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<経済指標コメント> 米5月非農業部門雇用者数は前月比+38千人

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[日本]

実質家計消費支出(4月)は前月比+0.2%(前年比-0.4%)

4月の家計調査、実質家計消費支出は前月比+0.2%と3ヶ月連続の増加、前年比でも-0.4%とマイナス幅を縮めた。1-3月期にGDP統計上で前期比年率+1.9%と、閏年要因もあり予想以上の伸びを示した実質個人消費だが、4月に入っても堅調な拡大が継続している。勤労世帯の実質実収入は前年比+1.0%と2ヶ月連続の増加に転じ、これも家計消費を底支えする要因となりうる。2014年4月の消費税率引上げ後永く低迷してきた家計消費にようやく底入れの兆しが見えつつある。もっとも実質消費支出指数の水準(2013年=100)は94.4にとどまり、消費税率引き上げ前の水準を-5%以上下回っている。

20160605図1

完全失業率(4月)は3.2%

4月の完全失業率は3.2%と前月比横ばい、1995年以来の低水準を保っている。内訳を見ると、就業者数、労働力人口のいずれもが増加しており、筆者試算の労働力化率は59.8%(前月比+0.2%ポイント)と上昇している。労働市場はかつ労働力人口への流入が継続しつつ拡大を続けているが、労働需給は依然タイトである。

20160605図2

住宅着工戸数(4月)は年率995千戸(前月比+0.2%)

4月の住宅着工戸数は年率995千戸(前月比+0.2%)と4ヶ月連続の増加で、2月の急増後の高水準を維持した。内訳は持家同-4.7%、貸家同+10.6%、分譲住宅同-6.0%と、貸家の増加が全体の数字を押し上げている。

20160605図3

鉱工業生産指数(4月)は前月比+0.3%

4月の鉱工業生産指数は前月比+0.3%と2ヶ月連続の増加。しかしながら前月の同+3.8%からは上昇ペースが減速、また3か月移動平均も依然下向きであり、生産の力強さはまだ見られない。出荷指数は同+1.5%、在庫指数は同-1.7%、在庫率指数は同-2.2%。出荷の増加で在庫、在庫率ともに低下している。総じて生産抑制により在庫調整が進行している状況だが、在庫循環図はまだ在庫調整局面から脱却しておらず、今後も在庫調整に伴う生産抑制は継続すると見られる。公表元の経済産業省は「生産は一進一退」と基調判断を据え置いている。設備投資の先行指標となる資本財出荷は前月比+1.0%とこれも2ヶ月連続の上昇。GDP統計で1-3月期に前期比年率-5.3%の大幅マイナス成長となった設備投資には底入れの兆しも見られる。

20160605図4

[米国]

実質個人消費(4月)は前月比+0.6%、個人消費支出価格指数は前月比+0.3%(前年比+1.1%)、同コア指数は前月比+0.2%(前年比+1.6%)

4月の実質個人消費は前月比+0.6%の急増。内訳は耐久財消費同+2.2%、非耐久財消費同+0.7%、サービス消費同+0.4%。4月の堅調な新車販売や小売売上の急増と整合する結果である。これにより、4-6月期の実質個人消費は+3%成長への上ブレがありうるペースとなる。FRBが参照するインフレ指標である個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前月比+0.3%(前年比+1.1%)、同コア指数は前月比+0.2%(前年比+1.6%)と堅調推移。筆者試算では、年末のPCEデフレーター前年比伸び率は+1.6%、コアPCEデフレーターは同+1.9%にまで上昇する計算になる。消費、インフレの観点からは6月FOMCでの利上げ実施個人予想を支持する内容である。

20160605図5

ISM製造業指数(5月)は51.3%(前月比+0.5%ポイント)、同非製造業指数は52.9%(同-2.8%)

