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<経済レポート> タカ派色鮮明:1月FOMC議事要旨

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1月FOMC定例会合の議事要旨の内容は、FOMC委員の成長とインフレに関する見通しが上方シフトしており、タカ派色の強いものだったといえる。FRB理事や投票メンバーの交代もあり、FOMCのスタンスは昨年以上にタカ派スタンスにシフトすると見たい。年内に3回またはそれ以上の利上げが決定されるとの個人予想を維持する。

1月FOMC議事要旨はタカ派色が強かった

FRB連邦公開市場委員会(FOMC)は、昨年12月定例会合でFF金利誘導目標レンジを1.25-1.50%に引き上げたのち、1月30-31日定例会合ではこれを据え置いた。しかし、21日に公表された同会合の議事要旨からは、FOMCの金融政策に関する議論がかなりタカ派にシフトしていたことが読み取れる。

FOMC参加者による議論では「経済活動と労働市場に関する入手された情報は、トレンドを上回る経済成長と更なる労働市場の強まりと整合的である」とされ、米経済が潜在成長率を上回る成長を継続していることが確認された。また「緩和的な金融条件、最近成立した税制法、そして好転したグローバルな経済見通しが、今後数四半期の経済成長を支持するだろう」とされ、昨年末に成立した大型減税法案が成長を押し上げる可能性が確認された。

個人消費や企業部門が好調であることも確認された。個人消費について参加者は「最近の堅調な個人消費が、更なる雇用と所得増加、資産価格上昇からくる家計資産増加、高い消費者信頼感に支持されて継続するだろうと予想した」と指摘した。また2、3人の参加者は「家計の貯蓄率が2005年以来の低水準に低下」していることを指摘した。企業部門につき、コンタクト先が「減税とグローバル経済見通しの改善がポジティブな要素」として「総じて経済に対し上向きである」とされた。労働市場については「多くの参加者が労働市場条件はタイト」であると述べた。

成長率とインフレ率の上ブレを見る参加者がみられた

一方で、賃金上昇率については様々な意見が述べられた。「幾人かの(some)参加者は、彼らの地区のコンタクト先企業からより多くの賃金上昇圧力を聴取した」が「参加者は総じて広範囲な賃金上昇の兆候を少ししか見出さなかった」として、賃金上昇圧力が依然低位であると認識された。しかし「多数の(a number of)参加者は労働市場の継続的なタイト化がいずれかの時期に賃金上昇加速をもたらすだろう」と判断したとされ、全体としては今後賃金上昇率が上昇するとの予想が示唆された。

インフレ率については「参加者は、資源利用が更にタイトになり賃金圧力がより明かになるにつれインフレ率が徐々に上昇を続けると予想した」とされた。また「数人の(several)参加者は米ドル価格の低下がインフレ率の2%目標への回帰を支援する」と考えたとされ、今後のインフレ率上昇の可能性が示唆された。もっとも「何人か(a few)」の参加者は「法人税減税により、企業が競争力維持のための価格引き下げ」を行い、これが一時的にインフレ率を押し下げる可能性に言及した。また、数人の参加者は「委員会の2%インフレ目標に向けた更なる進捗見通しへの自信を高めた」と述べ、また2,3人の参加者は「経済成長ペースの高まりは労働市場条件を現在の予想以上にタイト化させ、完全雇用を超えることでインフレと金融安定にリスクをもたらす」可能性を述べた。総じて、インフレについては上方リスクを見る参加者の意見が複数出されたことがわかる。もっとも幾人かの参加者は「インフレ率が委員会の目標を下回り続ける目に見えるリスクを見た」とされた。これらの参加者は「賃金上昇率の上昇の証跡がみられないことをその背景として挙げ、FF金利引き上げに慎重であるべきと述べたとされた。

金融政策に関する参加者の議論において参加者は「2018年の経済成長率は、持続的な長期ペースを上回り、労働市場条件は更に強まるだろう」と予想したとされた。また多数の参加者は「12月会合時点の短期経済予測に比べて彼らの予測を引き上げたことを示唆した」とされ、12月定例会合以降の経済予測が上ブレしていることを示唆した。また数人の参加者は「短期的な経済活動見通しの上方リスクが高まったことを示唆」した。投票メンバーによる金融政策行動に関する議論では、ほとんどのメンバーが「2018年にインフレ率が上昇し、中期的に委員会目標の2%近辺に安定する可能性が高い」と述べ、FF金利誘導目標を1.25-1.50%に据え置くことを全会一致で決定した。ただし2,3人のメンバーはインフレ率に関し(下方への)懸念を表明した。

今後FOMC委員予測も上方改訂の可能性が高い

こうした議論を見ると、FOMC委員が1月に入り従前に比べてよりタカ派にシフトしていることがわかる。昨年12月時点のFOMC委員経済予測中央値によれば、2018年の実質GDP成長率は前年比+2.5%(第4四半期前年同月比)とされていた。しかしこの予測は概ねこれまでの巡航速度の成長率であり、減税法案が成立した今となってはやや保守的すぎるというべきであろう。議事要旨で多数の参加者が述べていたように。今後FOMC委員の経済予測は上方シフトする可能性が高い。

