FC2ブログ

<経済指標コメント> 日本の11月実質消費支出(二人以上の世帯)は前年比-2.9%

  • カテゴリ:未分類
  • コメント:0件
  • トラックバック:0件
[日本]

家計調査(11月):実質消費支出(二人以上の世帯)は前月比-2.2%(前年比-2.9%)

11月の家計調査、実質消費支出(二人以上の世帯)は前月比-2.2%と3ヶ月連続の前月比減少、消費水準指数(季節調整済)は91.8と2014年4月の消費税率引上げ前の水準(約99~100)を大幅に下回っている。前年比の伸びも-2.9%と3ヶ月連続のマイナスとなった。前年比の増減率に寄与した主な減少項目は、交際費(寄与度-1.16%)、自動車関係費(同-0.76%)、教育娯楽用耐久財(同-0.37%)など、交際・娯楽などの嗜好品目や自動車など高額品目ついての消費手控えが目立つ。勤労者世帯の可処分所得は前年比-2.5%と3ヶ月連続でマイナスの伸びとなっており、所得減少がそのまま消費手控えにつながっている。家計消費は引続き減速を続けていると言わざるを得ず、7-9月期に前期比年率+1.4%とプラス成長に転化したGDP統計上の実質家計消費も10-12月に再びマイナス転化するリスクが出てきている。なお、内閣府の消費総合指数(10月)は前月比-0.2%と、7-9月期平均を下回るスタートとなっている。

20151226図1

全国消費者物価指数(11月、生鮮食品を除く総合)は前月比横ばい(前年比+0.1%)

11月の全国消費者物価指数は前月比-0.3%(前年比+0.3%)。生鮮食品を除く総合指数(いわゆるコア指数)は前月比横ばい、前年比+0.1%と4ヶ月ぶりにわずかに前年比プラスの伸びに回帰したものの低調な伸びにとどまっている。前年比の伸び率上昇に寄与した費目は生鮮野菜(前年比+8.3%)など、伸び率低下に寄与した費目は電気代(同-5.6%)など。引き続きエネルギーが前年比の伸びを-1.03%押し下げている。一方、食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数(いわゆるコアコア指数)は前月比横ばい(前年比+0.9%)と前年比の伸び率をじりじり上昇させている。エネルギー価格低下により総合指数、コア指数の伸び率は低下しているが、失業率低下に伴う需給の引き締まりがコアコアのインフレ率を上昇させる傾向は不変である。原油価格の再下落が1バレル=35ドルレベルに留まれば、来年半ばにコア指数は前年比+1%レベル、コアコア指数は同+1%台半ばに上昇率を加速させる計算になる。

20151226図2

完全失業率(11月)は3.3%(前月比+0.2%ポイント)

11月の完全失業率は3.3%(前月比+0.2%ポイント)とわずかに上昇したが、引き続き低水準にある。内訳をみると、就業者数が前月比-0.6%、完全失業者数が同+5.3%と、完全失業者数が前月の大幅減(同-9.6%)の反動で増加しているのが目立つ。中期的に見ると、就業者数の前年比伸び率が+0.1%に減速、労働力人口の伸びも4ヶ月ぶりに前年比横ばいにまで低下している。筆者試算の労働力化率は59.4%(前月比-0.2%)と今年5月以来の低水準に低下している。タイト感のある労働市場だが、11月や拡大やや一服といったところである。

20151226図3

住宅着工戸数(11月)は年率886千戸(前月比+2.8%)

11月の住宅着工戸数は年率886千戸(前月比+2.8%)と3ヶ月ぶりの前月比増加、持家・貸家・分譲住宅のいずれもが前月比で増加した。季節調整前前年比の伸び率も+1.7%と2ヶ月ぶりにプラスの伸びに回帰した。しかしながら着工戸数の3ヶ月移動平均は882.9千戸(前月比-1.7%)と3ヶ月連続の低下、また11月までの10-12月期の着工戸数は前期比-4.5%と、2四半期連続マイナスの伸びになるペースである。総じて住宅着工の伸びは減速していると言わざるを得ず、10-12月期GDP統計上の実質住宅投資は4四半期ぶりのマイナス成長に転化するリスクが出てきている。

20151226図4

[米国]

実質GDP成長率(7-9月期、確報値)は前期比年率+2.0%

7-9月期の実質GDP成長率(確報値)は前期比年率+2.0%と、改定値の同+2.1%から小幅改訂にとどまった。需要項目別内訳は、個人消費同+3.0%(改訂値同+3.0%)、設備投資同+2.6%(同同+2.4%)、住宅投資同+9.9%(同同+9.5%)、政府支出同1.8%(同同+1.7%)、在庫投資寄与度同-0.71%(同同-0.59%)、純輸出寄与度同-0.26%(同同-0.22%)。本改訂の経済見通しに対する影響は限定的であり、10-12月期の実質GDP成長率は同+2%台を見込んでいる。ただし、10-12月期については直近の個人消費、企業部門の指標が下振れていることから、2%を割り込むリスクがでてきていると言わざるを得ない。

