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<経済指標コメント> 米3月消費者物価指数は前年比+2.4%

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[日本]

機械受注(2月、船舶・電力を除く民需)は前月比+2.1%(前年比+2.4%)

2月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+2.1%と2ヶ月連続の前月比増加。前年比でも+2.4%と2ヶ月連続のプラスの伸びを維持した。2月までの1-3月期同受注は前期比+4.3%と前期の同+0.3%から伸びが加速している。1-3月期には一時的に軟化が予想される設備投資も、その後は堅調な拡大への回帰が示唆されている。

20180415b図1

景気ウォッチャー調査(3月):現状判断DIは48.9(前月比+0.3ポイント)、先行き判断DIは49.6(同-1.8ポイント)

3月の景気ウォッチャー調査3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは48.9(前月比+0.3ポイント)と4ヶ月ぶりの上昇だったが、横ばいを示す50を3ヶ月連続で下回った。2~3ヶ月先の景気の先行気に対する判断DIは49.6(同-1.8ポイント)と5ヶ月連続の低下で、10ヶ月ぶりに50を下回った。景気判断理由としては「天候がすっかり春めいている。需要期の真っ最中でもあるため、新規の来客数も例年同様に好調な状態である(東北=乗用車販売店)」「米国の通商政策などにより、株価が下がることが予想され、富裕層の購買意欲が低迷する(近畿=百貨店)」「米国の保護主義的な動きにより、円高が進行したり、株価の下落が続くと、ビジネスにも影響が出てくる(東海=電気機械器具製造業)」など、株価下落、米国通商政策への懸念が先行き判断DIを押し下げていることが示唆されている。総じて街角景気は昨年末辺りをピークに下降傾向にある。株価や米通商政策の不透明性は成長率予想への下方リスク要因となりつつある。

20180415b図2

[米国]

消費者物価指数(3月)は前月比-0.1%(前年比+2.4%)、同コア指数は前月比+0.2%(前年比+2.1%)

3月の消費者物価指数(CPI)は前月比-0.1%(前年比+2.4%)、食品及びエネルギーを除く同コア指数は前月比+0.2%(前年比+2.1%)と、いずれも前年比伸び率を加速させた。昨年3月の携帯電話料金値下げ要因が剥落し、同品目の前年比伸び率が-2.4%と、前月の同-9.4%から大幅にマイナス幅が縮小したことが全体を押し上げている。前月比ではガソリン(前月比-4.7%)価格低下が指数を押し下げたが、医療サービス(同+0.5%)などの上昇がコアCPIを押し上げた。携帯電話料金要因による3月CPIインフレ率上昇は想定通りであり、今後もCPIインフレ率は前年比+2%を超えて推移、年末はやや軟化して総合、コアともに前年比+2%程度に着地すると見る。需給の引き締まりでインフレ圧力は着実に高まっているといえる。FOMCが年内3回以上の利上げを決定するとの個人予想を支持する内容である。

20180415b図3



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<経済レポート> インフレ圧力さらに:米経済定点観測

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米経済指標は個人消費を中心に1-3月期にやや軟化している。しかしながら減税効果が今後顕在化することで成長は今後加速しよう。インフレ率は一時要因の剥落もあり今後2%のFRB目標に近いところで推移すると見る。結果米経済が2018年に前年比+2.8%の成長を実現するとの個人予想を維持する。またFOMCは成長とインフレ率見通しの高まりにより、年内に3回以上の利上げを決定すると引き続き予想する。

米経済は需要超過へ

米経済は2017年に前年比+2.3%の成長を実現した。2018年は、昨年末に成立した大型減税(「2018年減税及び雇用法」)が実質GDPを約+0.5%押し上げ、今年の成長率は同+2.8%となると見ている([第1図])。今年に入ってからの経済指標は個人消費を中心に必ずしも芳しくはない。しかし年央から徐々に減税効果が顕在化して上記の成長率は達成可能と引き続き見る。一方で米経済は中期循環的な減速局面に入っている。減税効果を除くベースラインの成長率は前年と横ばい程度であり、減税効果が剥落する2019年からは米経済は転換点に入るリスクがあるとの見方も不変である。