2018年の利上げ回数も、昨年12月時点では3回(中央値)であったが、これも今後上方改訂される可能性が高いと見る。テイラー・ルール公式に2018年の成長率とインフレ率予想を当てはめてみると、自然利子率を0.8%と低めに見積もった場合でも、2018年末の適正FF金利は3.3%と推計できる。これは昨年12月現在のFOMC委員予測中央値である2.1%を大幅に上回る。

FOMC委員の交代もFOMCが今後さらにタカ派に転ずる要因である。新たに就任したクォールズ副議長は2月22日の東京における講演で、最近の株価下落にかかわらず「米国の基礎的なファンダメンタルズは健全」と述べ「インフレ率の(FOMC)目標に対する現在の下振れは一時的な要因によるもので2018年には解消するだろう」と述べている。


年内3回以上の利上げ予想を維持する

以上から、当レポートにおけるFRBの金融政策予想すなわち、FOMCが年内に3回もしくはそれ以上の利上げを決定するとの個人予想を維持する。1月FOMC議事要旨に見られる、経済成長の加速とインフレ率上昇見通しは、当レポートのこれまでの見方とほぼ同様のものである。当レポートでは、減税の効果で2018年の成長率はベースライン比+0.4~0.5%程度押し上げられ、通年で前年比+2.8%になると個人予想している。インフレ率については、個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)の前年比伸び率が年内に一時+2.0%を超えて推移し、年末には+1.8%に着地すると見ている([第1図])。

米国経済は2017年7-9月期に需要超過に転じており、上記当レポート予想を前提とした2018年末の需給ギャップは+1.5%の需要超過になる計算になる。これは、金融危機前の需要超過の水準を上回り、2000年のITバブルの終期の水準に匹敵する([第2図])。需給ギャップとコアPCEデフレーターの関係を示すシンプルなフィリップス曲線によれば、需給ギャップ+1.5%に相当するコアPCEインフレ率は約+1.9%と推計できる([第3図])。ここからは、2018年末にかけてコアインフレ率が+2%に近いところにまで上昇して安定的に推移するシナリオが十分に予想できる。

次回のFOMC定例会合は3月20-21日に予定されている。そこでは+0.25%のFF金利誘導目標レンジ引き上げが決定されると個人予想する。また声明文と同時に公表されるFOMC委員の四半期経済予測では、2018年の成長率と適切なFF金利の予測中央値が上方にシフトすると見ておく。

[第1図]
20180226図1

[第2図]
20180226図2

[第3図]
20180226図3

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<経済指標コメント>日本の1月全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年比+0.9%

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[日本]

全国消費者物価指数(1月、生鮮食品を除く総合)は前月比+0.2%(前年比+0.9%)

1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、いわゆるコアCPI)は前月比+0.2%と、前月の同+0.1%から上昇ペースをやや加速させた。前年比では+0.9%と前月並みの伸び率。前年比伸び率では電気代(寄与度+0.21%)、ガソリン(同+0.17%)などエネルギー関連の寄与度が依然高い。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(いわゆるコアコアCPI)は前月比+0.1%、前年比では+0.4%と前月の同+0.3%からやや伸びが加速した。総じてCPIインフレ率は上昇基調を保っており、需給のタイト化によるインフレ圧力が上昇していることを示唆している。コアCPIの前年比伸び率は当レポート想定よりやや下振れており、現状では2018年末にかけて+1%をやや下回る計算になるが、今後再び伸びが加速する可能性は十分にある。2018年のコアCPIインフレ率が概ね+1%レベルで推移するとの見方を維持する。

20180225図1

[米国]

中古住宅販売戸数(1月)は年率5380千戸(前月比-3.2%)、在庫期間は3.4ヶ月

1月の中古住宅販売戸数は年率5380千戸(前月比-3.2%)と2ヶ月連続の減少。北東部・中西部・南部・西部の4地区いずれの販売戸数も減少した。在庫期間は3.4ヶ月と前月の3.2ヶ月からやや長期化したものの依然需給はタイトである。公表元の全米不動産業協会(NAR)は「在庫不足と価格上昇」が年初の販売減少の要因であるとしているが「来客数は昨年の1月を上回っている」として需要の強さを示唆している。総じて住宅販売市場の需給はまだタイトであるが、2月以降の株価下落が株式売却による住宅購入増加分の剥落を招く可能性があることは下方リスク要因と見たい。

20180225図2

<経済指標コメント> 日本の10-12月期実質GDP成長率(1次速報)は前期比年率+0.5%

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[日本]