20151226図5

中古住宅販売戸数(11月)は年率4760千戸(前月比-10.5%)、在庫期間は5.1ヶ月

11月の中古住宅販売戸数は年率4760千戸(前月比-10.5%)と大幅減少、水準は2014年4月以来の低水準となった。地域別にも、北東部(同-9.2%)、中西部(同-15.4%)、南部(同-6.2%)、西部(同-13.9%)とすべての地域で販売が大幅減少している。売上急減の要因について公表元の全米不動産業協会(NAR)は「”Know Before You Owe“ルール(10月に発効した米消費者金融保護局による、不動産販売時におけるより広範な開示を求めるルール)による一時的なもの」としている。また「在庫不足と価格が消費者の購買力を制約している」がしかし「契約済販売件数は安定して」おり「販売減少は需要急減によるものではない」としている。11月の販売急減が販売ルール改正による一時的要因であれば今後中古住宅販売は再び増加基調に転ずるはずであるが、これが一時要因であるかどうかは今後の販売動向を見て判断する必要があろう。なお、在庫期間は販売減少を反映して5.1ヶ月と長期化、中央販売価格は前年比+6.3%と適度な上昇の範囲内である。

20151226図6

新築住宅販売戸数(11月)は年率490千戸(前月比+4.3%)、在庫期間は5.7ヶ月

11月の新築住宅販売は年率490千戸(前月比+4.3%)と2ヶ月連続の増加、Know Before You Oweルールの顕かな影響は新築住宅販売には見られない。もっとも販売戸数の6ヶ月移動平均は同479.7千戸(同-0.8%)と6ヶ月連続で低下しており、新築住宅販売も緩やかな減速基調にあると言わざるを得ない。一方販売在庫は232千戸(同+2.2%)と4ヶ月連続増加、結果在庫期間は5.7ヶ月とほぼ適切とされる6ヶ月に近い水準にある。

20151226図7

耐久財受注(11月)は前月比横ばい、除く運輸関連同-0.1%、非国防資本財受注(航空機を除く)同-0.4%、同出荷同-0.5%

11月の耐久財受注は前月比横ばい、運輸関連を除くベースでは同-0.1%。設備投資の先行指標となる非国防資本財受注(航空機を除く)は前月比-0.4%と3ヶ月ぶりに減少。GDP統計上の設備投資(機器投資)の基礎統計となる同出荷は同-0.5%と、前月の同-1.0%に続き2ヶ月連続の減少となった。企業部門の設備投資関連指標としてのこれらの指標は減速傾向にあると言わざるを得ない。11月までの10-12月期同受注は前期比+1.1%と前期の同+7.7%から大幅減速、同出荷は同-4.4%と3四半期ぶりのマイナスの伸びとなっている。海外景気減速やドル高の影響で企業設備投資は減速していると考えられる。10-12月期のGDP統計では設備投資のうちの機器投資が4四半期ぶりのマイナス成長になるリスクが出てきた。

20151226図8

実質個人消費(11月)は前月比+0.3%、PCEデフレーターは前月比横ばい(前年比+0.4%)、同コアは前月比+0.1%(前年比+1.3%)

11月の実質個人消費は前月比+0.3%の強めの伸びとなった。内訳は、耐久財消費同+1.1%、非耐久財消費同+0.9%、サービス消費同横ばいと、財消費が好調であり、好調なホリデー商戦を示唆する結果である。ただ10月分の下方改訂(同+0.1%から同横ばいに下方改訂)により、10-12月期GDP統計上の実質個人消費は前期比年率+2%レベルの伸びに留まり、前期の同+3.0%から大幅減速となる計算になる。実質個人消費の前年比の伸び率も+2.5%と2ヶ月連続の減速で、中期的には個人消費が減速しつつある局面にあると言わざるを得ない。今後FRB利上げに伴う金利影響で、個人消費は今年の3%台の拡大から2%台への減速を見込む。個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比横ばい(前年比+0.4%)、食品及びエネルギーを除く同コア指数は前月比+0.1%(前年比+1.3%)。昨年10月からの原油価格急落要因が剥落を初めて総合指数の前年比の伸び率は2ヶ月連続で上昇、コア指数の前年比伸び率は安定を保っている。今後は総合指数、コア指数ともに来年2016年末には約+1.7%の伸びを回復すると見ている。12月からの原油価格再下落はこれに対する下方リスク要因であるが、原油先物価格が1バレル=35ドルレベルまでの下落に留まればその影響は限定的と見る。

20151226図9

スポンサーサイト

コメント

トラックバック