<経済指標コメント> 日本の1―3月期実質GDP成長率(1次速報値)は前期比年率-0.6%

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[日本]

実質GDP成長率(1-3月期、1次速報値)は前期比年率-0.6%

1-3月期の実質GDP成長率(1次速報値)は前期比年率-0.6%と、9四半期ぶりのマイナス成長に転化した。需要項目別内訳は家計消費同-0.1%、設備投資同-0.3%、住宅投資同-8.2%、公的需要同横ばい、在庫投資寄与度同-0.6%、純輸出寄与度同+0.2%と、内需項目が軒並みマイナス成長となった。家計消費・設備投資・住宅投資を合わせた国内最終民間需要も同-0.5%と、2四半期ぶりのマイナスとなった。単四半期の数字としては失望感のある結果となった。このペースだと2018暦年の成長率は前年比+1%を割り込む計算になる。しかし、堅調に拡大する雇用動向に著変は見られず、設備投資の先行指標となる機械受注もまず堅調である。今後成長は再び加速して潜在成長率をやや上回るペースに回帰すると見ておきたい。

20180519図1

機械受注(3月、船舶・電力を除く民需)は前月比-3.9%(前年比-2.4%)

3月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比-3.9%(前年比-2.4%)と3ヶ月ぶりの前月比減少。しかし1-3月期の同受注は前期比+3.3%と前期の同+0.3%から加速している。1-3月期GDP統計上でマイナス成長になった設備投資も、4-6月期には回復が見込まれる。

20180519図2

全国消費者物価指数(4月、生鮮食品を除く総合)は前月比-0.1%(前年比+0.7%)

4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、いわゆるコアCPI)は前月比-0.1%と2ヶ月連続の前月比低下、前年比でも+0.7%と2月の同+1.0%をピークに2ヶ月連続で伸び率を低下させた。食品及びエネルギーを除く総合指数(いわゆるコアコアCPI)は前月比-0.1%(前年比+0.4%)とこれも低下した。品目別には、エネルギーや携帯電話機の低下が前月比の指数低下に寄与している。しかしながら筆者試算では今後年後半にかけてコアCPI前年比伸び率は+1.0%レベルに回帰する見通しである。原油価格が5月に入り上昇していることもコアCPIインフレ率の押し上げ要因となろう。需給タイト化でインフレ圧力が高まっているとの見方は維持する。

20180519図3

[米国]

企業在庫(3月)は前月比横ばい、企業売上高は同+0.5%、在庫売上高比率は1.34倍

3月の企業在庫は前月比横ばい、企業売上高は同+0.5%。結果在庫売上高比率は1.34倍と低下した。しかし在庫循環図は依然在庫積み上げ局面にあり、今後も企業在庫は成長にプラス寄与すると見たい。

20180519図4

小売売上高(4月)は前月比+0.3%、除く自動車関連同+0.3%

4月の小売売上高(4月)は前月比+0.3%と2ヶ月連続のプラスの伸び、前月分も上方改訂されて同+0.8%となった。除く自動車関連の売上も同+0.3%と堅調。業種別には、自動車及び同部品ディーラーが同+0.1%、建設資材店同+0.4%、ガソリンスタンド同+0.8%、衣服店同+1.4%などが売上を増やした。昨年末から2月にかけての一時的な軟化後、個人消費は再び堅調に拡大している。4-6月期のGDP統計上の実質個人消費は1-3月期の前期比年率+1.1%から再び同+2%台に加速すると見る。

20180519図5

住宅着工戸数(4月)は年率1287千戸(前月比-3.7%)、着工許可件数は同1352千戸(同-1.8%)

4月の住宅着工戸数は年率1287千戸(前月比-3.7%)と減少した。しかし6ヶ月移動平均は同1293.3千戸(同+0.3%)と上向きであり、住宅着工はやや減速しながらも堅調といえる。住宅着工許可件数は同1352千戸(同-1.8%)とこれも減少したが上昇基調は保っている。需給のタイト化で引き続き住宅への需要は強いとみたい。

20180519図6


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<経済指標コメント> 米4月消費者物価指数は前年比+2.5%

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[日本]

実質家計消費支出(3月、二人以上の世帯)は前月比-0.1%(前年比-0.2%)

