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<経済指標コメント> 米7-9月期実質GDP成長率は前期比年率+1.5%

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[日本]

鉱工業生産指数(9月)は前月比+1.0%

9月の鉱工業生産指数は前月比+1.0%と3ヶ月ぶりの上昇。出荷指数も同+1.3%と上昇し、結果在庫指数は同-0.4%、在庫率指数は同-2.9%と低下した。全体では単月の出荷増で在庫調整が進んだ形。公表元の経済産業省は基調判断を「一進一退」とし、前月の「弱含み」への引き下げから1ヶ月で上方修正した。企業設備投資の先行指標となる資本財出荷指数は同-1.9%と2ヶ月連続の低下、結果7-9月期の資本財出荷指数は前期比-0.4%と3四半期連続のマイナスの伸びとなった。7-9月期GDP統計上の企業設備は2四半期連続のマイナス成長に下振れするリスクが出てきている。7-9月期の在庫指数は前期比横ばいとなり、予想以上に在庫調整が進んだことから、GDP統計上の企業在庫は成長にほぼゼロの寄与に下振れする可能性が出てきた。

20151101図1

家計調査(9月):実質家計消費支出(2人以上の世帯)は前月比-1.3%(前年比-0.4%)

9月の家計調査、実質家計消費支出は前月比-1.3%と3ヶ月ぶりに低下した。季節調整前前年比では-0.4%と2ヶ月ぶりに低下。実質消費支出指数は94.6と、消費税率引上げ前の2013年の水準(年間平均=100)をも下回っており、家計消費が中期的に低迷していることを示唆している。7-9月期の実質家計消費支出指数は前期比+0.6%と前期の同-3.2%からプラスに転化しており、GDP統計上の7-9月期実質家計消費はプラスに転化する可能性がまだ高い。なお、内閣府の消費総合指数は8月までで前期比年率+2.1%とプラス成長に転化しているが、9月分が-1.3%低下すると同+0.9%となり、筆者個人予想同+1.0%とほぼ同じレベルに着地する見込みである。上記の資本財出荷と企業在庫の下振れ、及び9月までの貿易収支統計における7-9月期貿易赤字の拡大状況から、7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率-0.4%と2四半期連続のマイナス成長に下振れするリスクが高くなっている(10月4日付け当レポートにおける筆者個人予想は同+0.8%のプラス成長)。

20151101図2

全国消費者物価指数(9月、生鮮食品を除く総合)は前月比横ばい(前年比-0.1%)

9月の全国消費者物価指数、生鮮食品を除く総合指数(コア指数)は4ヶ月連続となる前月比横ばい。衣料(同+6.9%)等が前月比での指数を押しあげ、電気代(同-1.8%)等が指数を押し下げた。前年比では-0.1%と2ヶ月連続でマイナスの伸び。エネルギーが引き続き前年比の伸びを-1.13%と大きく押し下げている。一方、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数(コアコア指数)は前月比+0.1%、前年比+0.9%と、4ヶ月連続で前年比の伸びを上昇させている。エネルギー価格低下でコア指数の前年比伸び率は低迷しているものの、コアコア指数の上昇率は着実に加速しており、労働市場を中心とする需給の引き締まりがデフレ圧力を後退させている可能性は今年に入って継続している。なお、原油価格が現在の1バレル=40ドル台を維持すれば、昨年末からの原油価格下落要因は間もなく剥落し、来年初にはコア指数の前年比伸び率も+1%に上昇する計算になる。ただし、日本のフィリプス曲線の形状からは、失業率が2%レベルにまで低下しなければ2%コアインフレ率は達成できない計算になる。2%コアインフレ率の達成は引き続き困難と見たい。なお、日本銀行は10月30日の「経済・物価情勢の展望」で示した政策委員の大勢見通しで、コアインフレ率が2%に近づく時期を、7月時点見通しの2016年度から2017年度に後倒しした。

20151101図3

完全失業率(9月)は3.4%(前月比横ばい)

9月の完全失業率は3.4%と前月比横ばい。引き続き97年以来の低水準にある。就業者数は前年比+0.6%と4ヶ月連続の増加、労働力人口も同+0.5%と2ヶ月連続の増加で、労働市場の拡大をともなう失業率の低位安定である。労働参加率は59.9%(前月比+0.3%ポイント)と2010年1月以来の水準に上昇した。労働市場は依然タイトな需給にあるが、労働力人口の増加がこれを緩和する方向に働いている。

20151101図4

住宅着工戸数(9月)は年率900千戸(前月比-3.3%)