まず、米経済の現在の立ち位置を確認しておく。米議会予算局(CBO)が4月に公表した「財政・経済見通し 2018-2028年」では米国の潜在GDPは前回2017年6月推計値よりも上方改訂された。結果、CBO推計米潜在GDPに基づく2017年10-12月期時点の需給ギャップは-0.3%と、依然マイナスの需給ギャップが残っているとの結果になった(これまで当レポートでは2017年6月推計値に基づき同期の需給ギャップを+0.5%と2四半期連続の需要超過と試算していた)。しかしながら、今後2018年に減税効果で前年比+2.8%の成長が実現すると、2018年末のプラスの需給ギャップは需要超過に転じ+0.5%となる見込みである([第2図])。したがって今年の米経済が均衡から過熱方向への進行が進むことを意味していることには変わりない。米経済は基本的にはタイトな需給のもと拡大ペースを加速し、結果インフレ圧力が高まる状況にあるといえる。

過去の経験則からは、米経済が需要超過にあった期間は総じて短期間である。経済が需要超過になるとまもなく景気サイクルの転換点が訪れ景気後退に入っていた。90年代以降のプラスの需給ギャップの最大値は、いわゆるITバブル期の2000年4-6月期の+1.7%である。金融危機前のプラスの需給ギャップのピークは2006年1-3月期の+0.3%であった。2018年末の米経済は既に、金融危機直前期を超える需要超過になる計算になる。一方で、現在の米経済に大幅な不均衡は見えにくい。株価はバリュエーション的に実態上ITバブル期以来の高水準の株価収益率(PE)にまで買い進まれていること、また米連邦政府財政赤字の拡大はあえて言うならば不均衡といえよう。CBO「見通し」によれば2018会計年度の財政赤字はGDP比-4.0%、2019会計年度のそれは同-4.6%に拡大の見込みである。これは金融危機後の巨額財政出動時を除くと、90年代の双子の赤字時代以来の高水準である([第1表])。しかし、ITバブルや住宅バブル比その程度は相対的に低いと見たい。結果、次回の景気サイクル転換による景気後退は浅いものにとどまると見ておく。

[第1図]
20180415図1

[第2図]
20180415図2

[第1表]
20180415表1

個人消費は一時軟化するも減税効果で今後拡大へ

以下では、2018年に入ってからの経済指標をもとに、今年の経済成長個人予想を点検していく。まず個人消費は、年初から想定外の減速が目立つ。実質個人消費は1月に前月比-0.2%、2月に同横ばいと不振だった。自動車販売が飽和状態から減速しているうえに、自動車及び同部品を除く小売売上高も、昨年12月、今年1月と連続して前月比マイナスの伸びののち3月にようやくプラスに転じた。仮に3月の実質個人消費が前月比+0.2%に回復したとしても、1-3月期のGDP統計上の実質個人消費は前期比年率+0.9%程度にとどまる計算になる。

2月以降の株価反落も個人消費の押し下げ要因になりうる。株価と個人消費の相関関係は年々低下しているが、昨年末にかけての好調な個人消費は株式等売却に伴う消費(あるいは自動車・住宅購入)が押し上げていた可能性があるからだ。従前は1-3月期の実質個人消費を同+2%台前半とみていたが、2月までの個人消費実績に鑑みこれを同+1.0%に下方修正する([第3図])。

もっとも、個人消費をめぐる短期的な環境は悪くはない。雇用と賃金の増加に加えてインフレ率の安定で、個人の実質可処分所得の伸び率は昨年後半から上昇に転じている([第4図])。可処分所得の増加と消費の減速で、1-2月の個人貯蓄率はやや上昇した。つまり、個人消費は減速しているものの所得はほぼこれに追いつく形で拡大に転じており、また消費を減らした分は貯蓄として個人の手元に残っていることになる。個人所得税減税による可処分所得拡大への期待も個人消費の底支え要因となりそうだ。ミシガン大学調査による消費者センチメント指数は101.5ポイントと、2004年以来の高水準に上昇している。年後半にかけて、個人消費は再び+2%台の伸びに回復すると見たい。

[第3図]
20180415図3

[第4図]
20180415図4

企業の設備投資意欲は高い

設備投資については、2018年通年で前年比+6%台の堅調な拡大を引続き予想する。直近の統計によれば、GDP統計上の設備投資(機器投資)の先行指標となる非国防資本財出荷(除く航空機)は2月までで前期比+5.6%とプラスを維持している。企業景況観も好調である。フィラデルフィア連銀製造業景況感指数は3月時点で+22.3ポイントと短期的には軟化しているものの、2014年以来の高水準を維持している。同指数調査における設備投資DI(先行き)は実に80年代前半以来の高水準にあり、企業の設備投資意欲が極めて高いことを示唆している([第5図])。