3月の家計調査、実質家計消費支出(二人以上の世帯)は前月比-0.1%と2ヶ月連続の減少。ただし1月の大幅増加により1-3月期の同支出は前期比+1.1%と3四半期ぶりの増加となった。3月の実質総消費動向指数は前期比+0.1%とプラスの伸びに転化、1-3月期の同指数も前期比+0.5%とプラスの伸びに転じた。1-3月期GDP統計上の実質家計消費はわずかにプラスの伸びを見込みたい。

20180513図1

景気ウォッチャー調査(4月):現状判断DIは49.0(前月比+0.1ポイント)、先行き判断DIは50.1(同+0.5ポイント)

4月の景気ウォッチャー調査、3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは49.0(前月比+0.1ポイント)、2~3ヶ月先の景気の先行きに対する判断DIは50.1(同+0.5ポイント)といずれも上昇した。景気判断理由としては「好天に恵まれ、来園者数、飲食物販売の増加につながっている(北関東=テーマパーク)」「富裕層の購買意欲は依然として高く、現状の株価推移が継続すれば、今後も景気向上が期待できる(南関東=百貨店)」「春闘でかなり賃金値上げが実施されており、夏頃にはボーナスの値上げと併せて個人消費が回復してくる(九州=スーパー)」など、天候要因、株価反発、賃上げなど、家計消費中心にの好材料がそろった形。トランプ大統領の外交・通商政策の不透明感にも関わらず、天候の回復、株価上昇、円安などで街角景気は一旦底入れ感がある。

20180513図2

[米国]

消費者物価指数(4月)は前月比+0.2%(前年比+2.5%)、同コア指数前月比+0.1%(前年比+2.1%)

4月の消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%(前年比+2.5%)、食品及びエネルギーを除く同コア指数は前月比+0.1%(前年比+2.1%)と、いずれも前月比上昇、前年比の伸び率を高めた。前月比では原油価格上昇を反映してガソリン(前月比+3.0%)価格が全体を押し上げた。コアCPIの構成費目では、家賃等(同+0.3%)が引き続きインフレ率を押し上げている。総じて米国のインフレにはエネルギー価格上昇も手伝って上昇圧力が高まっているといえる。FRBが年内合計3回以上の利上げを決定するとの見方を支持する結果である。

20180513図3


<経済レポート> インフレ認識引き上げ:5月FOMC

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FOMCは5月の定例会合でFF金利誘導目標を据え置いた。しかし声明文では、インフレ率が目標とする2%に接近し今後も2%近辺で推移する見通しを明言した。インフレ指標や実体経済指標もこの見通しを支持している。FOMCが年内に合計3回以上の利上げを決定するとの個人予想を維持する。

金融政策据え置き:「インフレ率は2%近辺で推移と予想」

FRBの連邦公開市場委員会(FOMC)は5月1-2日の定例会合で、FF金利誘導目標レンジを1.50-1.75%に据え置くことを決定した。しかし公表された声明文の内容は、インフレ率がFRB目標に接近したことを判断するタカ派的内容であった。本レポートでは、5月FOMC声明文の内容と実体経済指標をもとに、今後のFOMC金融政策を占っていく。

5月定例会合後のFOMC声明文は、前回3月定例会合のそれと比して(FF金利誘導目標据え置き決定の箇所を除き)、大きな違いは1点のみである。すなわち、インフレ率がFRBの2%目標に接近し今後もその近辺で推移するとの予想が明記されたことである。まず基調判断のパラグラフでは、12ヶ月の総合インフレ率と食品及びエネルギー価格を除く指標はともに「2%に近づいた」とされ、従前の「委員会の2%目標を下回って推移している」から判断が上方修正された。経済見通しのパラグラフでは、インフレ率は「中期的には委員会の対称的な2%目標近辺で推移するだろうと予想している」とされ、従前の「ここ数ヶ月で上昇し、中期的には委員会の2%目標付近で安定するだろうと予想している」からこれも表現が上方修正された(末尾[第2表])。

これらのFOMC判断と見通しは、今後FOMCが漸進的な利上げを継続することを示唆するものである。またこのインフレ見通しは、3月時点でのFOMC委員四半期経済予測におけるインフレ率に係る予測中央値とも整合している。

実体経済指標もインフレ率の2%維持を支持している

実際の経済指標からインフレ率の状況を見る。FRBが参照するインフレ指標である個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は、3月時点で前年比+2.0%と、2月の同+1.7%から大幅上昇し、2012年2月以来約6年ぶりに2%台を回復した。昨年3月の携帯電話料金引き下げ要因の剥落が主因で、消費者物価指数同様に少なくとも表面上はインフレ率が急上昇した形だ。食品及びエネルギーを除くコアPCEデフレーターは、前年比+1.9%とこちらも上昇が加速して前年比上昇率が2%に近づいた。