実質GDP成長率(10-12月期、1次速報値)は前期比年率+0.5%

10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.5%と前期の同+2.2%から減速した。しかしながら、家計消費・住宅投資。設備投資を合わせた国内最終民間需要は同+1.6%と、前期の同-1.4%のマイナスから大幅プラスに転じており、見かけの数字より良い内容と言える。需要項目別内訳は、家計消費支出同+1.9%、住宅投資同-10.2%、設備投資同+2.8%、公的需要同-0.9%、在庫投資寄与度同-0.4%、純輸出寄与度同-0.3%。家計消費の大幅増加が目立つ一方で、在庫投資、純輸出、住宅投資のマイナスが成長率を押し下げた形。家計調査の不振にかかわらず家計消費が大きな回復を見せたほか、設備投資は先行指標たる資本財出荷のプラス成長と整合的にプラス成長を実現した。結果2017暦年成長率は前年比+1.6%となった。日本経済は総じて堅調な拡大を継続しているといってよい。もっとも10-12月期の表面上の成長率が減速したことで、今後の成長率は当レポートの予想からやや下振れるペースで、2017年度は前年度比+1.7%、2018暦年成長率は2017年よりやや減速して前年比+1.3%程度となる計算になる。

20180218図1

機械受注(12月、船舶・電力を除く民需)は前月比-11.9%(前年比-5.0%)

12月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比-11.9%(前年比-5.0%)と大幅減少。結果10-12月期の同受注は前期比-0.1%とわずかに前期比でマイナスに転じた。2017年10-12月期まで5四半期連続でプラス成長を続けた設備投資もやや一服感がみられる。

20180218図2

[米国]

企業在庫(12月)は前月比+0.4%、企業売上高は同+0.6%、在庫売上高比率は1.33倍

12月の企業在庫は前月比+0.4%と強めの伸び、企業売上高はこれを上回る同+0.6%の伸びで、結果在庫売上高比率は前月並みの1.33倍の低位を維持した。在庫循環図は依然在庫積み上げ局面にある。2017年10-12月期は一時的に在庫投資がGDP成長率にマイナス寄与したが、2018年は再び在庫積み上げが成長押し上げ要因になると見る。

20180218図3

小売売上高(1月)は前月比-0.3%、除く自動車関連同横ばい

1月の小売売上高は前月比-0.3%とマイナスの伸び、前月12月分も同横ばいと速報値の同+0.4%から下方改訂された。1月の業種別内訳は新車販売の減少を反映した自動車及び同部品ディーラーが同-1.3%、家具店同-0.4%、建設資材店同-2.4%、などがマイナスの伸び、一方ガソリン価格の上昇を反映したガソリンスタンドが同+1.6%、衣服店が同+1.2%などまちまちであった。米個人消費は所得の伸びを上回る拡大を示してきたが、昨年末よりやや一服感がみられるうえ、2月以降は、株価下落の影響が個人消費の押し下げ要因となりそうだ。もっとも2018年通年では所得税減税効果が個人消費を押し上げて、通年で+2%台後半の強い伸びとなるとの見方は不変である。

20180218図4

消費者物価指数(1月)は前月比+0.5%(前年比+2.1%)、同コア前月比+0.3%(前年比+1.8%)

1月の消費者物価指数(CPI)は前月比+0.5%(前年比+2.1%)と前月比で強い伸び、前年比でも前月並みの伸びを維持した。前月比の同指数を押し上げたのはガソリン(前月比+5.7%)、暖房油(同+9.5%)などのエネルギー価格。他に衣服(同+1.7%)、運輸サービス(同+0.8%)などが指数を押し上げた。食品及びエネルギーを除くコアCPIも前月比+0.3%(前年比+1.8%)と堅調な伸び。エネルギー価格上昇と経済需給のタイト化でインフレ率は堅調な伸びを示している。

20180218図5

住宅着工戸数(1月)は年率1326千戸(前月比+9.7%)、着工許可件数は同1396千戸(同+7.4%)

1月の住宅着工戸数は年率1326千戸(前月比+9.7%)と急増、6ヶ月移動平均も上昇に転じ、住宅着工は堅調な拡大ペースに回帰した。住宅着工許可件数も同1396千戸(同+7.4%)と大幅増加した。住宅需給のタイト化で住宅着工は今後も堅調に拡大しそうだ。

20180218図6


<経済レポート> 不均衡調整は続く:米株下落と金利上昇

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NYダウはここ2週間で-9%を超える大幅下落、長期金利は2.8%を超える水準に上昇した。株価下落と長期金利上昇はいずれもこれまでの不均衡是正の調整とみることができ、またファンダメンタルズへの大きな影響は見通しにくい。一方でトランプ政権の歳出拡大策により米財政赤字は更に拡大の見込みである。NYの下値目途は22000ドルレベル、長期金利の上値目途は3.5%と見ておくが、これを超える株価下落・金利上昇のリスクシナリオをも想定はしておく必要があろう。