一方で、2018年減税法により、企業設備投資の源泉となるネットキャッシュフローは2017年に一時的に大幅縮小していることには留意が必要である。同法により、企業の海外現地法人からの配当金への課税が将来にわたり廃止された一方で、1986年から現在までの海外収益蓄積に対し一時課税が実施された。この影響により、2017年10-12月期の企業ネットキャッシュフローは従前比約半分に落ち込んだ([第6図])。むろん2018年にはこの一時要因は解消し、かつ法人税減税効果でネットキャッシュフロー従前以上の水準に回復すれば、再び設備投資は堅調な拡大に回帰すると見る。

在庫循環は「在庫積み上げ」局面にあり、今後も在庫積み上げが成長にプラス寄与することを示唆している([第7図])。特に1月企業在庫統計によれば、企業在庫は2ヶ月連続で前月比+0.6%の大幅な増加となっている。1-3月期には、個人消費と設備投資の伸びの下ブレが在庫増加でカバーされて、従前筆者個人予想に近い成長率が維持できると見たい。

[第5図]
20180415図5

[第6図]
20180415図6

[第7図]
20180415図7

トランプ政権通商政策の影響は不確実

純輸出の成長への寄与度は、トランプ政権の通商政策如何で変動の可能性がある。輸出入ともに経済拡大に伴い増加を続けているトレンドからは、今後も財・サービス収支の赤字拡大が成長の押し下げ要因になると基本的には見ておきたい([第8図])。

一方で、トランプ政権は3月8日、通商拡大法232条に基づき鉄鋼製品・アルミニウムに対する輸入関税の引き上げを決定した。3月22日ホワイトハウスは、同輸入制限が3月23日から効力を発すること、また7ヶ国・地域(アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナダ、メキシコ、EU、韓国)を5月1日までその適用対象外とすることを公表した。さらにトランプ政権は4月5日、通商法301条に基づく中国製品への輸入制限発動の検討を公表した。中国はこれに対し報復措置を検討しているとされる。

輸入制限政策は、一時的に米国の輸入を縮小させて貿易赤字の縮小と成長へのマイナス寄与縮小をもたらす一方で、相手国からの報復措置は米国の輸出の抑制要因となる。ここではかかる通商政策の影響の不確実性から、従前の予想を維持して純輸出が2018年一杯は成長にマイナス寄与すると見ておく。

[第8図]
20180415図8

インフレ率は2%に上昇、年内利上げは3回以上とみる

雇用市場は依然需要超過の状態がつづいている。失業率は3月時点で4.1%と、CBO推計の自然失業率4.6%を大幅に下回っている。非農業部門雇用者数は3月に前月比+103千人と大幅減速したが、雇用市場の拡大基調は不変とみたい。時間当たり賃金(生産及び非監督雇用者)の前年比伸び率は3月時点で+2.4%と失業率低下に比して依然伸び悩んでいる。しかし労働市場需給のタイト化は今後賃金にも上昇圧力をもたらすと見ておきたい。

インフレ率は今後FRBの目標値である前年比+2%前後で推移すると見る。3月消費者物価指数は、昨年3月の携帯電話料金値下げの影響が剥落して、総合指数が前年比+2.4%と、前月の同+2.2%から大幅に伸びが拡大した。FRBが参照するインフレ指標である個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は、2018年中に一時的に前年比+2%を超える水準にまで上昇してその後年末に同+2%に着地すると筆者個人は見ている。需給ギャップと期待インフレ率を外生変数とする推計式によれば、2017年10-12月期時時点のコアPCEデフレーターの前年比伸び率は+1.8%と推計される。同時期のコアPCEデフレーター実績値は同+1.5%程度であり、現在のインフレ率は推計値よりもかなり低い水準にあることがわかる([第9図])。今後インフレ率が均衡値に向けて上昇傾向を保ち、2018年末には+2%の水準に安定すると引き続き見ておく。

FRBの金融政策については、FOMCが年内に(3月実施済の利上げを含め)3回以上の利上げを決定するとの個人予想を維持する(3月25日付当レポート参照)。11日に公表された3月FOMC議事要旨によれば、多数の(a number of)参加者が「経済活動見通しの強まりとインフレ率が中期的に2%に回帰するとの確信の高まりは、今後数年のFF金利の適切な行程が従前期待していたよりも急(steeper)になることを示唆している」と述べている。昨年末の「減税及び雇用法」の成立と、インフレ率の3月以降の上昇は、今後のFOMCをしてよりタカ派にシフトさせる要因となるだろう。

[第9図]
20180415図9


<訂正>4月16日「トランプ政権通商政策の影響は不確実」の通商拡大法232条に関する記述を修正しました。