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<経済指標コメント> 米9月非農業部門雇用者数は前月比+142千人

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[日本]

鉱工業生産指数(8月)は前月比-0.5%

8月の鉱工業生産指数は前月比-0.5%と前月の同-0.8%につづき2ヶ月連続の低下。出荷指数も同-0.5%と前月の同-0.4%に続き2ヶ月連続低下した。在庫指数は同+0.4%、在庫率指数は同+6.1%といずれも反発した。生産指数、出荷指数の3ヶ月移動平均は4月以降5ヶ月連続で低下しており、鉱工業生産が低下基調にあることを示唆している。一方で在庫率指数は急上昇かつ高水準にあり、在庫の積み上がり継続していることを示唆している。在庫循環図は「意図せざる在庫増」から「在庫調整」局面への移行期を指しており、今後も鉱工業は在庫調整が継続する可能性が高い。公表元の経済産業省は鉱工業生産の基調判断を「弱含み」とし、前月までの「一進一退」から下方修正した。なお、企業設備投資の先行指標となる資本財出荷指数は前月比-0.7%と前月の同+2.2%から反落。しかし8月までの7-9月期同指数は前期比+0.3%と前月のマイナスからわずかに上昇に転じており、4-6月期にマイナス成長に終わったGDP統計上の企業設備投資が7-9月期にやや持ち直す可能性を示唆している。

20151003図1

住宅着工戸数(8月)は年率931千戸(前月比+1.8%)

8月の住宅着工戸数は年率931千戸(前月比+1.8%)と前月7月の一時要因による大幅減(6月の分譲住宅着工の大幅増加)から持ち直した。総じて住宅着工戸数は、消費税率引上げ後の大幅な反動減から回復したとは言えないものの、堅調な増加基調をたどっている。8月までの7-9月期住宅着工戸数は前期の大幅増からの反動で前期比-3.1%とマイナス成長圏にあるが、過去の着工積み上げ分の統計計上で7-9月期のGDP統計上の住宅投資は引き続きプラス成長が続く可能性が高いと見る。

20151003図2

日銀短観(9月調査):大企業製造業業況判断DIは12ポイント(6月調査比-3ポイント)

日銀短観(6月調査)、大企業製造業の業況判断DIは12ポイント(6月調査比-3ポイント)と3四半期ぶりに低下に転じた。大企業非製造業の業況判断DIは25ポイント(同+2ポイント)と4四半期連続の上昇。製造業の景況感悪化は8月の世界同時株安を契機とした世界経済減速懸念の反映と見ることもできる。しかし製造業・非製造業ともに景況感の水準はまだ高い。

20151003図3

実質家計消費支出(8月、2人以上の世帯)は前月比+2.5%(前年比+2.9%)

8月の実質家計消費支出(2人以上の世帯)は前月比+2.5%と2ヶ月連続の増加、前年比でも+2.9%と3ヶ月ぶりのプラス成長に回帰した。しかし実質家計消費支出の水準は消費税率引上げ前の2013年の水準にも回復しておらず、また前年比のプラス転化も昨年の反動減継続時期との比較であり、家計消費はまだ低迷しているといってよい。8月までの7-9月期実質家計消費支出は前期比+0.6%と前期の同-3.2%の大幅減からやや持ち直しているものの、4-6月期の落ち込みを回復するには至っていない。なお、内閣府の消費総合指数は7月までで前期比ほぼ横ばいで、7-9月期GDP統計上の家計消費は前期比わずかなプラス成長への回復にとどまる可能性が高い。

20151003図4

完全失業率(8月)は3.4%(前月比+0.1%)

8月の完全失業率は3.4%(前月比+0.1%)とわずかに上昇したが、引き続き1997年並の低水準にある。就業者数は前年比+0.3%と増加を継続、労働力人口は同+0.1%とここ数ヶ月はほぼ横ばいの動きが続いている。結果労働参加率は59.6%とやや伸び悩んでいる。労働市場は依然需給がタイトな状況にあると見る。

20151003図5

[米国]

実質個人消費(8月)は前月比+0.4%、個人消費支出価格指数は前年比+0.3%、同コア指数は同+1.3%

8月の実質個人消費は前月比+0.4%と力強い伸び。内訳は自動車販売の増加を反映した耐久財消費が同+1.2%、非耐久消費財消費が同+0.6%、サービス消費が同+0.3%と押しなべて強い伸びとなった。過去分も上方改訂され、結果4-6月期のGDP統計(確報値)上の実質個人消費は前期比年率+3.6%に上方改訂されている。7-9月期も、実質個人消費は筆者予想である同+3%を上回るペースに加速している。個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比横ばい、前年比の伸び率も+0.3%と引続き低位にある。しかしながら、食品及びエネルギーを除くコアPCEデフレーターは前月比+0.1%と堅調な伸び、前年比伸び率も+1.3%と相対的に高水準にあり、伸び率も前月の同+1.2%から加速した。総じて雇用拡大を背景に個人消費は力強く筆者個人予想を上回るペース、PCEインフレ率もコアPCEベースでは堅調に上昇しているといえる。