NYダウは2週間で-9%下落した

米株が大幅に下げている。NYダウは1月26日に26616ドルの史上最高値をつけたのち2週間にわたる急反落に転じた。2月9日の終値は24190ドルと2週間で-9.1%の下落となった([第1図])。NYダウ下落は、昨年12月末の米トランプ政権の税制改革法成立、1月20からの米政府閉鎖、1月30日トランプ大統領一般教書演説におけるインフラ投資拡大表明、そして2月にかけての連邦政府予算をめぐる米議会内の交渉、といった米政府財政問題とこれに伴う長期金利の上昇と軌を一にしている。こうした米財政問題をめぐる混乱と財政赤字拡大見通しが長期金利の上昇をもたらし、更に株価下落を促したと見られる。

従前より当レポートで指摘していたように、NYダウはこれまでバリュエーション的にかなり割高な水準にまで買い進まれていた。S&P500の株価収益率は、金融危機直後の外れ値を除いて、1990年代のITバブル期以来の水準に上昇していた。NYダウはいつでも調整の反落の可能性のある状態にあったわけで、今回の米株急落はいわば想定の範囲内である。また急落の契機が米政府財政問題による長期金利上昇であったことも合理的な動きである。今回の株価下落は、想定外の外部ショックによるものではなく、株価水準そのものが孕んでいた不均衡の調整によるものといえる。

チャートポイント的には、NYダウの下値の目途は、2016年11月トランプ大統領当選直前の安値17888ドルから、今年1月26日の最高値26616ドルまでの半値押しに当たる、22252ドルレベルである。9日の終値から22252ドルまでは約-2000ドル弱である。2月以降9日までにNYダウは前日比-1000ドルを超える下落を2度も記録している。その意味では、この下値は意外に早期に実現する可能性がある。といっても、22252ドルは昨年9月の水準であり十分に高い株価水準といえる。また22252ドルまでの株価下落は1月26日の史上最高値対比では約-16.3%の価格減価であり、トランプ大統領当選後1月までの+48.7%の株価上昇の約3分の1の減価にすぎない。

[第1図]
20180211図1

長期金利は3.5%への上昇予想を維持する

米国債10年物利回りは9日時点で2.85%と、昨年末の2.4%レベルから+0.45%ポイント上昇した(上昇率は約+18%)。米長期金利上昇の背景は3点ある。まず、税制改革法成立やトランプ大統領の更なるインフラ投資表明、米財政をめぐる米議会の混乱。次に、FOMCが今後も断続的な利上げを継続するとの見通し、そして米インフレ率の上昇見通しである。財政要因はトランプダウ棟梁の政策が徐々に功を奏し始めたという政治的背景によるものである。一方、FOMCの利上げ見通しとインフレ率上昇見通しは、従前より当レポートで指摘してきた通り、米経済の需給の引き締まりによるもので、ファンダメンタルズを反映した想定内の動きといえる。チャート上の上値の目途は2013年末につけた3%レベルである。

ここで、米国債10年物利回りの要因分解をアップデートする。今回は、外生変数として「潜在成長率」「FF金利誘導目標」「長期期待インフレ率」の3つを用いる(従前は「潜在成長率」ではなく「実質GDP成長率実績」を用いていた―2017年7月2日付当レポート参照)。潜在成長率は米議会予算局(CBO)推計の潜在GDP(2018年第1四半期現在で+1.6%、[第2図])、長期期待インフレ率はフィラデルフィア連銀集計のSurvey of Professional Forecasters における長期インフレ予想を用いる(2018年1月現在で2.25%、[第3図])。1992年から2017年の四半期データに基づく回帰分析によれば、いずれの外生変数も統計的に有意であり、2018年第1四半期の長期金利推計値は約3.0%となる。これは、長期金利が現状の2.85%からさらに上昇すること、また2013年末の直近ピークである3%近辺が現在の均衡水準であることを示唆している。今後FF金利誘導目標レンジが年末に2.00-2.25%にまで引き上げられ、期待インフレ率が2.5%レベルに上昇すれば、長期金利が年末に3.5%にまで上昇する計算になる([第1表]、[第4図])。これは、1月6日付当レポートの筆者個人予想の背景でもある。

潜在成長率の低下や期待インフレ率の低下が長期金利をこれまで低位に抑制しており、更にFRBの量的緩和継続が昨年前半までの長期金利を推計値以上に押し下げてきた。しかしながら、かかる長期金利抑制要因は徐々に剥落している。CBO推計による潜在成長率は現状の+1.6%から2018年第4四半期には+1.7%に上昇するとされている。長期期待インフレ率は現状2.25%と上昇しつつも比較的低位にあるが、今後需給の引き締まりによりこれも上昇する可能性が高いとみる。