今後PCEデフレーターが前月比+0.15%程度の上昇を継続すると、2018年内に総合指数は一時前年比+2%を上回り、年末には同+2%レベルに着地する計算になる。コアPCEデフレーターは前年比伸び率を徐々に高め、これも年末に同+2%に着地する計算になる([第1図])。ここからは、すでにFRBのインフレ目標が上下対称的に維持される見通しが立っていることになる。

消費者の期待インフレ率の状況もこれを支持している。ミシガン大学消費者センチメント調査による期待インフレ率は、特に今後12ヶ月の短期期待インフレ率がここ1年強の間上昇基調にある。長期的な5年間の期待インフレ率は概ね横ばいで安定している([第2図])。また、時間当たり賃金上昇率もようやく上昇の兆しが見えてきている。時間当たり賃金上昇率は失業率低下にも拘わらず伸び悩んできたが、直近の4月雇用統計によれば、時間当たり賃金(生産及び非監督雇用者、季節調整済)の伸びは前年比+2.6%と、失業率低下に遅行してようやく上昇基調に転じてきている([第3図])

[第1図]
20180506図1

[第2図]
20180506図2

[第3図]
20180506図3

需要超過に転じればインフレ上方リスクも

実体経済も順調に拡大している。1-3月期の実質GDP成長率(速報値)は前期比年率+2.3%と、潜在成長率(米議会予算局推計によれば2018年時点で約+2%)を上回った。議会予算局推計の潜在GDPをもとに計算した需給ギャップは-0.1%と、ほぼ需給均衡状態になった。今後年内2%を超える成長が続いた場合、米経済は年末までには需要超過状態になることになる。

需給ギャップとコアPCEデフレーターの関係を示すシンプルな回帰式によれば、需給均衡(需給ギャップゼロ)に対応するコアPCEインフレ率は丁度+2%と推計される([第4図])。現在の米経済の立ち位置からは2%インフレ率が均衡水準であることになる。言い換えれば、今後成長が+2%台で推移した場合、インフレ率が+2%をこえて上昇する上方リスクが出てくることになる。FOMCの「対称的な(symmetric)」インフレ目標に照らせば、場合によっては利上げを加速する必要が出てくる可能性がある。

3月及び5月のFOMC声明文で「軟化した」と判断された個人消費も、3月に大幅に回復した。3月実質個人消費は前月比+0.4%と、1、2月の連続マイナス成長からようやくプラスに転じた。所得税減税の効果が本格的に顕在化すれば今年いっぱいの個人消費は+2%レベルの成長は可能である。なお、実質時間当たり賃金、週平均労働時間、非農業部門雇用者数の伸びから集計した個人の実質購買力は、3月時点で前年比+2.1%となっている([第5図])。インフレ率の上昇にかかわらず、雇用の堅調な伸びと、最近では週平均労働時間が増加傾向にあることで、雇用者の購買力は2%成長を可能にする十分な伸びを確保している。

[第4図]
20180506図4

[第5図]
20180506図5

年内合計3回以上の利上げ予想を維持する

以上から、FOMCが(3月定例会合で決定した利上げを含め)年内合計3回以上の利上げを決定するとの個人予想を維持する。次回6月定例会合と、今年最後の12月定例会合での利上げを見込むほか、総合インフレ率が見通し通り2%を上回った場合、中間選挙前となる9月定例会合でも利上げが決定される可能性がある([第1表])。年内合計3回の場合年末のFF金利誘導目標は2.00-2.25%、4回の場合は2.25-2.50%となる。

テイラー・ルール公式によれば、2018年末の適正FF金利水準は3%超と推計される(3月25日付当レポート参照)。したがって、年内4回の利上げでもなお金融政策スタンスは緩和的といえる。パウエルFRB議長は就任直後の議会宛半期金融政策報告で「金融政策ルールは有用」である旨証言しており、同報告書にも複数の金融政策ルールによる適正FF金利推計結果を掲載している。テイラー・ルール(議会宛半期金融政策報告書にいうところの“1993年版”)はその中でも高めの3%水準のFF金利を推計する結果になっている。パウエル議長がテイラー・ルールを重視するならば、今後利上げペースは加速方向にシフトする可能性もある。