5月のISM製造業指数は51.3%(前月比+0.5%ポイント)と2ヶ月ぶりの上昇で、景気判断の分かれ目を示す50%割れを回避した。総合DIを構成する5つのDIの内訳は、新規受注55.7%(同-0.1)、生産52.6%(同-1.6)、雇用49.2%(同横ばい)、入荷遅延54.1%(同+5.0%)、在庫45.0%(同-0.5)とまちまち。同非製造業指数は52.9%(前月比-2.8%)と3か月ぶりの低下。総合DIを構成する4つのDI内訳は、事業活動55.1%(同-3.7)、新規受注54.2%(同-5.7)、雇用49.7%(同-3.3%)、入荷遅延52.5%(同+1.5%)と、入荷遅延を除く主要な3つのDIがいずれも低下した。総じて、好調な家計部門に比べて企業部門の回復が遅い状況が読み取れる。企業景況観は内容にばらつきがあり方向感がみられないものの、持続的改善の兆しはないといえる。弱い外需を背景に低迷していた製造業がやや持ち直した一方、強い内需を背景にこれまで高水準を保ってきた非製造業が弱含むという構図である。

20160605図6

新車販売台数(5月、乗用車及び軽トラック)は年率17.37百万台(前月比横ばい)

5月の新車販売台数(乗用車及び軽トラック)は年率17.37百万台と前月比ほぼ横ばいの高水準を維持した。前年比では前年同月の急増(同17.6百万台)との比較でマイナスの伸びとなった。自動車販売は依然好調で高水準を維持しているものの、その増加ペースは落ちてきている。年率17百万台レベルでは市場が飽和状態に近く、今後増加ペースは減速せざるを得ないとの見方に沿った動きである。

20160605図7

雇用統計(5月):非農業部門雇用者数は前月比+38千人、失業率は4.7%

5月の雇用統計、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比+38千人の増加にとどまり、大きな下方サプライズとなった。非農業部門雇用者数の伸びは結果3ヶ月連続の減速となった。米大手通信会社のストの影響によるマイナス影響約-35千人(米労働省による)を除いても同+73千人の増加にとどまった計算になる。主な業種別内訳は、鉱業同-11千人、建設業同-15千人、製造業同-10千人、小売業同+11千人、情報同-34千人、専門ビジネスサービス同+10千人、教育・医療同+67千人など、小売や教育・医療を除くほぼすべての業種で雇用が減少または減速している。一方で、時間当たり賃金(生産及び非監督労働者)は前年比+2.4%と前月の同+2.5%からやや減速したものの、金融危機以降の最高水準レベルを維持しており、賃金上昇圧力がじりじり高まっていることを示唆している。家計調査による失業率は4.7%(前月比-0.3%ポイント)と2007年11月以来の低水準に低下した。もっとも内訳を見ると、労働力人口が前月比で大幅減少し、労働参加率は62.6%(同-0.2%ポイント)に低下しており、見かけほどよい失業率低下ではない。総じて単月の指標としては失望させられるものと言わざるを得ない。しかしながら、他のファンダメンタルズ指標の堅調さと比較して5月の雇用急減速の数字にはやや違和感を禁じ得ない。予兆としては、5月ISM指数における雇用DIが製造業・非製造業ともに50%を下回っていたこと、また新規失業保険申請件数が5月に増加傾向を見せていたこと(同4週移動平均は4月30日時点で258千件、5月28日時点で276.75千件)、などがあるが、いずれも、上記ストライキ要因を勘案すれば雇用市場のトレンド転換の兆しとは言いにくい。筆者個人は、雇用市場が完全雇用に近いことから、中期的には今後雇用拡大ペースは徐々に減速していくと見ている(5月11日付<経済レポート>参照)ものの、現在がその転換点かを見極めるには6月以降の指標の点検が必要と考える。個人消費を含む需要拡大、堅調なインフレ率の観点からは、6月FOMC定例会合での+0.25%利上げ個人予想は維持したい。しかし、5月雇用統計がこれに対する下方リスク要因となったことは否めない。

20160605図8

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