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<経済指標コメント> 日本の10月実質家計消費支出は前年比-2.4%

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[日本]

家計調査(10月):実質家計消費支出(二人以上の世帯)は前月比-0.7%(前年比-2.4%)

10月の家計調査、実質家計消費支出(二人以上の世帯)は前月比-0.7%と2ヶ月連続の減少。前年比でも-2.4%と2ヶ月連続でマイナスの伸びとなった。実質消費水準指数(二人以上の世帯、季節調整済、2010年=100)は93.9と、消費税引上げ前の2013年の水準である99~100レベルを大幅に下回っている。10月の同指数は7-9月期平均を-0.8%下回っており、7-9月期に前期比プラスの伸びに回復したGDP統計上の実質家計支出が10-12月期に再びマイナスの伸びに転化する可能性を示唆している。勤労者世帯の実収入は前年比-0.9%、可処分所得は同-0.3%といずれも2ヶ月連続でマイナスの伸びとなり、所得増加ペースも減速している。7-9月期まで2四半期連続マイナス成長となった日本経済の今後の回復ペースが緩やかなものに留まる可能性を示唆する指標である。

20151128図1

全国消費者物価指数(10月、生鮮食品を除く総合指数)は前月比+0.1%(前年比-0.1%)

10月の全国消費者物価指数、生鮮食品を除く総合指数(いわゆるコア指数)は前月比+0.1%と、前月まで4ヶ月連続横ばいののちわずかに上昇。しかし前年比では-0.1%と3ヶ月連続のマイナス伸び率となった。前年比の伸び率では、電気代(同-5.7%)、ガソリン(同-19.2%)などの価格が引き続き低下しており、エネルギーが指数の前年比の伸び率を-1.11%押し下げている。指数を押し上げているのは食料(同+15.9%)、テレビ(同+20.4%)など。一方で、食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数(いわゆるコアコア指数)は前月比+0.1%と4ヶ月連続の上昇、前年比では+0.7%と前月の同+0.9%からやや伸び率を低下させたものの相対的には堅調な伸びである。コアコア指数の堅調な伸びは、失業率低下など需給の引き締まりによるインフレ圧力が潜在的には存在していることを示唆している。原油価格が現在の1バレル=40ドル台で推移すれば、昨年末の原油価格下落要因が剥落する来年には、コア指数は前年比+1%台半ば、コアコア指数は同+1%台後半に上昇すると筆者は試算している。コア指数2%台の目標はまだ先だが、デフレ圧力の後退は徐々に目に見えてきている。

20151128図2

完全失業率(10月)は3.1%(前月比-0.3%ポイント)

10月の完全失業率は3.1%(前月比-0.3%ポイント)と、1995年7月以来の低水準に低下した。完全失業者数が206千人(前月比-9.6%)と大幅減少したのが主因。筆者試算の労働参加率は59.6%(同-0.3%ポイント)と前月比でやや低下したものの、6ヶ月移動平均は中期的に上昇傾向を取り戻している。コアインフレ率を変化させない失業率として筆者が試算した日本の自然失業率は4%弱となる。すでに日本雇用市場は完全雇用以上の需要超過にあるといえる。

20151128図3

[米国]

中古住宅販売戸数(10月)は年率5360千戸(前月比-3.4%)、在庫期間は4.8ヶ月

10月の中古住宅販売戸数は年率5360千戸(前月比-3.4%)と、今年4月以来の水準に減少した。3ヶ月移動平均も同5403千戸(前月比-1.3%)低下しており、中古住宅販売戸数の伸びにはやや頭打ち感も見られる。一方、在庫期間は4.8ヶ月と前月の4.7ヶ月からやや長期化したものの依然として低位にあり、需給はまだタイトである。中央販売価格は前年比+5.8%と適正な上昇ペースにある。公表元の全米不動産業協会(NAR)はプレスリリースで「10月の減少は過去2、3ヶ月の販売増加の反動」「在庫供給は中古・新築ともに今秋まで改善が見られず、消費者の選択肢の狭さが市場にとっての懸念」と述べている。