[第2図]
20180211図2

[第3図]
20180211図3

[第1表]
20180211表1

[第4図]
20180211図4

株価下落と金利上昇で個人消費は減速へ:潜在成長率は維持できる

株価下落と長期金利上昇が米経済のファンダメンタルズに与える影響はさほど重要ではない。1992年から2017年までの四半期データによる回帰分析によれば、株価と金利に対する個人消費の弾性値は0.01程度と相対的に限定的である([第2表])。NYダウが22000ドルに下落、30年物住宅ローン金利が5%に上昇(米国債10年物利回り3.5%にほぼ対応)しても、実質個人消費は+2.2%レベルの拡大ペースを維持できる計算になる(1月6日付当レポート参照)。これは2017年第4四半期の同+3.8%からは大幅な減速であるが、潜在成長率を維持するには十分な拡大ペースである。

現在の個人消費が想定以上に加速している背景には、株価上昇による一時的売却益があると憶測できる。1月21日付当レポートでみたように、個人の貯蓄率は金融危機直前の水準にまで低下している。株価上昇の機をとらえた売却益による消費が一時的に消費拡大要因となっている可能性がある。また中古住宅販売においては昨年11月に「初回購入者は低迷、現金での購入や高額の頭金による購入が増加の太宗を占めた」状況が全米不動産協協会(NAR)より報告されている。現金購入による2戸目以上の中古住宅販売の急増は、株式売却益による資産流動化による購入である可能性が高い(2017年12月24日付<経済指標コメント>参照)。

株価下落は2017年末にかけての巡航速度以上の個人消費の伸びを巡航速度に回帰させることになるだろう。しかし22000ドル台半ばまでの株価下落であれば、米経済は巡航速度以上の成長維持可能である。さらに税制改革に伴う減税効果で2018年米経済が+2%台後半の成長を実現するとの個人予想は維持する。長期金利や株価が、3.5%、22000ドルという目途を超えて上昇・下落するケースを下方リスクシナリオとして想定しておく。

[第2表]
20180211表2

米議会は裁量支出上限と債務上限を再び引き上げた

米議会は9日「2018年超党派予算法(Bipartisan Budget Act of 2018, H.R.1892)」を可決し、同法は同日大統領署名を経て成立した。同法のポイントは大きく4つある。①ハリケーン災害等に伴う緊急追加歳出許容、②連邦政府の継続的歳出の2018年3月23日までの継続による政府閉鎖回避(1月20日に始まった政府閉鎖は、22日に成立した2月8日までの短期つなぎ予算の成立でいったん解消していた)、③2011年予算管理法で定められた裁量支出の上限を2019会計年度まで引き上げ、④政府債務上限を2019年3月1日まで不適用、である([第3表])。なお、この超党派予算法の交渉にあたっては、民主党が「幼少期に親と不法入国した移民」に米国市民権を授与するDACA(Deferred Action for Childhood Arrivals)制度の維持を主張したとされる。トランプ大統領は1月30日の一般教書演説で、他の移民政策の厳格化を条件にDACAの維持を許容することを表明している。

同法の成立により政府閉鎖や米国債デフォルトのリスクは一旦回避された。しかし、裁量的歳出上限の引き上げは2015年に続くもので、米財政赤字の拡大要因となる。CBO推計によれば、同法は2018会計年度の財政赤字拡大幅は約160億ドル(名目GDPの約0.08%)、2019会計年度のそれは92億ドル(同0.04%)であり、同法による直接の財政赤字拡大への影響は大きくはない。しかしながらすでに昨年12月成立の減税法により2018会計年度の財政赤字はGDP比-0.7%拡大見込みである。今回の歳出拡大により2018会計年度の財政赤字はGDP比-4%に迫り、その場合金融危機後の大型財政出動を除けば1990年代の双子の赤字時代の水準になる。

需給の引き締まり、インフレ率の上昇、FRBの利上げ継続、そして財政赤字拡大はいずれも長期金利が年末に3.5%に向けて上昇するとの当レポート予想に整合する動向である。ここまでであれば想定の範囲内といえるものの、市場を通じた思惑の波及により金利上昇ペースや株価下落ペースが想定以上に加速するリスクには留意しておくべきであろう。

[第3表]
20180211表3


<経済指標コメント> 日本の1月景気ウォッチャー現状判断DIは49.9(前月比-4.0ポイント)

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[日本]

景気ウォッチャー調査(1月):現状判断DIは49.9(前月比-4.0ポイント)、先行き判断DIは52.4(同-0.3ポイント)

1月の景気ウォッチャー調査、3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは49.9(前月比-4.0ポイント)と2ヶ月連続の低下。家計動向・企業動向・雇用関連すべてのDIが低下し、6ヶ月ぶりに50を下回った。2~3ヶ月先の景気の先行きに対する判断DIは52.4(同-0.3ポイント)と3ヶ月連続の低下。企業動向を除く2つのDIが低下した。景気判断事由には「例年にはみられないほどの悪天候の影響で来客数が落ち込んでいる(百貨店)」「灯油価格やガソリン価格の上昇、野菜相場の高止まり、寒波による来客数の減少など、消費者のマインドは冷え切っている(スーパー)」など、寒波とエネルギー価格上昇の影響がみられる。街角景気は昨年末にかけて2014年以来の高水準でやや過熱感があった。寒波やエネルギー価格は一時要因ともいえるが、現状判断の下げ幅が大きいことは、過熱景気からの反動による街角景気の減速のリスクをも示唆していると見たい。

