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内需と雇用は加速中と見る:今週の米国主要経済指標

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今週の主要米国経済指標である2012年第4四半期GDP統計と2013年1月雇用統計では、雇用と消費の堅調さが示唆される結果になりそうだ。第4四半期成長率は1%台半ば、1月の非農業部門雇用者数は前月比+150千人の増加を見込む。

年末商戦で個人消費が加速した

30日公表予定の米国2012年第4四半期(10-12月期)の実質GDP成長率は前期比年率+1%半ばと予想する([第1図]参照)。個人消費・住宅投資などの内需は前期に比べて伸びが加速したが、輸出の減少と輸入の増加で純輸出項目が成長を押し下げているものと見る。

個人消費は、前期比に比べ伸びが加速した模様だ。昨年第4四半期の実質個人消費は、10月こそ前月比-0.2%の減少だったものの、11月に同+0.6%と大幅に増加した。公表済の12月小売売上高統計によれば自動車・ガソリン・レストランを除く売上高は前月比+0.4%と強めの伸びとなっている。ただ、12月の新車販売台数(自動車と軽トラック合計)は年率15.3百万台と前月の15.5百万台を下回った。

しかし、総じて12月までの個人消費は前の四半期に比べて加速している。年末のホリデー商戦の好調さが個人消費の数字を大きく押し上げた形だ。10-12月期の実質個人消費は前期比年率+2.7%の伸びで、前期の同+1.6%を大きく上回ったと見る。

[第1図]
20130128図1

住宅着工件数はリーマンショック以降最大の伸び

住宅投資は更に伸びを加速させた模様だ。先行指標である住宅着工件数の10-12月の平均は年率898千件で、これは7-9月平均の774千件にくらべ+16.1%の伸びである。これはリーマンショック以降で最大の増加率だ。GDP統計上の10-12月期の住宅投資は前期に続き2ケタの伸び、それも大きく加速して前期比年率+20%を超える伸びになったと見る。

設備投資はほぼ横ばいと見る。先行指標となる非国防資本財出荷の動きからは機器ソフトウエア投資は何とか小幅なプラスの伸びに回復したと見る。一方、構造物投資は先行指標となる建設支出統計の民間非住宅項目の伸びが11月までで前期よりやや減少している。結果設備投資は前期比ほぼゼロの伸びにとどまったとみる。

輸出不振で貿易赤字拡大が成長を押し下げていると見る

成長を押し下げると思われるのが純輸出項目だ。海外の景気減速が輸出の伸びを継続的に押し下げている一方、内需は概ね堅調で輸入はほぼ堅調なペースで伸びている。

11月までの貿易収支統計によれば、実質ベースの財の輸出は引き続き減少傾向がやまない状態だ([第2図]参照)。一方財の輸入は10月に一時的に落ち込んだものの11月には大幅に回復し、前年比で概ねプラスの伸びを維持している。実質ベースの財の貿易収支は2011年1-3月期以来の規模に拡大したと見る。

以上を併せ、2012年10-12月期の米国実質GDP成長率は、前期比年率+1%台半ばの伸びにとどまったと見る。しかし成長を押し下げるのは主に外需と設備投資であり、引き続き雇用の伸びを背景に消費が成長を底支えする形になっているはずだ。

[第2図]
20130128図2

雇用統計予想:1月も雇用者数は150千人レベルの増加を見込む

来週は2月1日に1月分雇用統計も公表予定である。非農業部門雇用者数は過去半年の間前月比+100~+200千人の間でほぼ安定した増加を続けている。1月も150千人レベルの増加が期待できる。

先行指標となる新規失業保険申請件数は1月19日〆週で330千件、同4週移動平均は351.75千件と300千件台前半~半ばの低位で推移している。過去10年間の統計によれば、新規失業保険申請件数が400千件を下回ると非農業部門雇用者数が前月比で増加に転じる傾向がある([第3図参照])。筆者は雇用が安定的に増加する水準に相当する新規失業保険申請件数を約370千件以下と見ている。

ISM非製造業指数の雇用DIも直近の12月指標では52.7%と景気判断の分かれ目である50%を上回っている。これらの指標は1月にも堅調な雇用増加が継続していたことを示唆している。

[第3図]
20130128図3

失業率の低下余地は限定的

一方失業率(直近12月は7.8%)は今後あまり急激には下がりそうにない。リーマンショック以後の失業率は、過去の景気後退期に比べ相対的に高目に上昇したことがしばしば指摘されている。その反動で、失業率ピークアウト後は想定以上に失業率の低下が加速している。需給ギャップとの相関から推計した失業率の水準は2012年第4四半期時点で約8%。これに対し12月時点の失業率は7.8%まで下がっている([第4図]参照)。これは経済の実態に比して失業率がやや下がりすぎである可能性を示唆している。

更に、今後雇用市場が更に好転すれば労働市場に人材が流入して労働参加率が上昇することが考えられる。そうなると、労働市場参入してから職に就くまでの間の期間その人口が失業者にカウントされるため、失業率はむしろ一時的に上昇することも考えられる。1月単月では更に失業率の低下がありうる。しかし今後1年間でマイナスの需給ギャップはほとんど縮小しない計算になる。従って失業率の低下は限定的なはずで、今年を通じては7%台半ばまでの低下が精々ではないだろうか。

[第4図]
20130128図4

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