(12月、乗用車及び軽トラック)は年率18.29百万台(前月比+3.1%)

12月の新車販売台数(乗用車及び軽トラック)は年率18.29百万台(前月比+4.9%)と前月比大幅増加、前年比でも+4.9%と6ヶ月ぶりに前年を上回り、単月では2005年7月以来の高水準となった。自動車販売台数は飽和的水準に達していることから減速を予想してきたが、12月単月の急増は上方サプライズといえる。なお、2016年通年の同販売台数は同17.46百万台(前年比+0.4%)とかろうじて前年を上回ったものの、その伸び率は前年の同+5.8%から大きく減速した。

20170108図2

雇用統計(12月):非農業部門雇用者数は前月比+156千人、失業率は4.7%

12月の雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+156千人と、予想比やや弱めだったがまずまずの結果だった。前月分は上方改訂されて同+204千人の強い伸び。同3ヶ月移動平均は同+165千人と前月の同+182千人から下降に転じた。12月の内訳は、製造業同+17千人、専門ビジネスサービス同+15千人、教育・医療同+70千人など。基幹業種である専門ビジネスサービスの増加が同+15千人と小幅にとどまったことが全体の数字を押し下げている。内容的には一時的な減速と考えられ、堅調な雇用市場拡大基調は不変である。もっとも非農業部門雇用者数の前年比の伸び率は+1.5%と2013年4月以来のペースに減速しており、雇用市場が循環的減速局面にあることは間違いなさそうだ。時間当たり賃金(生産及び非監督労働者)は前年比+2.5%と前月の同+2.4%から3ヶ月ぶりに伸びがやや加速した。一方で、週平均労働時間は33.64時間と前月比横ばい、前年比では-0.6%の減少で、労働市場がさほどタイトでない可能性を示唆している。家計調査による失業率は4.7%と前月比+0.1%ポイント上昇。内訳は、労働力人口と就業者数の増加を伴うよい内容である。労働参加率は62.7%と前月比+0.1%ポイント上昇したが、昨年3月の63%をピークにやや頭打ち感がみられる。総じて雇用市場拡大ペースは堅調で、失業率低下に伴う遅効的な賃金上昇圧力もみられ始めている。一方で失業率は自然失業率(米議会予算局推計では4.7%)とほぼ同水準にあり、過熱感はまだ見られないといえる。

20170108図3

<経済指標コメント> 日本の11月実質家計消費支出は前年比-1.5%

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[日本]

実質家計消費支出(11月、二人以上の世帯)は前月比-0.6%(前年比-1.5%)

11月の実質家計消費支出(二人以上の世帯)は前月比-0.6%と2ヶ月連続の前月比減少、季節調整前前年比では-1.5%と9ヶ月連続マイナスの伸びとなった。11月までの10-12月期同支出は前期比-0.7%と3四半期連続のマイナス成長となるペースである。一方、勤労者世帯の実質実収入は前年比+1.0%と過去5ヶ月で3回目のプラス成長となっている。家計消費の低迷は続いているが、実収入の増加は今後の回復への支持材料である。

20170103図1

全国消費者物価指数(11月、生鮮食品を除く総合)は前月比横ばい(前年比-0.4%)

11月の全国消費者物価指数、生鮮食品を除く総合指数(いわゆるコアCPI)は前月比横ばいと前月の同0.2%から再び横ばいに転じた。外国パック旅行費(同-9.4%%)などが指数を押し下げた。前年比では-0.4%と9ヶ月連続のマイナスの伸びが続いている。前年比の伸びでは、エネルギー(寄与度同-0.51%)が前年比伸び率を押し下げているほか、家庭用耐久財(同-0.04%)、テレビ(同-0.03%)などがコアCPIインフレ率のマイナス要因である。食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数(いわゆるコアコアCPI)は前月比-0.1%と4ヶ月ぶりに低下、前年比では+0.1%とかろうじて前年比プラスの伸びを維持している。しかしコアコアインフレ率も2015年末をピークに低下傾向にある。2015年末の原油価格急落の影響が剥落する2017年初からは、コアCPI、コアコアCPIともに前年比の伸び率が上昇し、2017年末にはいずれも+1.2%程度になると見る。それでも、日本銀行の目標である2%インフレ率にはまだ道のりが遠そうだ。

20170103図2

完全失業率(11月)は3.1%

11月の完全失業率は3.1%(前月比+0.1%ポイント)とわずかに上昇したが、依然95年代以来の低水準にある。内訳は、労働力人口前年比+0.9%、就業者数同+1.1%と、労働市場の拡大を伴う失業率低位安定である。筆者試算の労働力化率は60.1%と6ヶ月連続で60%をこえて上昇基調を保っている。労働市場のタイト化を労働参加の増加が緩和している構造は不変である。

20170103図3

住宅着工戸数(11月)は年率937千戸(前月比-4.2%)

11月の住宅着工戸数は年率937千戸(前月比-4.2%)と2ヶ月連続の減少。持家同-1.6%、貸家同-1.1%、分譲住宅同-4.8%とすべての利用関係で着工が減少した。住宅着工戸数は依然高水準にあるが、年央の同1000千戸台でいったんピークアウトして循環的減速に転じている模様だ。

20170103図4

鉱工業生産指数(11月)は前月比+1.5%

11月の鉱工業生産指数は前月比+1.5%と過去5ヶ月で3回目の上昇。出荷指数は同+0.9%と3ヶ月連続上昇、在庫指数同-1.5%、在庫率指数同-5.5%。出荷の増加で在庫が減少して生産が増加している形だ。在庫循環図は「意図せざる在庫減」局面にあり、今後在庫積み増しが再開されることを示唆している。設備投資の先行指標となる資本財出荷指数は同+2.2%と4ヶ月連続の上昇、11月までの10-12月期同指数は前期比+3.0%と前期の同+0.1%から大幅に上昇が加速するペースである。GDP統計上の設備投資のプラス成長転化と、企業部門の底入れを示唆する結果である。公表元の経済産業省は基調判断を「生産は持ち直しの動き」として、前月までの「緩やかな持ち直しの動き」から引き上げている。

20170103図5