9月の住宅着工戸数は年率900千戸(前月比-3.3%)と減少。3ヶ月移動平均は915千戸と今年5月の水準に低下しており、昨年末以来に順調に増加してきた住宅着工の増加ペースにやや頭打ち感もみられる。7-9月期の住宅着工戸数は前期比-3.9%と前期の一時的急増の反動で大幅減少となったが、7-9月期のGDP統計上の住宅投資はこれまでの着工の積み上げで前期比プラスの伸びを継続すると見る。

20151101図5

[米国]

新築住宅販売戸数(9月)は年率468千戸(前月比-11.5%)、在庫期間は5.8ヶ月

9月の新築住宅販売戸数は年率468千戸(前月比-11.5%)と3ヶ月ぶりかつ大幅な減少。地域別には北東部(同-61.8%)の急減をはじめ、中西部・南部・西部のすべての地域で販売戸数が減少した。これにより在庫期間は5.8ヶ月と前月の4.9ヶ月から大幅長期化した。販売戸数の単月の急減の要因は定かではないが、今年に入り3、6、9月の四半期末月にいずれも季節調整済の新築住宅販売戸数が一時的に減少しており、季節調整による統計の歪みである可能性もある。一方で中古住宅販売は9月に大幅増加しており、現状では住宅販売市場の堅調な拡大は継続していると見たい。

20151101図6

耐久財受注(9月)は前月比-1.2%、除く運輸関連同-0.4%、非国防資本財(航空機関連を除く)受注同-0.3%、同出荷同+0.5%

9月の耐久財受注は前月比-1.2%と2ヶ月連続で減少、運輸関連を除くベースでも同-0.4%と2ヶ月連続の減少となった。設備投資の先行指標となる非国防資本財(航空機関連を除く)受注も同-0.3%と2ヶ月連続減少。GDP統計上の機器投資の基礎統計となる同出荷は同+0.5%、7-9月期の同出荷は前期比年率+2.2%と2四半期連続のプラス成長となった。なお、この後に公表された7-9月期GDP統計では機器投資が同+5.3%と前期の同+0.3%から成長が加速したとの結果になった。総じて企業設備投資は昨年末のマイナス成長から回復しているものの、そのペースは依然緩やかなものにとどまっている。先行性のある受注の伸び悩みは今後も設備投資拡大ペースが緩やかにとどまる可能性を示唆している。海外経済減速やドル高が企業設備投資意欲を抑制していると考えられる状況は不変である。

20151101図7

実質GDP成長率(7-9月期、速報値)は前期比年率+1.5%

米7-9月期実質GDP成長率は前期比年率+1.5%と、前期の同+3.9%から減速した。需要項目別内訳は、個人消費同+3.2%、設備投資同+2.1%、住宅投資同+6.1%、政府支出同+1.7%、企業在庫寄与度同-1.44%、純輸出寄与度同-0.03%。筆者個人予想同+2%台半ばに比べて結果は下振れたが、企業在庫が予想以上に成長を大きく-1.44%押し下げたのが下振れの主因で、個人消費や住宅投資は予想通り堅調な拡大。設備投資は予想比やや弱めだったが、振れの大きい構造物投資(同-4.0%)が要因、機器投資は同+5.3%と成長ペースが加速した。在庫調整の加速も在庫循環の状況と整合している。個人消費・設備投資・住宅投資を合わせた国内最終民間需要は同+3.2%と2四半期連続の3%台成長で、内需は引き続き堅調である。一方で財・サービス輸出は同+1.9%と前期の同+5.1%から伸びが減速している。在庫調整で一時的に7-9月期の成長は減速したものの、10-12月期には再び2%台の成長に回帰すると見る。

20151101図8

実質個人消費(9月)は前月比+0.2%、個人消費支出価格指数は前年比+0.2%、同コア指数は同+1.3%

9月の実質個人消費は前月比+0.2%と、前月の同+0.4%からやや減速したものの堅調な伸び。自動車販売増加を反映して耐久財消費が同+0.6%の増加、一方で小売売上の不振を反映して非耐久財消費は同-0.3%と5ヶ月ぶりに減少、サービス消費は同+0.3%と堅調な拡大だった。結果7-9月期の実質個人消費は前期比年率+3.2%と2四半期連続+3%台の好調な拡大を維持した。10-12月期はやや伸びが減速して同+2%台後半の伸びを見込んでいるが、今後も個人消費が米経済を牽引する構造は不変と見る。個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比-0.1%、前年比+0.2%とゼロ近辺の伸びに留まっているが、食品及びエネルギーを除くコア指数は前月比+0.1%、前年比+1.3%と相対的に安定推移している。原油価格が現状の1バレル=40ドル台を維持できれば、昨年末からの原油価格下落要因が剥落して来年初には総合PCE、コアPCEいずれも前年比+1.5%レベルの伸びを回復する見込みである。

20151101図9


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