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投打かみあう回復~日本の1-3月期GDPと見通し

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日本の経済は1-3月期に予想以上に力強く回復が加速した。ここまでの牽引役は家計消費である。今後は企業部門の回復と政府経済対策効果が成長ペースを維持するだろう。筆者個人の日本経済成長率予想を引き上げるとともに、米国ほかについてもアップデートを行う。

日本の1-3月期成長率は3.5%:家計消費が力強く牽引

先週16日に公表された日本の1‐3月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.5%と、2四半期連続となるプラス成長だった([第1図])。成長の牽引役となったのは家計消費である。家計最終消費支出は前期比年率+3.7%と2011年7-9月期以来の強い伸びとなり、成長率を+2.2%押し上げた([第2図])。これで、2012年の事実上のリセッション(4-6月期、7-9月期の2四半期連続マイナス成長)から日本経済はまず立ち直り、さらにその回復ペースは加速したといえる。

好調な家計消費の背景は個人の景況感の好転だといえる。アベノミクスによる景気拡大への期待、連日にわたる株価上昇などが消費者態度指数を急伸させているのはその表れである([第3図])。リセッション後の景気回復初期に家計消費が先行して回復するのは過去にもしばしば見られた回復パタンである。

[第1図]
20130521図1

[第2図]
20130521図2

[第3図]
20130521図3


企業部門も近々底入れと見る

逆に、1-3月期の成長を押し下げたのは引続き企業部門だった。民間企業設備は5四半期連続のマイナス成長となる同-2.6%で、成長率を-0.3%押し下げた。同様に民間在庫も成長率を同-0.7%押し下げる結果となった(前掲[第2図])。

しかし、企業部門の先行きは暗くはない。上記のとおり家計消費に遅行して企業部門が回復するパタンは過去にもある。また直近の経済指標を見ると、企業部門も着実に回復していることが分かる。

設備投資の先行指標となる機械受注(船舶・電力を除く)は約1年ぶりに前年比でプラスの伸びに増加している([第4図])。民間企業設備は4-6月期には6四半期ぶりにプラス成長となり、成長を押し上げる役割を果たせると見る。

民間在庫の減少も、企業部門が拡大に転じるために必要な調整である。企業在庫率は昨年初から欧州財政危機を機に上昇して、意図せざる在庫の積み上がりが進んだ。その後企業在庫率は昨年末頃にピークとなり、以後今日まで順調に低下している([第5図])。企業の在庫調整は相当に進んだといえる。

[第4図]
20130521図4

[第5図]
20130521図5

消費は安定も経済対策効果が成長を維持の見込み:通年成長予想引上げ

1-3月期で3.5%の成長は筆者の3月時点の筆者の個人予想(3月17日付当レポート[第1表]参照)を大幅に上回るものだった。3月時点では、1-3月期の成長は概ね1%程度にとどまると見ていた。しかし、予想外の株価上昇と景況感の改善で、今年の景気の立ち上がりは極めて早い。

もっともベースラインの家計消費の伸びがこのペースで続くとは考えにくい。ここまでの家計消費急伸は主に株価や政策アナウンスメント効果による景況感の好転によるものと考えられる。現金給与の伸びは依然として低迷しているほか、雇用の伸びも今年に入ってプラスに転じているもののまだ力強さは見られない。本格的な消費の回復には、株価上昇のみならず賃金・雇用を合わせた所得の持続的増加が必要となろう。その他の景況感調査でも、景気ウォッチャー調査による判断DIが、現状・先行きともに2-3月にやや伸び悩みを見せているのはやや気になる。

一方で、4-6月期以降政府による財政出動の予算執行が本格化する。筆者は10.3兆円の政府経済対策の成長押し上げ効果を今年通年で約+1.2%と見ている(1月20日付当レポート参照)。今年の後半は企業部門の回復と政府財政が景気を押し上げ、個人消費の伸びの安定化を補うことになるだろう。主に1-3月期の成長率が予想を上回ったことを受けて、筆者個人の2013年暦年の日本の成長率予想を前年比+1.7%に上方修正する([第1表])。

経済・金融市場動向

同時にその他の指標の個人予想も改訂する。米国成長率も1-3月期の予想以上の伸びを反映して通年成長率をわずかに上方修正し+1.9%とする。もっとも政府歳出自動削減の実施と政府債務上限問題により政府部門が成長の足を引っ張ることと、雇用に関する先行指標や企業景況感に若干の陰りも見られることから、4-6月期以降の成長率や若干下方修正した。

金融市場では、日米の株価とドル円相場の個人予想をこれまでの実績に合わせ大幅に上方修正した。日米長期金利が今後年末にかけてじり高に向かうとの方向は不変である。ただし、日銀が4月に実施した「量的・質的緩和」の規模が当初想定を上回るものであったことから、日本国債利回りの水準を若干下方に修正した。

[第1表]
20130521表1



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