20180211図1

<経済レポート> 不均衡の調整:米大統領一般教書演説とFOMC

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トランプ米大統領の一般教書演説、1月FOMC定例会合という年初のイベントをこなした米金融市場では、株価の反落と長期金利上昇が顕著になっている。こうした動きは昨年までに蓄積した市場の不均衡のからの調整といえる。一方で大型減税により2018年の米経済拡大ペースは一時的に加速する見込みだ。FOMCは年内3回またはそれ以上の利上げ実施を必要とする環境ができつつある。

一般教書演説では1.5兆ドルのインフラ投資を表明

1月30日、トランプ米大統領は1年前の就任演説以来の一般教書演説を米議会で行った。同演説においてトランプ氏は、まず就任後の実績として、雇用相創出、株価上昇、減税法案の成立、及び自動車メーカーの国内工場拡大、等を挙げた。次に今後の政策として「公平で互恵的な通商関係交渉」「1.5兆ドルのインフラ投資」「移民法改革パッケージ」「テロとの戦い」「イラン核交渉の見直し」「北朝鮮への核兵器使用の可能性」などを挙げた。このうちで、具体的な数値目標を掲げた経済・財政政策は「インフラ投資」のみである。一方で特に移民法改革については多くの時間を割いて演説を行った([第1表])。

演説の内容は、1年前のトランプ氏の就任演説や従前の大統領の同演説に比べ具体的政策に欠けるものと言わざるを得ない。「最低1.5兆ドルのインフラ投資」については、従前トランプ氏が掲げていた1兆ドルから増額された金額を示した他、州・地方政府との連携、道路・橋・高速道路・鉄道・水路の建設を呼びかけた。ただし米国の公共インフラの老朽化は従前より課題とされてきたもので、トランプ氏の政策にそれほどの新味はない。また金額も総額1.5兆ドルが示されたのみで、内訳などの詳細は示されなかった。

1.5兆ドルのインフラ投資は、仮に10年間で実施されるとして1年あたり0.15兆ドル、年間名目GDPの約0.8%に相当する。しかしながら、建設に要する期間等を勘案すれば、仮に同法が成立したとしても当初の短期的な景気押し上げ効果は限定的と見ざるを得ない。また1.5兆ドルのインフラ投資は同額の財政赤字拡大を意味する。米議会予算局(CBO)の財政・経済見通し(2017年6月時点)によれば、税制改革法成立前の状況で2019会計年度に名目GDP比-3.3%への財政赤字拡大が予測されている。ここに税制改革による赤字拡大幅-1.4%(CBO試算による税制改革法の2019会計年度の財政赤字影響額)、さらにインフラ投資による赤字拡大-0.7%が加わると、2019会計年度の財政赤字は名目GDP比-5.4%に拡大する計算になる。これは、金融危機後の大型財政出動による赤字拡大を除けば、1983年以来の大きな財政赤字となる。議会共和党が本来目指している財政均衡の考え方からは、かかる大型の財政出動が容易に議会で可決されるとは考えにくい。報道によれば、トランプ大統領はインフラ投資の財源としてガソリン税引き上げを提案しているものの、共和党議員の多くはこれに反対している模様である。

[第1表]
20180206表1

外交面の厳しい姿勢は不変

移民法改革については、トランプ大統領は民主党との妥協も視野に「4つの柱」を掲げてこれを相対的に詳細に述べた。第1の柱は「幼少期に親と不法入国した移民」いわゆるDreamersにつき、教育と勤労条件を満たす善い人格であることを条件に米国市民権を授与するとするものである。この考え方は、いわゆる民主党が主張してきたDACA(Deferred Action for Childhood Arrivals)制度の維持である。トランプ氏は一時DACA制度の廃止を提言していたが、その後民主党への妥協を示している。しかしながら、第2の柱以降は本来のトランプ氏の移民に対する厳しい姿勢を示した内容となっている。第2の柱は「メキシコ国境への壁建設」、第3の柱は「無作為抽出による移民へのビザ発給方法変更(スキルや勤労意欲に基づく発給へ)」、第4の柱は「移民の親族の受け入れへの制約」とされた。

外交面ではイランに対する強硬策の他、北朝鮮との関係についてはほぼこれまでの同氏の政策を踏襲している。通商・対外援助については就任時からの「米国第一」の路線を堅持している。なお、大統領は一般教書演説で通商問題に関し北米自由貿易協定(NAFTA)については直接言及せず「公平で互恵的な通商関係交渉」をおこなうと述べるにとどめた。