上記予想に対する下方リスクは、トランプ政権の通商政策等が米経済やグローバル経済の下押し要因となって成長が鈍化、あるいは更なる株安が景況観を悪化させるケース。また、米国の利上げが新興国からの資金流出を招いて新興国通貨安による金融不安をもたらすケースである。実際に5月にかけてブラジルやメキシコ通貨が対ドルで下落する傾向にあった。5月初にはアルゼンチン通貨が大幅下落している。中南米通貨安の背景は、トランプ政権の通商政策(メキシコはNAFTA交渉相手国、ブラジルは鉄鋼・アルミ輸入制限の交渉相手国)と、米金利上昇との双方の側面が考えられる。ファンダメンタルズ的には堅調なグローバル経済だが、金融市場の混乱はこの基調に冷や水を浴びせる要因になるリスクがある。

[第1表]
20180506表1

[第2表]
20180506表2

<経済指標コメント> 米4月非農業部門雇用者数は前月比+164千人

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[米国]

実質個人消費(3月)は前月比+0.4%、PCEデフレーターは前月比横ばい(前年比+2.0%)、同コア前月比+0.2%(前年比+1.9%)

3月の実質個人消費は前月比+0.4%と強めの伸び。2月まで2ヶ月連続の同マイナスの伸びからようやく回復がみられた。内訳は、新車販売増加を反映した耐久財消費が同+1.1%、小売売上増加を反映して非耐久消費財消費が同+0.3%、サービス消費が同+0.3%と押しなべて消費が増加した。結果1-3月期GDP統計上の実質個人消費は前期比年率+1.1%となった。今後個人消費が巡航速度の拡大を続ければ7-9月期には再び+2%台成長への回帰が可能である。なお貯蓄率(名目可処分所得に対する家計貯蓄の割合)は3.1%と、12月末の2.4%のボトムから3ヶ月連続となる3%台に上昇している。FRBが参照するインフレ指標である個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比横ばい、前年比では+2.0%と前月の同+1.7%から大幅上昇し、2012年2月以来約6年ぶりに2%台を回復した。昨年3月の携帯電話料金引き下げ要因の剥落が主因で、消費者物価指数同様の動きである。食品及びエネルギーを除く同コア指数は前月比+0.2%(前年比+1.9%)とこちらも上昇して前年比上昇率が2%に近づいた。米経済の需給の引き締まりでインフレ圧力が高まっていることを示唆する結果である。FOMCが年内合計3回以上の利上げを決定するとの個人予想を支持する結果でもある。

20180505図1

新車販売台数(4月、乗用車及び軽トラック)は年率17.07百万台(前月比-1.7%、前年比+0.6%)

4月の新車販売台数(乗用車及び軽トラック)は年率17.07百万台(前月比-1.7%、前年比+0.6%)と今年に入り同17百万台台で推移している。自動車販売は1年前にピークアウト感がありベースラインは減速を見込むが、所得税減税効果により今年1年は堅調に推移すると見たい。

20180505図2

雇用統計(4月):非農業部門雇用者数は前月比+164千人、失業率は3.9%

4月の雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+164千人と、上方改訂された前月3月の同+135千人からやや回復した。3ヶ月移動平均は同+208千人と、低下しつつも同+200千人台を維持した。業種別内訳をみると、小売業が同+1.8千人増と不振だったものの、製造業同+17千人、専門ビジネスサービス業同+54千人、教育医療業同+34千人など主要業種は雇用を拡大した。建設業は同+17千人前月の同-10千人減少から増加に転じた。3月の雇用拡大ペース縮小は2月急増の反動や天候など一時要因だったといえる。時間当たり賃金(生産及び非監督雇用者、季節調整済)は前年比+2.6%と昨年10月の同+2.2%をボトムに漸く上昇加速の兆しがみられる。週平均労働時間(同上)も33.8時間とここ数年のレンジの上限にある。家計調査による失業率は3.9%(前月比-0.1%ポイント)と、2000年12月以来の4%割れとなった。もっとも内訳をみると労働力人口の前月比減少が失業率低下に寄与しており、労働参加率は62.8%(同-0.1%)と低下した。総じて雇用市場は3月の一時的減速から回復し今後も堅調に拡大すると見る。労働市場需給は更にタイト感を増しており、賃金及び物価の上昇圧力となると見る。

20180505図3