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2年連続の減速と見る~米ホリデー商戦予想

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今年の米国ホリデー商戦売上高は前年比+3.3%と2年連続の減速を予想する。米経済を牽引してきた消費に減速が見られ、消費者センチメントも軟化している。更に年初にかけて政府債務上限問題などの不確実要素も多い。

ホリデー商戦前に個人消費はモメンタム低下中

11月29日のブラックフライデーに始まる米ホリデー商戦(クリスマス商戦)を前に個人消費はやや減速している。[第1図]は米小売売上高の前年比の伸びの推移(3ヶ月移動平均)だ。これによれば小売売上高全体の伸びは2012年後半以降ほぼ4%台半ばで安定推移している。ホリデー商戦ベース(自動車・部品ディーラー、ガソリンスタンド、レストランを除く小売売上)でもほぼ前年比4%台前半で安定推移している。

しかし、4%台の伸び率は好景気時期に比べて低い。今年9月時点のホリデー商戦ベース売上前年比伸び率は、3ヶ月移動平均+4.1%対し9月単月が+3.8%と、9月時点でモメンタムは下方にある。

消費者センチメントを取り巻く条件も向かい風だ。10月初からの2週間以上にわたる政府一部閉鎖で、政府や民間関連業種で強制休暇や給与支払停止が発生した。政府閉鎖は一旦終了したものの、新たな暫定予算は来年2月15日、政府債務上限不適用期限は同2月7日で終了する。今年の12月中旬までに両院合同予算委員会で新たな歳出削減案が合意できるかは不透明だ。

かかる外部環境が消費者センチメントの重しになっている。ミシガン大学消費者センチメント指数は8月以降3ヶ月連続で低下し、10月には昨年12月以来の低水準になっている([第2図])。

[第1図]
20131103図1

[第2図]
20131103図2

オバマ減税終了で可処分所得の伸び減速、カレンダー要因も不利

個人所得の伸び悩みも悪条件だ。個人の可処分所得の伸びは4-6月時点で前年比+1.9%と、昨年の4-6月期の同+3.6%から大幅に減速している([第3図])。主な要因は税負担の増加で、今年の4-6月期に可処分所得の伸びを‐1.5%押し下げている(昨年の同時期の税負担の可処分所得の伸び押し下げ効果は-0.7%)。

今年1月でオバマ減税の一部である給与税減税が停止され、個人の税負担が増加していることが主な要因だ。雇用と賃金は緩やかながら安定した伸びを示している一方で、実質増税が昨年に比べ消費者の所得を圧迫している。

カレンダー上、ホリデー商戦の期間が例年比短いのも不利な条件だ。ホリデー商戦期間は通常、感謝祭翌日の金曜日からクリスマス前日までの期間を指す。年毎に異なる感謝祭休日が今年は例年比遅めの11月28日となっている。そのためホリデー商戦期間は26日間にとどまり、昨年の32日、一昨年の30日と比べて大幅に短い期間になっている。

[第3図]
20131103図3

株価上昇と貯蓄率低下は好条件

一方で、好条件もないわけではない。FRBの量的緩和継続期待からNYダウは上昇していて、10月29日には年初来高値を更新した。景気減速を背景とした低金利継続観測によるいわゆる金融相場ではあるが、資産効果が個人消費を底支えする可能性はある。また、個人貯蓄率は4-6月現在で4.5%と、昨年同時期の5.5%から大幅低下して、消費者が可処分所得のより多くを消費に回していることを示唆している。

筆者個人予想を前年から減速の+3.3%とする

以上から、今年のホリデー商戦売上高(自動車・同部品ディーラー、ガソリンスタンド、レストランの売上を除く小売売上高の11-12月合計、季節調整済)の筆者個人予想を前年比+3.3%とする。

これは、10月のホリデー商戦ベースの売上を前月比横ばい、11月、12月の同売上を前月比+0.2%と置いた結果である。政府閉鎖の影響で10月の小売売上の伸びはほぼゼロと見る。因みに、10月の小売関連指標で最も早い10月新車販売台数(1日公表済)は、年率15.2百万台と前月比横ばいにとどまった。11月、12月については、政府債務上限問題の協議の行方次第ではあるがやや弱めの伸びを予想する。結果、ホリデー商戦売上の伸びは2年連続で前年の伸びを下回るという予想になる。

[第4図]
20131103図4

昨年同様の上方サプライズに期待する

これはやや保守的な予想で、リスクは上方と見ている。昨年2012年のホリデー商戦も前評判は良くなかったにも拘わらず結果的にはまずまずの成果(前年比+4.3%)を残した。

昨年の同時期には消費への向かい風要因がいくつかあった。まず2012年10月末にハリケーン・サンディが米東部に被害をもたらし米市場が10月29、30日の2日間閉鎖されるなどの影響がでていた。また、当時はいわゆる財政の崖問題(2012年末のブッシュ減税期限到来と2013年初からの歳出自動削減開始)を巡る議会交渉が長引き、翌年初からの増税・政府支出削減懸念があった。さらに欧州では、ギリシャ政府支援融資交渉がギリギリの線で進められており、ギリシャのユーロ離脱懸念が再浮上していた。

上記の[第1図][第2図]によれば、昨年9月時点の小売売上の伸び率や消費者センチメント指数は丁度現在とほぼ同様の水準にある。環境面からは昨年の方がむしろ状況は悪かったともいえる。

しかし現実にはホリデー商戦ベースの売上高は11月に前月比+0.6%の大幅な伸びを示し、ホリデー商戦売上高は当初予想以上の4%台を実現した。今年も株価に見られる資産価格上昇が所得の伸び減速をカバーするならば、上記個人予想を上回る売上も可能だ。ホリデー商戦売上は4%レベルまでの上ブレはあると見ておく。

業界予想はまちまち

なお、業界のホリデー商戦予想はまちまちである。まず、全米小売業連盟NRFは今年のホリデー商戦売上を前年比+3.9%と、昨年の+3.5%から加速すると強気に予想している(NRFの10月3日付プレスリリース)。

NRFは「総じて小売業者は2013年のホリデー商戦に楽観的で、政府歳出と債務上限に関する政治論争がこれまでの経済進展を打ち消すことはないと希望している」としつつ「この予想は議会・行政の今後45日間の行動にかかっている」「行動がなければ、米国民の指導者への信頼が失われ消費者信頼感の低下につながる可能性がある」として、債務上限問題の解決がこの予想の前提であることを示唆している。

これに対し、米調査会社ShopperTrakは、今年のホリデー商戦売上の伸びを前年比+2.4%と、昨年の3.0%から減速と慎重に予想している(9月17日付同社プレスリリース)。同社はプレスリリースで「経済は緩やかに回復を続けているものの、消費者は消費に慎重なままで気前よくお金を使う状態ではない」として、低めの売上予想としている。

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