総じてトランプ大統領の一般教書演説には大きなサプライズはなかったといえる。今後の新たな経済財政政策としては、1.5兆ドルのインフラ投資の実現可能性が主な注目点である。また地政学リスクについても経済に対する波乱要因であり続けると見る。

FOMCはFF金利据え置きを決定:今年はよりタカ派になろう

FRBの連邦公開市場委員会(FOMC)は、1月30-31日の定例会合でFF金利誘導目標レンジの1.25-1.50%への据置を決定した。本定例会合はイエレンFRB議長にとって任期中の最後の定例会合となった。31日に公表された声明文は、従前の文言と本質的な変化はなかった。当レポートでは年内3回またはそれ以上の利上げが決定されると予想している。次回の利上げは次回3月の定例会合で決定されると見る。

FOMCで年内3回以上の利上げが実施されると見る理由は以下の通りである。まず、過去の当レポートでもみたように、保守的にみても、テイラー・ルール公式(93年版、自然利子率=0.8%)による適正FF金利水準は現状でも2%台半ばにある([第1図])。次に、昨年末に成立した税制改革法により、2018年の米経済は同法成立以前の見通しに比べて成長ペースの加速が見込まれる。また、FRBが参照するインフレ指標である個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)の前年比伸び率は、2018年末には+1.8%とほぼFRBが目標とする2%に近い水準にまで上昇すると見込まれる。最後に、FOMC委員の多くが2018年に新たに任命され、その委員は従前に比べてタカ派色が強くなる可能性が高い。つまり、12月時点のFOMC委員予測中央値(年内3回の利上げ)以降外部及び内部の環境は変化している。おそらく2018年のFOMCは12月時点よりもタカ派色が強くなると見たい。昨年12月のFOMC定例会合の議事要旨によれば、複数の委員が「12月の委員予測よりいくぶん速い追加引き締めが適切」との考えを表明している。

イエレン議長の下でのFOMCはハト派色が強く、利上げのペースも極めて慎重なスタンスを継続した。しかしながら、現在のFOMCが抱えるリスクはむしろインフレ率の上昇や労働市場のタイト化に対するビハインド・ザ・カーブのリスクに転換していると見たい。パウエル新FRB議長は金融政策的には中立派とみられるものの、就任後の労働市場とインフレ状況を改めて点検した場合、利上げの遅れのリスクを認識する可能性はある。さらに、中期的な景気循環からは、2019年頃には景気の転換の可能性を見ておく必要がある。その前に相応の利上げを実施することで景気減速時の利下げの余地(金融政策ののりしろ)を確保しておく必要もあるだろう。

[第1図]
20180206図1

不均衡の調整が既に始まっている

米長期金利はしたがって、年内に上昇基調を維持するだろう。当レポートでは、米国債10年物利回りが2018年末に3.5%にまで上昇すると予想している。当面は、2013年末から2014年初につけた3%の高値が一つの目途となろう([第2図])。ここを上抜けると以外に3.5%には早期に達するリスクも見ておきたい。また、同時に米国債イールドカーブのフラットニングが進行している([第3図])。利上げ時期にはイールドカーブのフラットニングが起きるのが通常で、今回の現象も特段景気後退の前兆とみる必要はない。しかしながら、景気の転換がFF金利のピーク近辺で起きるのも経験則である。

1月21日付当レポートで見たように、米経済の需給ギャップは均衡から需要超過の領域に入りつつある。貯蓄率の大幅な低下に見られるように、個人消費は過熱の領域に入っている。株価収益率は(金融危機直後の外れ値を除き)2003年以来の高水準にある。長期金利の均衡水準は現状でも3%台半ばにあるにもかかわらず、FRBの量的緩和以降現在まで相当に低い水準に抑制されている。

こうした不均衡の是正が2018年の大きな米経済のテーマとなるだろう。2日のNYダウは前月比-666ドルの大幅下落となり、1週間の下落幅は1095ドルに達した。長期金利は2日現在で2.85%と、年初来+0.4%を超える上昇となっている。こうした動きは、不均衡の調整が意外に早く顕在化しているリスクを象徴しているといえる。

[第2図]
20180206図2

[第3図]
20180206図3

<経済指標コメント> 米1月非農業部門雇用者数は前月比+200千人

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[日本]

実質家計消費(12月、二人以上の世帯)は前月比-2.5%(前年比-0.1%)

12月の実質家計消費(二人以上の世帯)は前月比-2.5%(前年比-0.1%)と過去3ヶ月で2回目の前月比減少、10-12月期のそれは前期比-1.2%と2四半期連続の前期比減少となった。10-12月期のGDP統計上の実質家計消費は前期比横ばい程度を見込んでいるが、さらに下方リスクが出てきている。2017年にいったん回復に転じた家計消費は年末にかけて再び減速傾向にある。勤労世帯の実質実収入は前年比+0.4%と伸びを減速させているが、同6ヶ月移動平均は+1.8%と依然高水準にあり、家計消費が今後回復する可能性は十分にある。