20151003図9

ISM製造業指数(9月)は50.2%(前月比-0.9%ポイント)

9月のISM製造業指数は50.2%(前月比-0.9%ポイント)と3ヶ月連続の低下、2013年5月以来の低水準となり、景気判断の分かれ目となる50%に接近した(直近の直前で同指数が50%を下回ったのは2012年11月)。総合DIを構成する5つのDIの内訳は新規受注50.1%(前月比-1.6%ポイント)、生産51.8%(同-1.8)、雇用50.5%(同-0.7)、入荷遅延50.2%(同-0.5)、在庫48.5%(同横ばい)と在庫を除く4つのDIが前月比低下。先行性のある新規受注DIの2ヶ月連続の低下が目立つほか、一致指標である生産も2ヶ月連続、また雇用指数は3ヶ月連続で低下している。ISM指数の低下は昨年の原油価格下落とドル高開始とほぼ同時に低下に転じており、これが資源価格と外需に依存する製造業景況感に影響を与えていると見る。調査先の回答には「原油とガス価格低下が収益に悪影響(石油・石炭産業)」「ドル高が価格設定に影響(コンピューター産業)」などがみられる。「中国懸念が需要者の信頼感に悪影響を与えている(金属製品工業)」と、中国経済減速の影響もみられる。8月の同時株安の直接の影響は見られないものの、来月以降の同指標には注目したい。企業景況感の悪化はISM、フィラデルフィア連銀、NY連銀指数に共通した動きで、米企業部門特に外需に依存する製造業への影響は相応にありそうだ。

20151003図6

新車販売台数(8月、乗用車及び軽トラック)は年率18.2百万台(前月比+0.3%)

8月の新車販売台数(乗用車及び軽トラック)は年率18.2百万台(前月比+0.3%)と、実に2005年7月以来の水準に増加した。報道によればレーバーデー(9月7日)の販売増が全体を押し上げたとのこと。低ガソリン価格、低金利、そして自動車ローンの信用条件緩和が自動車販売を引き続き押し上げている継続的要因とみられる。自動車販売は引き続き好調であるが、年率17百万台を超える販売は経験則的にはやや過熱感があり、今後の金利上昇の可能性を勘案すると増加ペースは減速していかざるを得ないと見る。

20151003図7

雇用統計(9月):非農業部門雇用者数は前月比+142千人、失業率は5.1%(前月比横ばい)

9月の雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+142千人の増加にとどまった。8月分も同+136千人に大幅下方改訂され(速報は同+173千人)、結果非農業部門雇用者数前月比増加幅の3ヶ月移動平均は同+167千人と4ヶ月ぶりに200千人を割り込んだ。業種別では、鉱業(同-12千人)、製造業(同-9千人)の雇用が減少したほか、専門ビジネスサービス(同+31千人)、教育・医療業(同+29千人)といった雇用増の中心業種の増加ペースが低下した。一方で小売業(同+23.7千人)は相対的には堅調な雇用増が続いている。時間当たり賃金(生産及び非監督労働者)は前年比+1.9%と4ヶ月連続横ばいの伸びで、まだ賃金上昇の加速は見られない。原油価格低下の影響を受ける鉱業や、外需の影響を受ける製造業の雇用減の背景は明らかであるが、教育・医療関連の減速は一時要因である可能性もある。一方で景気敏感業種である専門ビジネスサービス業の減速が今後も継続するかに注目したい。家計調査による失業率は5.1%と前月比横ばいで、FOMC委員の経済予測による長期均衡失業率(9月時点予測で4.9%)に近い低水準にある。もっとも内訳をみると、労働力人口、就業者数のいずれもが前月比減少しており、労働参加率は62.4%と90年代以降の最低水準を更新した。イエレンFRB議長が引用する労働市場ののりしろを表す指標としては、経済的理由によるパートタイマーが前月比減少(改善)しているものの、自発的離職者数は減少、求職意欲喪失者は増加しており、単月では悪化方向にある。総じて米雇用市場は8月以降やや軟化していると言わざるを得ない。原油安やドル高という外的要因はここ1年来不変である一方、小売業などの内需業種の雇用は堅調に増加していることから、この軟化が持続的なものとはまだ判断しがたいところである。金融政策については、FOMCが年内に利上げ開始を決定するとの個人予想は維持しておきたい。

20151003図8

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