20151128図4

実質GDP成長率(7-9月期、改定値)は前期比年率+2.1%

7-9月期の実質GDP成長率(改訂値)は前期比年率+2.1%と、速報値の同+1.5%から上方改訂。需要項目別内訳は、個人消費同3.0%(速報値同+3.2%)、設備投資同+2.4%(同同+2.1%)、住宅投資同+9.5%(同同+6.1%)、政府支出同1.7%(同同+1.7%)、在庫投資寄与度同-0.59%(同同-1.44%)、純輸出寄与度同-0.22%(同同-0.03%)。上方改訂の主因は在庫投資の大幅上方改訂であり、これが成長率を速報値比+0.85%押し上げている。その他には、財・サービス輸出が同+0.9%と速報値の同+1.9%から下方改訂されているのが目立つ。個人消費・住宅投資・設備投資を合わせた国内最終民間需要は同+3.1%と、速報値の同+3.2%からほぼ不変。総じて内需項目には大きな改訂はなく、経済見通しに対する影響も限定的な改訂といえる。米経済は引き続き堅調な拡大を続けており、10-12月期にも2%台の成長持続を見込む。

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耐久財受注(10月)は前月比+3.0%、除く運輸関連同+0.5%、非国防資本財受注(航空機関連を除く)同+1.3%、同出荷同-0.4%

10月の耐久財受注は前月比+3.0%の大幅増、変動の大きい運輸関連を除くベースでも+0.5%の増加。設備投資の先行指標となる非国防資本財出荷は同+1.3%と強めの伸びで2ヶ月連続の増加、前年比でも同+0.4%と9ヶ月ぶりにわずかにプラスの伸びに転じた。企業部門の受注は低迷から底入れの兆しが見られる。GDP統計上の機器投資の基礎統計となる同出荷は前月比-0.4%と減少、10月の同出荷は7-9月平均を下回るスタートとなった。海外景気減速やドル高で設備投資は依然緩やかな拡大ペースにとどまっているが、受注ペースの回復は今後にとっての朗報である。

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新築住宅販売戸数(10月)は年率495千戸(前月比+10.7%)、在庫期間は5.5ヶ月

10月の新築住宅販売戸数は年率495千戸(前月比+10.7%)と、前月の同447千戸(同-12.9%)の反動で大幅増加した。ただし、販売戸数の6ヶ月移動平均は489.5千戸と5ヶ月連続低下しており、中古同様に住宅販売戸数の頭打ち感を示唆する結果となっている。一方在庫期間は5.5ヶ月と標準とされる6ヶ月を下回っているものの今年に入り長期化傾向にある。11月8日付<経済レポート>で見たようにマクロでの住宅需要はまだ拡大していると考えられることから、住宅販売は引き続き堅調な拡大を続けると見る。新築・中古ともに在庫不足が販売ペース減速の要因と考えられる。

20151128図7

実質個人消費(10月)は前月比+0.1%、個人消費支出価格指数は前年比+0.2%、同コア指数は同+1.3%

10月の実質個人消費は前月比+0.1%と弱めの伸びに留まった。内訳は、自動車販売増加を反映した耐久財消費が同+0.2%の伸びだったが、非耐久財消費が同+0.1%と小売売上の回復の遅れを反映して弱めの伸び、またサービス消費が同横ばいにとどまったことも全体の数字の抑制要因となった。実質個人消費の前年比の伸び率は+2.7%と15ヶ月ぶりに+3%を割り込んでおり、個人消費拡大ペースには減速感もある。しかしながら、8月の同時株安が消費者センチメントに与えた悪影響はほぼ現状では剥落しており、10月の強い雇用の伸び回復と賃金上昇加速で、今後再び個人消費は拡大ペースを加速させると見たい。10-12月期のGDP統計上の実質個人消費は前期比年率+2%台の伸びを引き続き見込む。個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比+0.1%(前年比+0.2%)、同コア指数は前月比横ばい(前年比+1.3%)。コアPCEインフレ率は依然相対的に高めの安定した前年比上昇率を維持している。原油価格が現状水準で推移すれば来年にはPCEデフレーター、同コアともに前年比+1%台後半の伸びに回復すると筆者は試算している。コアPCEの安定推移は原油価格下落によるインフレへの下方圧力が一時的なものであったことの証跡であり、12月のFOMC利上げ開始予想を支持する結果である。

20151128図8


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