20180204図1

完全失業率(12月)は2.8%(前月比+0.1%ポイント)

12月の完全失業率は2.8%(前月比+0.1%ポイント)と上昇したものの、依然1994年以来の低水準にある。筆者試算の労働力化率は60.7%(同-0.1%ポイント)と低下したが中期的な上昇基調は不変である。労働市場はタイトであり、これを労働力化率の上昇が緩和する構造は不変である。

20180204図2

鉱工業生産指数(12月)は前月比+2.7%(前年比+4.2%)

12月の鉱工業生産指数は前月比+2.7%(前年比+4.2%)と大幅上昇。出荷指数は同+2.7%、在庫指数は同-0.4%、在庫率指数は同-0.5%。出荷の増加で在庫が縮小した形。設備投資の先行指標となる資本財出荷は同+4.4%と大幅かつ3ヶ月連続の上昇で、10-12月期の同出荷は前期比+1.9%と10-12月期GDP統計上の設備投資が上ブレしてプラス成長になる可能性を示唆している。在庫指数の3ヶ月前対比の上昇幅は9月のそれを上回っており、10-12月期GDP統計において在庫投資がプラス寄与になることを示唆している。在庫循環は依然「在庫積み増し」局面にある。公表元の経済産業省は基調判断を「生産は持ち直している」に据え置いている。

20180204図3

住宅着工戸数(12月)は年率936千戸(前月比-2.7%)

12月の住宅着工戸数は年率936千戸(前月比-2.7%)と減少、10-12月累計では前期比-0.7%と2四半期連続のマイナスの伸びとなった。これまでの月次統計を総合すると、10-12月期GDP統計においては、家計消費・住宅投資が前期比マイナス、設備投資・在庫投資は同プラスの伸びになり、結果実質GDP成長率は前期比年率+1%を割り込む水準に減速したと見る。

20180204図4

[米国]

実質個人消費(12月)は前月比+0.3%、PCEデフレーターは前月比+0.1%(前年比+1.7%)、同コア前月比+0.2%(前年比+1.5%)

12月の実質個人消費は前月比+0.3%と堅調な伸び。内訳は、自動車販売の増加を反映した耐久消費財が同+0.8%、非耐久消費財が同横ばい、サービス消費同+0.3%。前月11月分も上方改訂され、結果10-12月期のGDP統計上の実質個人消費は前期比年率+3.8%と大幅な伸びとなった。個人消費は昨年末にかけて加速して成長の牽引役となった。しかしながら、循環的な雇用拡大ペース減速や、貯蓄率の低下(12月時点で2.4%と2006年以来の低水準)は、この消費拡大ペースが持続的ではないことを示唆している。2018年については税制改革の効果で消費拡大は維持できると見るが、基調の減速には留意が必要である。FRBが参照するインフレ指標である個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比前月比+0.1%(前年比+1.7%)と前年比伸び率を前月の同+1.8%からやや低下させた。食品及びエネルギーを除くコアPCEデフレーター前月比+0.2%(前年比+1.5%)と、前年比伸び率は前月並み。PCEインフレ率は需給の引き締まりを背景に上昇基調にあり、2018年末にはいずれも前年比+1.8%レベルに着地すると見る。FOMCが年内3回またはそれ以上の利上げを実施するとの当レポートの見方を支持する結果である。

20180204図5

新車販売台数(1月、乗用車及び軽トラック)は年率17.07百万台(前月比-3.8%)

1月の新車販売台数(乗用車及び軽トラック)は年率17.07百万台(前月比-3.8%)と減少。昨年9月のハリケーン特需が落ち着いたあとは、年率17百万台程度の巡航速度の販売ペースに回帰している。新車需要は2016年にいったんピークアウトののち2017年には前年比減少したが、この減速傾向は2018年も継続しそうだ。

20180204図6

雇用統計(1月):非農業部門雇用者数は前月比+200千人、失業率は4.1%

1月の雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+200千人と前月の同+160千人から増加幅が拡大、3ヶ月移動平均も同+192千人と200千人近辺を維持している(なお事業所調査は年次基準値改訂により過去にさかのぼり改訂がなされている)。業種別内訳は建設業同+36千人、製造業同+15千人、小売業同+15.4千人、専門ビジネスサービス同+23千人、教育・医療業同+38千人と主要業種で満遍なく雇用が増加している。時間当たり賃金(生産及び非監督雇用者)は前年比+2.4%と依然低めの伸びにとどまっている、家計調査による失業率は4.1%と前月比横ばい、引き続き2000年以来の低水準である。雇用市場は堅調に拡大を続けており、労働需給は依然タイトである。今後雇用拡大ペースは循環的な減速局面に入ると見るが、2018年は税制改革効果で一時的な雇用の更なる加速があろう。

20180204図7